黒猫の棲むところU
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#205 [イリア]



狐「―……お疲れ様。本当は休ませてあげたいんだけど、代わりはいないんだ。……残り11分、出れる?」




猫「当然」

狼「当たり前だ」


⏰:09/11/30 20:30 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#206 [イリア]



そう言うと猫さんと狼さんは、足早に部屋を後にする。

部屋に残ったのは、私と麗さんと狐さんと、衣装さん数人だけ。


⏰:09/11/30 20:30 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#207 [イリア]



麗「衣装は?流石にシャワー浴びる時間はないわね、タオル貰える?」

七「れっ…麗さんも出るんですか?!」



思わず素っ頓狂な声を上げる。
だってさっきまで、あんな…
精神的にきついんじゃあ……汗


⏰:09/11/30 20:30 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#208 [イリア]



麗「……当たり前でしょ、狐の言葉聞いてた?代わりなんていないの。私の代わりなんて、いる訳ないでしょ」



さっきまでとか違う、昨日までの高飛車な言い方。


⏰:09/11/30 20:31 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#209 [イリア]



七「……代わりはいなくても…でも、さっきまであんなことがあって…そこまでしてやらなくてはいけない、舞台なんですか…?!」


麗さんが私を見据える。タオルで口元を隠しているので表情までは分からない。


⏰:09/11/30 20:31 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#210 [イリア]



麗「―…あんたって本当、初心者。別に私たちが意味もなく、劇団稼業してると思ってる?ただでさえ妖との問題で忙しいってのに。本当は大人しくしときたいわよ。」


七「……?……じゃあ何で、わざわざ目立つようなことするんですか……?」


⏰:09/11/30 20:32 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#211 [イリア]


麗「…あいつら(妖)は……獣だからね、私たち(半妖)が身を潜めてると誰彼構わず襲い出す。血がそうさせる、止められないの。
……わざと、目立ってるのよ。関係ない人間への、被害を減らすため…そして何より、凶悪な妖の情報を集めるため……ま、他にも色々あるけどね……」


麗さんが止まっていた手を動かし、また濡れた髪をタオルでふく。


⏰:09/11/30 20:33 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#212 [イリア]



麗「て、あんたと話してる暇なんてないの!!あと何分?衣装かして!!」


狐「きゃー☆麗ちゃんったら、すっかり先輩っぽくなっちゃって☆生きてるうちに君の心の成長が見れて、僕 し あ わ …」


⏰:09/11/30 20:33 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#213 [イリア]


麗「邪魔、狐」


衣装「さぁさ!レディーのお着替えの時間ですわよ!男性の方は、ご退室願いますわ!!」


狐「ちぇ、別に麗ちゃんの裸なんて見慣れてるって。小さい頃、誰がお風呂にいれてあげてたと思って……」


麗「あんたに入れてもらった覚えはない!!」

⏰:09/11/30 20:34 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#214 [イリア]


ガンッ!!!


麗さんが出ていく狐さんに向かって、近くにあった箱を投げつける。


……こ、怖い……汗


狐さんの「急いでね〜〜」という、いつも通りのおちゃらけた声が遠くに聞こえる。

⏰:09/11/30 20:35 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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