漆黒の夜に君と。U[BL]
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#642 [ちか]
自分でも分からない。
なんで恭弥じゃなくて
めぐるだったのか。
ただ衝動的だった。
頭から離れなかったのがコイツだった。
そんなことを考えていた頃、
「好き…やから?」
そんな声がした。
:10/08/16 01:11 :P906i :Jx75qT2o
#643 [ちか]
めぐるの声…か?
いや、夢…?
熱のせいか意識も薄れてゆき、もう現実かどうかも分からずそこから記憶は無くなった。
"好きだから"
と言う言葉を残したまま。
:10/08/16 21:48 :P906i :Jx75qT2o
#644 [ちか]
目を醒ますとそこにめぐるの姿は無かった。
「帰ったのか…?」
周りを見渡しても人気はしない。
柄にもなくなぜか寂しかった。
その時、
ガチャッ
玄関の開く音がした。
:10/08/17 00:59 :P906i :ub5vwO4U
#645 [ちか]
「あ、起きてたん?」
めぐるの声。
なぜか無性に安心した自分が居る。
めぐるはコンビニのレジ袋を提げて、こっちへ歩いてくる。
(そう言えば…)
『好き…やから』あの言葉は本当に夢だったんだろうか。
:10/08/17 01:03 :P906i :ub5vwO4U
#646 [ちか]
「冷えピタ買いに行っててん!」
ニコニコと笑うめぐるを見ながら、あの言葉が頭から離れない。
もし、めぐるが言ったんなら。
それは、どう言う意味なのか。
「貼ったるわ!冷たくて気持ちええで〜♪」
そう言って至近距離まで来たとき、思い切りめぐるの手を引き寄せた。
俺は賭けに出たんだ。
:10/08/17 01:10 :P906i :ub5vwO4U
#647 [ちか]
― めぐるside.―
「うわっ…?!」
凌に冷えピタ(冷却シート)を貼ろうと前のめりになった瞬間、俺はそのまま倒れ込んだ。
こけたんじゃない。
凌に引っ張られて。
「ちょ、なにすんねん!!
ふざけんのもええ加減に…」
上半身を起こそうとしたが力は思ったより強く、その腕から逃れることができない。
いつもと何が違う。
そう思った瞬間、凌が耳元で言った。
「お前、俺のこと好きだろ」
:10/08/17 01:16 :P906i :ub5vwO4U
#648 [ちか]
全身がカッと熱くなるのが分かった。
俺は大袈裟に後ろに退く。
「ななな、なに言ってんねん、いきなり!!」
やばい…っ
こんなあからさまに動揺したら本間にバレてまう…っ
分かってるのに、平然を装えへん。
:10/08/17 22:07 :P906i :ub5vwO4U
#649 [ちか]
ベッドから出てきた凌はゆっくりと俺の前まで歩いてくる。
「俺さぁ、さっき寝たフリしてただけで起きてたんだけど。」
そう言って俺の目線に合わせるようにしゃがみこんだ。
:10/08/17 22:15 :P906i :ub5vwO4U
#650 [ちか]
寝たフリ………?
う、嘘やん…?!??!
じゃあ、あの独り言も全部聞こえてたってこと?!
いや、それ以上にマズイのは‥‥‥キスしてしまったこと。
「なっ、えっ…あ、えっと!!」
混乱して言葉も出ない。
:10/08/17 22:25 :P906i :ub5vwO4U
#651 [ちか]
「どうなんだよ?」
下から覗き込むようにして俺を見上げる凌。
もう後には引けない。
そう思った俺は、何かの糸が切れたように喋った。
「‥‥‥そうやで。」
:10/08/17 22:39 :P906i :ub5vwO4U
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