漆黒の夜に君と。U[BL]
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#686 [ちか]
「なに?」


曇る瞳を覗き込むように
問い返した。


「その……、
まだ適当な女(ヒト)と寝たりしてる‥‥?」


ずっと聞くのを我慢していたかのような、か細い声だった。

俺は必死に顔を横に振る。

⏰:11/05/25 00:40 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#687 [ちか]
「ほんとに?」


どうやらこいつは
相当疑り深いようだ。

……まぁ、自業自得か。


真っ直ぐに碧眼を見つめながら、嘘じゃないことを伝えるために必死で言葉をを紡いだ。


「ほんまになんもしてへん。ていうか、なんでかそういう気になられへんかってん。お前を好きなんやって気づいてからずっと…。」

やっと信じてくれたのか
その目は少し細くなり、
「良かった。」と呟く。

⏰:11/05/25 15:07 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#688 [ちか]
「もうそういうことするなよ。」


そう言ってもう一度、
強く抱き寄せられた。

その温度が心地良い。


互いに高鳴る鼓動すら
愛しく思えた。


「これからお前に触れていいのは、俺だけ。」

⏰:11/05/26 01:15 📱:P906i 🆔:uHqg6e/Y


#689 [ちか]
「凌が俺にそんなん言うの、なんか変な感じ‥‥。」

「そう?」

「なんか、こう、まだ実感無いって言うか…。」

胸に顔を埋めると
凌の匂いがする。

この匂いも
この感触も
この温度も
全部俺の、なんて
やっぱりまだ夢みたいで。

「じゃあ、実感してみる?
その身体(カラダ)で。」

⏰:11/05/26 01:38 📱:P906i 🆔:uHqg6e/Y


#690 [ちか]
「なっ……に言って…ッ、ん」

動揺した隙に
つけこむように
意地悪いキスをされ、

その唇は
首筋へ落ちていく。

「あ‥‥や、しの…ぐっ、「なーんちゃって。」



は‥‥?

⏰:11/05/27 00:14 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#691 [ちか]
「風邪うつったら大変だから続きは今度…な。
なに、それともしたかった?つ・づ・き。クスッ」

「な………っ、///」


意地悪な笑顔を
俺に向けて決めこむその余裕さが気にくわない。


「ンなわけあるかっ!!!!////
あほ!!ぼけ!!どっか行け!!////」

動揺してしまってる自分も恥ずかしい。

⏰:11/05/27 00:18 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#692 [ちか]
「あははっ、痛いって。
でも、ちゃんと印はつけといたよ?ほら。」


もうすっかり日が暮れて
鏡のようになった窓を指差して凌は言う。

そこにはうっすらと見える紅い斑点。


「〜…っ!!!///」

「クスッ、顔真っ赤。(笑)」

「うるさいっ!!!!!/////」

⏰:11/05/27 00:24 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#693 [ちか]
今までは
鬱陶しいとしか思わなかったキスマークも、
好きな人からのだとこんなにも嬉しいのかと
初めて知った。


───────‥‥‥
───……

「は…ふあっくしゅんっ」



次の日、
俺は案の定風邪を引いた。

⏰:11/05/27 00:27 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#694 [ちか]
「まさか本当にうつるとは(笑)ま、舌入れてたし、仕方ないか。クスクス」


「笑い事ちゃうわ。あほ。」


昨日と
立場は逆転したようだ。


「お前はなんでそんな元気やねん…。っくしゅん。」

⏰:11/05/27 00:31 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#695 [ちか]
「うつすと治るっていうし、そういうことじゃない?」


ケロッとした顔で言うから余計むかつく。


……まぁ、でも、
おかげでもう少しこっち(東京)でこいつと居られそうなので、良しとしようか。

⏰:11/05/27 00:34 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


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