漆黒の夜に君と。U[BL]
最新 最初 全
#240 [ちか]
「あ、そう。」
「はい…。」
「‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥。」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥。」」
気まずっ!!!!(汗)
どうすりゃいいんだよ…
なんか話題話題話題‥
「あ、あの…っ」
「何?」
「凌さんは、めぐさんの事、きっ‥嫌いですか?」
:09/07/20 13:44 :P906i :8LQ1D/eo
#241 [ちか]
「え‥‥‥、」
目を丸くする凌さん。
「あ‥‥‥っと…」
俺の馬鹿ぁぁっ!!!!(泣)
なに聞いてんだよ!!!
よりによって、めぐさんのこと‥‥っ
「ご、ごごめんなさい!!!
別に悪い意味とかじゃなくて!!その…「嫌い。」
「嫌いだよ、アイツのこと」
「え…あ、そう‥ですか…」
なんでかな。
分かってたハズなのに、なんか悲しい…。
:09/07/20 13:51 :P906i :8LQ1D/eo
#242 [ちか]
「でも…昔はもっと嫌いだった。」
「え?」
俯いていた顔をあげて左を見ると、至って無表情な凌さんが目に映る。
が、その碧眼は何かを物語っていた。
「昨日言っただろ?
俺が虐待を受けて施設に入れられて。今の両親が本当の両親じゃないこと。」
俺は力なく頷いた。
:09/07/20 14:48 :P906i :8LQ1D/eo
#243 [ちか]
「だから昔っから嫌いだったんだ。我が儘言いたい放題のアイツが。」
いつの間にか俺達を照りつけていた太陽は沈む準備を始めていた。
「俺は言えなかった。
欲しい物とかしたい事とか、我が儘言ったらまた捨てられるんじゃないか、って思うと恐くて言えなかった。」
「凌さん‥‥。」
…そんな哀しい顔しないで
:09/07/20 14:57 :P906i :8LQ1D/eo
#244 [ちか]
「でも今思えば、羨ましかったんだよ、アイツが。
俺は嫉妬してたんだ。」
凌さんはそう言って無理な笑顔を作った。
「でも今は違う意味で嫌い」
「違う意味?」
「うん。」
小さく頷いて、凌さんはヴァイオリンを撫でた。
:09/07/20 15:03 :P906i :8LQ1D/eo
#245 [ちか]
「アイツ昨日の夜出ていっただろ?あの後、きっと女と寝てた。」
「えっ?!」
初耳な事と衝撃的な事で、俺は思わず声を大きくした。
そして慌てて口元を手で覆う。
凌さんはそんな俺をチラリと横目で見て、話を続けた。
「いつからだかは分かんないけど、アイツそうやって何かから逃げてんの。」
そう言って表情を曇らせた。
「《何か》って…?」
:09/07/20 15:11 :P906i :8LQ1D/eo
#246 [ちか]
そう問いかけると、凌さんは静かに顔を横を振った。
「それは分からない。
でもああやって逃げるのは違うと思う。ムカつくし、なんて言うか‥‥
見てて痛い。」
俺はそう言い終えた凌さんに、なかなか声をかけられなかった。
だって…、俺思うんだ。
:09/07/20 15:17 :P906i :8LQ1D/eo
#247 [ちか]
きっと凌さんは
めぐさんの事嫌いじゃない
嫌いだったら、もっと拒絶してるよ。
見ないようにするはずだよ。
でも凌さんは違う。
多分、解りたいんだ。
凌さんはめぐさんのこと。
もっと近づきたいんだよ…
:09/07/20 15:21 :P906i :8LQ1D/eo
#248 [ちか]
「仲良くなれたら…良いですね。」
気づけば無意識に
そんなことを呟いていた。
「?べ、別に俺は‥‥っ」
凌さんは何かを言いかけたが、それが最後まで言い終わる前に、
『ただいまぁーっ!!!』
と買い出しから帰ってきためぐさんの声が響いた。
「あ、おかえりなさーい。」
振り返ると、たんまり食料を買い込んだ2人が見えた。
:09/07/20 15:28 :P906i :8LQ1D/eo
#249 [ちか]
「冥ちゃーん!!準備するでー♪」
少し遠くからめぐさんの明るい声が届く。
俺もそんな明るさにつられて「はーい!」と返事を返し、腰を上げた。
いつの間にか、だいぶ痛みは無くなっていた。
「あ、」
凌さんは動かず座りこんだまま。
「ほら、凌さんも行くんですよっ!!」
俺がそう言って手を差し出すと、
凌さんは少し戸惑いの表情を見せた後、
その手を掴んだ。
――――――――――――
――――――――――――
:09/07/20 15:47 :P906i :8LQ1D/eo
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194