漆黒の夜に君と。U[BL]
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#817 [ちか]
「お前、軽すぎじゃね?」
な、な、な、
「×%☆₩$◆@●〜っ?!」
なんで
俺、透に覆い被さってんの?!
てか、
それを言うなら、
顔近すぎじゃね?!
:11/09/10 21:52 :Android :r3.xBClY
#818 [ちか]
「ったく、危なっかしーな、お前は。」
「ご、ごめん…、」
じゃなくて!!
この体勢、端から見れば
俺が透を押し倒してるみたいだ。
俺たち以外に誰もいない教室で、
こんな体勢って、
なんか危険な匂いしかしないんですけど!
「すぐ退(ド)くから…っ」
しかし、
透は退こうとした俺を引き寄せ、
俺は呆気なくその胸に顔を埋めてしまった。
:11/09/10 22:00 :Android :r3.xBClY
#819 [ちか]
「ふぐっ、う…?!」
なになになに。
訳わかんねーって!
この展開なに、
俺たちのこの抱擁なに、
え、もう俺パニックなんですけど。
息をするのも苦しいほど、
きつく締め付けられて
鼓動も上がり、俺の顔は真っ赤になっていた。
透の腕から逃れようと必死にもがき、
漸く埋めていた顔を離すことが出来た。
がしかし、その瞬間目が合うのは必然的なことで。
:11/09/11 02:09 :Android :ljqRaiOw
#820 [ちか]
沈黙に沈黙が重なり、
また沈黙。
真顔で俺を見つめるその瞳に
俺の焦った顔が映って見える。
耐えかねる空気がそこにあって、俺は口をパクパクと動かすだけ。
しかしそれも、
声を出すことは出来ず
空気を吸っては吐く原始的な動作しか出来なかった。
「あ……、あの、とお…、」
「…………プッ、アホ面。」
:11/09/11 12:21 :Android :ljqRaiOw
#821 [ちか]
「なっ、…!!!?」
「あはははは!!ひー、おっかしー!
なに顔真っ赤にしてんだよ、バーカ」
透はさっきまでの真剣な顔が嘘のように目の前で笑い転げている。
俺、こいつと親友のつもりだけど、
ときどき、
「読めねぇときがある…。」
「え、なんか言った?」
「いや…」
なんでもない。
.
:11/09/11 15:44 :Android :ljqRaiOw
#822 [ちか]
それから俺たちは
宿直の先生に見つからないように夜の校舎から裏門まで走り、こっそり抜け出して透の家に帰った。
こんなことしたの、
いつぶりだっけ。
楽しいなぁ、懐かしくて。
……―――――
…―――
――
:11/09/11 16:10 :Android :ljqRaiOw
#823 [ちか]
― 恭弥side.―
もう、いい加減迷惑なんだよ…っ
最後に交わしたのは
悲しくもあり、
それ以上に僕の決心を固くさせた。
やっぱり
僕は冥から離れた方が良い。
これ以上、冥を苦しめるくらいなら。
:11/09/12 00:38 :Android :8pbz01wM
#824 [ちか]
ここ最近ずっと考えていた。
蓮見透という人間の存在を
頭の片隅で意識しながら。
最初は
冥を誰にもやりたくない、
僕だけのものにしたい、
彼にも譲れない、
そんな風に思っていた。
だけど、
:11/09/12 00:41 :Android :8pbz01wM
#825 [ちか]
徐々にその独占欲は
冥の幸せを優先したいと思う感情に呑まれるようになった。
こんなのは初めてだ。
他人の幸せを一番に考えるなんて。
そして、
その感情が加速するにつれて、
僕はあることに気づいた。
僕では、冥を幸せには出来ないということに。
:11/09/12 00:46 :Android :8pbz01wM
#826 [ちか]
僕は、
どうしても自分の欲で冥を呑み込んでしまう。
僕から離したくなくなって、
でもそれは冥の自由も同時に奪ってしまう。
きっと幸せも。……
それならいっそ、
冥から離れることが
僕が冥に出来る優しさなんじゃないか。
:11/09/12 00:51 :Android :8pbz01wM
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