漆黒の夜に君と。U[BL]
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#139 [ちか]
その時冥の身体がビクンと跳ねた。


相変わらず分かりやすい。
しかし冥はあくまで白を切るつもりらしい。

「んなワケないだろ!!//
何も隠してないってば!!」

そこで僕は止め(トドメ)の一言を刺す。

「僕見てたんだよ?」


もちろん嘘だけど。

⏰:09/05/17 08:21 📱:P906i 🆔:vhZETnFE


#140 [ちか]
チラリと冥を見ると、冥は大きな瞳に水分を含んでいた。


「‥‥‥‥ごめん…、でも…っホントにいきなりで俺‥‥―――っ」

まるでそれは子犬に弱々しかった。


あまりにも可愛い(可哀想?)から、そろそろ尋問はやめて種明かしでもしてあげようか。

僕はゆっくりと口を開いた

「凌には気に入ったモノにキスをする癖があるんだ。」

⏰:09/05/17 08:28 📱:P906i 🆔:vhZETnFE


#141 [ちか]
「へ…?」

今にも泣き出しそうだった瞳が僕を見上げた。

「凌のバイオリンの先生が外国の人で、凌が良い演奏をしたりするとハグしたりキスする人なんだよ。
たぶんそれが移ったんだと思う。」

そう言って笑ってみせるけど、冥は固まったままだった。


暫くして糸が切れたように冥はその場に座り込んだ。

⏰:09/05/17 09:16 📱:P906i 🆔:vhZETnFE


#142 [ちか]
「なにそれ‥‥‥。良かったぁ〜…(泣)」

瞳から涙が一粒ポロリと落ちた。


余程安心したのだろう。




でも、
本当の本番はこれから。

⏰:09/05/17 09:19 📱:P906i 🆔:vhZETnFE


#143 [ちか]
「でも、」


僕がそう呟くと冥は「?」と僕の顔を見つめた。






「僕に嘘つこうとするなんて、お仕置きだね。」

⏰:09/05/17 09:28 📱:P906i 🆔:vhZETnFE


#144 [ちか]
そう呟くと同時に、僕は強引に冥の唇を奪った。

逃げられないように右手は壁に、左は冥の頭をしっかりと押さえながら。


「んふ…っ///んんっ!!」


冥はそれを拒否するように僕の背中を力任せに叩く。


部屋にはクチュクチュと鳴る淫らな音と乱暴な拳の音だけが響いた。

⏰:09/05/17 19:52 📱:P906i 🆔:vhZETnFE


#145 [ちか]
舌絡めれば絡めるほど、
冥は息を荒くする。


唇を離すと銀色の線が糸をひいた。

その先に見えるのは潤む瞳。



全部、全部僕のモノにしてしまいたい。
僕だけのモノに。

⏰:09/05/17 20:14 📱:P906i 🆔:vhZETnFE


#146 [ちか]
こうやって唇を重ねている時だけは、僕が冥の全てを支配している気がした。


冥が僕だけを考えているように思えた。
僕だけを見ているように。



たとえそれが歪んだ愛情だったとしても。
僕はそれ以外の愛の確かめ方なんて知らない。

⏰:09/05/17 23:18 📱:P906i 🆔:vhZETnFE


#147 [ちか]
だけどそれでもいい。



それだけでいい。



冥を想うこの気持ちさえあれば、



それだけで。

⏰:09/05/18 14:15 📱:P906i 🆔:4sI39tHQ


#148 [ちか]
僕は足元に座りこむ冥の身体を無理矢理立たせた。


足にしっかりと力の入らない冥を腕で軽く持ち上げ、顔を首元に埋める。


舌先を使いながら首筋を這っていくと、それに連れて冥は熱っぽい声をあげた。

⏰:09/05/18 14:37 📱:P906i 🆔:4sI39tHQ


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