漆黒の夜に君と。U[BL]
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#677 [ちか]
心臓がドキドキする。
どっちの音なのか分からんけど、自分の体が熱いのは十分に分かっていた。
抱き締められているその腕の中で俺は、ぎゅっと目を瞑った。
その声と胸の音だけが聞こえるように。
「やっと分かった。
俺の特別はお前だったんだって。」
その瞬間、
俺は瞑っていた瞳(メ)からずっと我慢していた涙を溢した。
:11/05/23 22:58 :P906i :hs3GZuoY
#678 [ちか]
「めぐる、好き。」
奇跡が起こったと思った。
ああ、俺は
どれだけその言葉を
待っていたんだろう。
どれだけこうなることを
望んでいたんだろう。
生きてきて初めだった。
こんなに幸福感で心が満たされたのは。
:11/05/24 00:13 :P906i :f7upGI8o
#679 [ちか]
そして凌はゆっくりと
俺から腕を離した。
そしてその色白の大きな手は俺の両肩へと伸ばされ、しっかりと見つめられる。
綺麗な碧色の瞳に見つめられると、吸い込まれてしまいそうだった。
:11/05/24 00:17 :P906i :f7upGI8o
#680 [ちか]
「好きだよ。」
凌は真剣な目でそう言った後、照れるようにして
目線をそらした。
胸がぎゅっと鳴った。
もう視界は
涙でぼんやりとしている。
:11/05/24 00:20 :P906i :f7upGI8o
#681 [ちか]
「俺も‥‥大好き‥。」
やっと言えた一言だった。
涙に混ざって
ちゃんと届くような声で
言えたかは分からない。
だけど、
目の前で凌は
顔を赤くしてはにかんでいた。
そして言う。少し意地悪な笑顔を浮かべて。
「知ってる。」
と。
:11/05/24 00:23 :P906i :f7upGI8o
#682 [ちか]
俺たちは
何度も確かめあうように
キスをした。
身長差のせいか
俺は少し背伸び気味で、
凌の首に腕を回す。
そんな俺を凌はぎゅっと抱き締めてくれた。
二度と離れたくない
と思うような、
そんな優しいキスを
何度も何度も
凌は俺に落としていった。
:11/05/24 00:27 :P906i :f7upGI8o
#683 [我輩は匿名である]
更新ずっと楽しみにしていました(*´∀`*)完結までゆっくり頑張ってください!いつも見ています♪
:11/05/24 19:41 :SH004 :BdCMATJA
#684 [ちか]
>>683匿名さま
待っていてくださり、ありがとうございます(;_;)
更新がんばるので、またよろしくお願いします*
:11/05/25 00:20 :P906i :FOgfge82
#685 [ちか]
>>682続き
閉じていた目を開くと
すぐ目の前に大好きな奴の顔がある。
涙で濡れた俺の頬を
優しく拭ってくれる。
「……一つだけ聞きたいことあるんだけど‥‥。」
拭ってくれた優しい手つきとは裏腹に、凌は不安げな目で俺を見た。
:11/05/25 00:26 :P906i :FOgfge82
#686 [ちか]
「なに?」
曇る瞳を覗き込むように
問い返した。
「その……、
まだ適当な女(ヒト)と寝たりしてる‥‥?」
ずっと聞くのを我慢していたかのような、か細い声だった。
俺は必死に顔を横に振る。
:11/05/25 00:40 :P906i :FOgfge82
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