漆黒の夜に君と。U[BL]
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#205 [ちか]
ベッドから落ちた衝撃でさらに腰の痛みは悪化したようで、俺はその場を動けずに居た。
が、
「仕方ないなぁ。」
と気だるそうに呟くと、恭弥は軽々と俺を抱き上げた。
いつものお姫様抱っこで。
暴れたくても暴れられない俺は、ただ顔が赤くなっていくのを感じるしかなかった。
:09/07/16 17:36 :P906i :cLbwCS8g
#206 [ちか]
ゆっくりとベッドに降ろされた俺。
俺を気遣ってくれてるのかいつもより丁寧だ。
「…あ、ありがと..」
目も合わせないままそう言うと、恭弥は俺の頭を軽く撫でた。
「どういたしまして。」
その笑顔はすごく優しくて。愛しくて。
いつの間にか俺達の唇は重なろうとしていた。…――
:09/07/16 17:39 :P906i :cLbwCS8g
#207 [ちか]
バァンッ!!!!
「朝やで〜っ!!起きい〜♪」
残り数mmといったところで、愛しかった雰囲気はいとも簡単に掻き消された。
固まる俺と恭弥。
徐々に恭弥の怒りが辺り一帯に広がっていく。
そんなこともお構い無しに相変わらず暢気な声をあげるめぐさん。
「あ、ごめんごめん!!もしかして俺、邪魔してもた?!」
:09/07/16 17:50 :P906i :cLbwCS8g
#208 [ちか]
「もしかしてじゃなくて、邪魔なんだよ、ねぇ?分かってる?」
めぐさんの居る方へ振り返った恭弥の背中からは殺気が漂っていた。
「ごめんて!!そんな怖い顔せんとってや〜(汗)」
苦笑いを浮かべ両手を合わせるめぐさん。
そんな姿に恭弥はあからさまな溜め息を吐いた。
「で、なんの用?」
:09/07/17 13:16 :P906i :kBnPgbV.
#209 [ちか]
「ん?あ〜!!!そうそう!!」
恭弥の問いかけにめぐさんは大きく手を叩いた。
「海!!!海行こーや!!」
満面の笑み。
口元からは八重歯がチラリと見えた。
しかし、今のこの状況。
‥‥‥行けるはずない。
:09/07/17 22:25 :P906i :kBnPgbV.
#210 [ちか]
「悪いけど、冥体調良くないから今日は無理。」
「えっ?!なんで?!どーしたん冥ちゃん!!」
大袈裟なリアクションが独特だ。
「とにかく今日は無理。」
鬱陶しそうにめぐさんに返す恭弥の声を聞きながら、俺は俯いた。
行きたかったなぁ…海。
:09/07/17 23:13 :P906i :kBnPgbV.
#211 [ちか]
「ん〜…じゃあバーベキューしよ、バーベキュー!!」
大きくて通る声が雰囲気をパッと明るくした。
「だから体調が…、」
俺は恭弥の言葉を遮るように服の裾を引っ張った。
「…バーベキューしたい。」
小さく呟いたその声に恭弥は少し戸惑う。
「でも…「大丈夫だよ、さすがに今すぐは無理だけど..」
そう言って少し引きつるように笑った。
そうすると恭弥はいつもみたいに優しく俺の頭を撫でた。
「分かった。」
優しい微笑み。
:09/07/18 09:10 :P906i :ohQY5GhA
#212 [ちか]
「よし!じゃあ決まりやな★恭!!朝飯食ったら買い出し行くで!」
「買い出し?」
「おう!」
きょとんとした顔を向ける恭弥。
そして一言。
「バーベキューの準備って僕達でするの?」
あぁ…この人って、こう言う人だったよな‥
:09/07/18 09:14 :P906i :ohQY5GhA
#213 [ちか]
「当たり前やろ!!お前、ほんま相変わらずやなぁ」
ケラケラと笑うめぐさんにつられて俺も少し笑う。
本人はなんで笑われてるのか分かってない様子。
「ところで今何時か分かる?」
恭弥にそう聞かれ、めぐさんは自分の腕時計に目をやった。
「え〜っと、12時半過ぎやな!!」
「「‥‥‥‥。」」
あぁ…この人もこう言う人だったよな…。
:09/07/18 09:19 :P906i :ohQY5GhA
#214 [ちか]
その後、3人で朝御飯と言うには遅すぎる食事をとった。
「そう言えば凌は?」
「さぁ。どっかでヴァイオリンでも弾いてるんちゃう。」
めぐさんは凌さんの事となると、途端に機嫌を悪くする。
「ふぅん。」
「「「‥‥‥‥‥。」」」
なんだ、この空気!!
この雰囲気を変えるために俺はやたら饒舌(ジョウゼツ)になった。
そんな風に食事を終えた俺達は、暫くしてバーベキューの準備に取り掛かることにした。
:09/07/18 10:20 :P906i :ohQY5GhA
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