黒猫の棲むところU
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#251 [イリア]
狐さんの瞳が曇る、
なんて、返事すればいいのか。
こんなとき私は、何の言葉も思いつかない。
そうだ私、なにも覚えていないんだった。
:09/11/30 22:25 :W61P :☆☆☆
#252 [イリア]
狐「…さっ!暗い話は終わり☆僕からしだしといて何だけど!舞台に集中しよっかあ〜ちなみに僕の密かな楽しみは、みんながどれだけ台詞を間違えたかを数えることなんだけ」
七「……あ。」
狐「ん?」
:09/11/30 22:25 :W61P :☆☆☆
#253 [イリア]
七「……お使い……結局、ペン買ったのに、店に置いてきちゃった…」
私の顔を見て、狐さんが笑った。
狐「七衣ちゃん、初めてのお使い失敗だね…ククク、次頑張って?」
七「……はい…」
:09/11/30 22:25 :W61P :☆☆☆
#254 [イリア]
それからは舞台を集中して見た。
狼さんは子どもの頃の色んな事情が重なって、大人になれなかった役。
麗さんは、捨てられた玩具。女の子が小さい頃クリスマスに親から貰い、捨てられた今も女の子とした『ずっと一緒』という約束を信じている可哀想なお人形。さっきまで震えてたのが嘘みたいな、初心者から見て、完璧な演技だった。
そして――…………
:09/11/30 22:26 :W61P :☆☆☆
#255 [イリア]
『……嗚呼、人間。貴方は私達を捨てたのに、何故【大人】にならない?【大人】とゆう【物】になるため、私達を捨てたのではなかったのか。
【成長】の【仮定】として、ただの【人間】の【都合】で、感情を持つカラクリ……
私達を【造り】、【殺した】のではなかったのか。そして―……』
:09/11/30 22:27 :W61P :☆☆☆
#256 [イリア]
黒猫『――……【愛した】のでは、なかったのか。』
綺麗な声に、聞き惚れる。
:09/11/30 22:28 :W61P :☆☆☆
#257 [イリア]
:09/11/30 22:28 :W61P :☆☆☆
#258 [イリア]
シン、とした会場に猫さんの声が響く。
艶やかに笑う舞台の上の猫さんを見て、
客席から息を飲む気配がした。
:09/11/30 22:29 :W61P :☆☆☆
#259 [イリア]
ザッッ
一瞬で赤いカーテンが落ち、舞台の上の人たちが見えなくなる。照明が落ち、真っ暗になった。
:09/11/30 22:29 :W61P :☆☆☆
#260 [イリア]
.....!!!!!......ワァッッッ....!!!!
客席に活気が戻った。
鳴り止まない拍手。
私も赤くなるまで手を叩く。
狐さんが手元のノートを見ながら話しかけてくる。
:09/11/30 22:29 :W61P :☆☆☆
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