黒猫の棲むところU
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#248 [イリア]



七「…泣いて…たんです、さっき…あの人たち…確かに、麗さんにしたことは許されない…けど…何で…」

狐「……何で、泣いてたかって?」

七「はい…」


狐「…さぁ…はっきりしたことは分かんないけど、……妖は、卑怯だからねえ…」


⏰:09/11/30 22:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#249 [イリア]



七「……?」


狐「ううん…何でもない。とりあえずあの男たちはいま折檻(セッカン)してるから。この舞台が落ち着いたら、詳しく聞き出すよ…もしかしたら」


七「?」


⏰:09/11/30 22:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#250 [イリア]









狐「――……雨原一族のことも、聞けるかもね……?」


⏰:09/11/30 22:24 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#251 [イリア]



狐さんの瞳が曇る、


なんて、返事すればいいのか。


こんなとき私は、何の言葉も思いつかない。


そうだ私、なにも覚えていないんだった。


⏰:09/11/30 22:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#252 [イリア]



狐「…さっ!暗い話は終わり☆僕からしだしといて何だけど!舞台に集中しよっかあ〜ちなみに僕の密かな楽しみは、みんながどれだけ台詞を間違えたかを数えることなんだけ」



七「……あ。」

狐「ん?」


⏰:09/11/30 22:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#253 [イリア]



七「……お使い……結局、ペン買ったのに、店に置いてきちゃった…」


私の顔を見て、狐さんが笑った。


狐「七衣ちゃん、初めてのお使い失敗だね…ククク、次頑張って?」

七「……はい…」


⏰:09/11/30 22:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#254 [イリア]



それからは舞台を集中して見た。
狼さんは子どもの頃の色んな事情が重なって、大人になれなかった役。

麗さんは、捨てられた玩具。女の子が小さい頃クリスマスに親から貰い、捨てられた今も女の子とした『ずっと一緒』という約束を信じている可哀想なお人形。さっきまで震えてたのが嘘みたいな、初心者から見て、完璧な演技だった。



そして――…………

⏰:09/11/30 22:26 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#255 [イリア]



『……嗚呼、人間。貴方は私達を捨てたのに、何故【大人】にならない?【大人】とゆう【物】になるため、私達を捨てたのではなかったのか。

【成長】の【仮定】として、ただの【人間】の【都合】で、感情を持つカラクリ……


私達を【造り】、【殺した】のではなかったのか。そして―……』


⏰:09/11/30 22:27 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#256 [イリア]







黒猫『――……【愛した】のでは、なかったのか。』




綺麗な声に、聞き惚れる。


⏰:09/11/30 22:28 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#257 [イリア]











黒猫『――……今、貴方の答が聴きたい。」


⏰:09/11/30 22:28 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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