漆黒の夜に君と。U[BL]
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#822 [ちか]
それから俺たちは
宿直の先生に見つからないように夜の校舎から裏門まで走り、こっそり抜け出して透の家に帰った。


こんなことしたの、
いつぶりだっけ。


楽しいなぁ、懐かしくて。
……―――――
…―――
――

⏰:11/09/11 16:10 📱:Android 🆔:ljqRaiOw


#823 [ちか]
― 恭弥side.―

もう、いい加減迷惑なんだよ…っ



最後に交わしたのは
悲しくもあり、
それ以上に僕の決心を固くさせた。


やっぱり
僕は冥から離れた方が良い。

これ以上、冥を苦しめるくらいなら。

⏰:11/09/12 00:38 📱:Android 🆔:8pbz01wM


#824 [ちか]
ここ最近ずっと考えていた。


蓮見透という人間の存在を
頭の片隅で意識しながら。


最初は
冥を誰にもやりたくない、
僕だけのものにしたい、
彼にも譲れない、
そんな風に思っていた。

だけど、

⏰:11/09/12 00:41 📱:Android 🆔:8pbz01wM


#825 [ちか]
徐々にその独占欲は
冥の幸せを優先したいと思う感情に呑まれるようになった。


こんなのは初めてだ。
他人の幸せを一番に考えるなんて。

そして、
その感情が加速するにつれて、
僕はあることに気づいた。

僕では、冥を幸せには出来ないということに。

⏰:11/09/12 00:46 📱:Android 🆔:8pbz01wM


#826 [ちか]
僕は、
どうしても自分の欲で冥を呑み込んでしまう。

僕から離したくなくなって、
でもそれは冥の自由も同時に奪ってしまう。

きっと幸せも。……


それならいっそ、
冥から離れることが
僕が冥に出来る優しさなんじゃないか。

⏰:11/09/12 00:51 📱:Android 🆔:8pbz01wM


#827 [ちか]
案の定、
今朝のようなことになった。


冥は自由を望んでいた。

知らず知らずのうちに僕は僕を押し付けて、苦しめていたんだ。


もうそんなことはしないから、
幸せになってほしい。

そんな思いで、
親友に引っ張られていく冥の後ろ姿を、焼き付けるように見つめた。

柄にもなく、涙が込み上げて
居たたまれなくなって静かに目を閉じた。


さようなら。

⏰:11/09/12 00:57 📱:Android 🆔:8pbz01wM


#828 [ちか]
そんな風に呟くと、


脳裏に焼きついた冥の姿が滲んで


僕はただ、

そこに立ち尽くすことしかできなかった。

………――――
……―――
…――

⏰:11/09/12 13:36 📱:PC/0 🆔:sdX/PGUo


#829 [ちか]


はい、とりあえず
恭弥sideの話もここで区切り、
この話の前編と言える場面まで
終了しました。

ご無沙汰しております。
毎度不定期な更新で申し訳ありません。

スマートフォンから更新していたのですが、不具合で投稿出来ないのでPCから書いています。

治り次第、また携帯からの更新となりますがどちらにせよ私には変わりないのでご安心ください。

ではまた後ほど。

⏰:11/09/12 13:41 📱:PC/0 🆔:sdX/PGUo


#830 [ちか]
― 冥side.―

それから当分一人暮らしの部屋が見つかるまで、俺は透の家にお世話になることになった。


急な頼み事だったにも関わらず透のおじさんもおばさんも、まるで自分ん家(チ)の子供みたいに温かく迎えてくれた。


おばさんの得意料理の煮物が美味しくて、懐かしさと昔への恋しさで気持ちはいっぱいになっていた。


だけど。

⏰:11/09/13 16:29 📱:Android 🆔:tm2WO/gQ


#831 [ちか]
ふと、夜になると


恭弥の顔が浮かんできて

溜め息が漏れる。


今日も。

「はぁ…」


また、こうやって。

⏰:11/09/13 16:31 📱:Android 🆔:tm2WO/gQ


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