漆黒の夜に君と。U[BL]
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#209 [ちか]
「ん?あ〜!!!そうそう!!」

恭弥の問いかけにめぐさんは大きく手を叩いた。


「海!!!海行こーや!!」


満面の笑み。
口元からは八重歯がチラリと見えた。

しかし、今のこの状況。


‥‥‥行けるはずない。

⏰:09/07/17 22:25 📱:P906i 🆔:kBnPgbV.


#210 [ちか]
「悪いけど、冥体調良くないから今日は無理。」

「えっ?!なんで?!どーしたん冥ちゃん!!」


大袈裟なリアクションが独特だ。

「とにかく今日は無理。」

鬱陶しそうにめぐさんに返す恭弥の声を聞きながら、俺は俯いた。


行きたかったなぁ…海。

⏰:09/07/17 23:13 📱:P906i 🆔:kBnPgbV.


#211 [ちか]
「ん〜…じゃあバーベキューしよ、バーベキュー!!」

大きくて通る声が雰囲気をパッと明るくした。

「だから体調が…、」

俺は恭弥の言葉を遮るように服の裾を引っ張った。

「…バーベキューしたい。」

小さく呟いたその声に恭弥は少し戸惑う。

「でも…「大丈夫だよ、さすがに今すぐは無理だけど..」

そう言って少し引きつるように笑った。
そうすると恭弥はいつもみたいに優しく俺の頭を撫でた。

「分かった。」

優しい微笑み。

⏰:09/07/18 09:10 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#212 [ちか]
「よし!じゃあ決まりやな★恭!!朝飯食ったら買い出し行くで!」

「買い出し?」

「おう!」

きょとんとした顔を向ける恭弥。


そして一言。

「バーベキューの準備って僕達でするの?」


あぁ…この人って、こう言う人だったよな‥

⏰:09/07/18 09:14 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#213 [ちか]
「当たり前やろ!!お前、ほんま相変わらずやなぁ」

ケラケラと笑うめぐさんにつられて俺も少し笑う。
本人はなんで笑われてるのか分かってない様子。


「ところで今何時か分かる?」

恭弥にそう聞かれ、めぐさんは自分の腕時計に目をやった。

「え〜っと、12時半過ぎやな!!」

「「‥‥‥‥。」」


あぁ…この人もこう言う人だったよな…。

⏰:09/07/18 09:19 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#214 [ちか]
その後、3人で朝御飯と言うには遅すぎる食事をとった。

「そう言えば凌は?」

「さぁ。どっかでヴァイオリンでも弾いてるんちゃう。」

めぐさんは凌さんの事となると、途端に機嫌を悪くする。

「ふぅん。」

「「「‥‥‥‥‥。」」」

なんだ、この空気!!

この雰囲気を変えるために俺はやたら饒舌(ジョウゼツ)になった。


そんな風に食事を終えた俺達は、暫くしてバーベキューの準備に取り掛かることにした。

⏰:09/07/18 10:20 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#215 [ちか]
「じゃあ俺と恭は買い出し行ってくるから、冥ちゃんは留守番しときぃ。」

「僕も留守番が‥「んじゃあ、行ってきまーす♪」


そうして玄関の扉はバタンと音をたてた。


「恭弥もめぐさんも居ないし暇だなぁ。」

そう思いながらまだ痛む腰を少しさすった。

⏰:09/07/18 10:25 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#216 [ちか]
だだっ広いリビング。

さすがに一人で居るには寂しい。


「…凌さんどこかな?」


そう呟いて俺の足は自然と昨日の庭へ向かっていた。

――――――――――――――――――――――――

⏰:09/07/18 15:09 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#217 [ちか]
― めぐるside.―

「「「 あ。 」」」

玄関を出てすぐ俺達はバッタリ出会ってしまった。


(コイツ、あからさまに嫌な顔しやがって‥‥)

俺は思いっきり凌を睨んだ
その碧色の瞳に俺の姿なんて映ってないと言うのに。

「どこ行くの?」

「ん?ちょっと買い出しにね。」

⏰:09/07/18 20:00 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#218 [ちか]
「買い出し?」

首をかしげながら凌はそう言った。

「バーベキューすんねん!!!バーベキュー!!お前はココで留守番しとけ。」

自分で言うのもなんやけど、かなりの憎たらしい口調。

案の定、凌はムッとした顔を家の中へ入っていった。

⏰:09/07/18 21:01 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


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