漆黒の夜に君と。U[BL]
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#745 [ちか]
>>743続き
― 恭弥 side.―
家に着いてから
部屋に戻りベッドに仰向けに倒れこんだ。
無造作に伸ばした手が
宙をかく。
「まさか顔に出てるなんて。」
宙をかいたその手の後に、冥の心配そうな顔が浮かんだ。
:11/05/31 00:01 :P906i :m8JJ0MGc
#746 [ちか]
冥はああ見えて
自分以外の人間に対して
すごく敏感なところがある
良く言えば
人の気持ちを察してあげる優しさがある。
…悪く言えば
顔色を常に窺ってる
ような気がしないでもない。
:11/05/31 18:36 :P906i :m8JJ0MGc
#747 [ちか]
‥‥‥‥、僕がそうさせているいるのだろうか。
「はぁ…。」
深くため息をついたのは
このモヤモヤした何かを振り払うためか。
それとも
僕のせいじゃない、
と言い聞かせているのか。
:11/05/31 18:41 :P906i :m8JJ0MGc
#748 [ちか]
どちらにせよ気分の良いものではなかった。
今どんな顔をしているのか、鏡を見なくても分かる気がした。
「あの子なら、冥にこんな思いさせないんだろうな。」
自ずと独り言が口から出る。
そしてどうしても引き合いに出してしまうのは、やっぱり彼で。
らしくない、と自分でも思う。
:11/05/31 18:48 :P906i :m8JJ0MGc
#749 [ちか]
しかし、
冥のこととなると
“自分らしさ”を保つのは難しかった。
もうそれだけ冥にハマっているんだと痛いほどに思い知る。
平常心、平常心、と
自分に言い聞かせることしか出来なかった。
:11/05/31 23:14 :P906i :m8JJ0MGc
#750 [ちか]
― 冥 side.―
やっぱりおかしい気がする。
今日の夕食は恭弥の好きな物ばっかりなのにちっとも美味しそうに食べてない。
いや、もともとそういうことを顔に出す人じゃないんだけど。この人は。
でもやっぱり、
なんか変な気がして俺まで食欲が無くなった。
:11/05/31 23:18 :P906i :m8JJ0MGc
#751 [ちか]
「‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥‥。」
フォークとナイフが黙々と動き、時間が過ぎる。
痺れを切らして
口を開いたのはやっぱり俺の方だった。
:11/05/31 23:23 :P906i :m8JJ0MGc
#752 [ちか]
「おおお、美味しいね!今日のこれ!あ、いや、いっつも美味しいんだけど!!あの、えっと…、」
なにやってんだ俺!(泣)
カミカミじゃねーか!
こういうの本当に俺下手くそだぁ〜…。
張り詰めた空気にトドメをさすような自分の失態に思わず泣きそうになった。
:11/05/31 23:27 :P906i :m8JJ0MGc
#753 [ちか]
チラリと向かい側に視線をやると、呆れられているような、なんだか上手く読み取れない表情を向けられてるのが見て取れた。
「あ、あの、だから…「冥ってさ。」
必死に間を取り持とうとした矢先、会話を遮られ俺はパチパチと瞬きを繰り返す。
「な、なに?」
:11/05/31 23:35 :P906i :m8JJ0MGc
#754 [ちか]
「……いや、やっぱり良い。」
「なんだよそれ!言いかけたなら最後まで言えよー!気になるじゃんか。」
そんなやり取りをして
恭弥はバツが悪そうな顔で再び話始めた。
「冥はいつから蓮見くんと仲良かったの?」
:11/05/31 23:40 :P906i :m8JJ0MGc
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