漆黒の夜に君と。U[BL]
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#465 [ちか]
その日から俺は毎日深夜までバイトに明け暮れた。


恭弥が外出中なのを良いことに朝方まで働くこともしょっちゅうだったし、

久しぶりに店長やバイト仲間と話したりしてその時間が全く苦じゃなかった。


そんな風にして日は過ぎてゆき、恭弥の帰宅一日前、誕生日の二日前という日が訪れた。

⏰:10/02/27 21:23 📱:P906i 🆔:P6Gu94Xo


#466 [ちか]
学校が終わって、早速店に向かう。


バイトも今日で終わりだ。

また会えなくなるのは寂しいけど、恭弥へのプレゼントが買えると思うと気合いは充分に入った。


「冥、ちょっとこっち来い」

突然店長に手招きをされて、俺は言われるがまま店の奥に入った。

俺、なんかミスしたかな?

ビクビクしながらスタッフルームに入った。

⏰:10/02/27 21:34 📱:P906i 🆔:P6Gu94Xo


#467 [ちか]
「ほら、これ。」


そんな短い言葉と共に渡されたのは、茶色い封筒だった。


「え、でもまだ
仕事終わってな…」

「いいからいいから。
ずっと朝方まで働いてもらったから充分だよ。
今日はこれ持って早く帰って寝ろ。」


店長はそう言って優しい笑みを向ける。


「店゙長゙〜〜っ!!(泣)」


優しさに半泣き状態になった俺は衝動的に抱きついた。

⏰:10/02/27 21:44 📱:P906i 🆔:P6Gu94Xo


#468 [ちか]
「はいはい、はいはい。笑
分かったから!
じゃ、気をつけて帰れよ。」


そう言って店長は出ていった。

封筒の厚みからしても
やっぱり店長は優しい。


しかし
またお世話になったな…
いつかちゃんと恩返ししたいな。


そんなことを考えながら着替えを済ませ、裏口から店を後にした。

⏰:10/02/28 00:11 📱:P906i 🆔:QS.lHBaQ


#469 [ちか]
―― PM 23:58



この街が賑わい始める時間、俺は一人駅までの道を歩いていた。


やがて小さな曲がり角に突き当たり、路地裏に入っていく。

駅までの近道だから。


真っ直ぐそこを進むとまた角があり、そこを曲がろうとしたその時。

⏰:10/02/28 15:38 📱:P906i 🆔:QS.lHBaQ


#470 [ちか]
全身に電気が走ったみたいだった。


金縛りみたいに
動けなくなって
俺は声にならない声を
短く上げた。



だって

そこには

知らない女の人とキスしてる恭弥が居たから。

⏰:10/03/01 00:22 📱:P906i 🆔:k.iFxsI2


#471 [ちか]
固まった俺は

何度も瞬きをして

ソレが恭弥じゃないことを祈った。



だけど、何度見ても
恭弥に変わりはなくて。

それは紛れもない真実で。

⏰:10/03/01 00:39 📱:P906i 🆔:k.iFxsI2


#472 [ちか]
なんでなんでなんで

恭弥、
仕事なんじゃなかった?


なんでそんな人と
キスしてるの?

なんでそんな人の肩なんて抱いてるの?


「な ん … で 」

気づけば俺は逆方向へ
走り出していた。

⏰:10/03/01 00:43 📱:P906i 🆔:k.iFxsI2


#473 [ちか]
その日は

そこからもう記憶が曖昧。


どうやって帰ったか

何時に帰ったか

何も憶えてない。


だけど生々しいくらい
恭弥があの時何をしてたかだけは憶えてて
夢じゃなかったんだって実感するしかなかった。


気がつけば俺はベッドに寄りかかった状態で朝を迎えていた。

⏰:10/03/01 08:08 📱:P906i 🆔:k.iFxsI2


#474 [ちか]
涙のあとがくっきりと残っている。


「恭弥‥‥」


ダメだ。

名前一つ口にしただけで
苦しくなる。

もうすぐそこまで来ている涙を溢さないようにするので必死。

頭の中で何度も鮮明に
あの光景が流れた。

⏰:10/03/01 16:31 📱:P906i 🆔:k.iFxsI2


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