漆黒の夜に君と。U[BL]
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#841 [ちか]
散々、風呂の催促を渋ったためか
湯船は少しぬるくなっていた。

しかしそれが
心地よいとも言える。

「…話し合わなきゃな。」


俺はそんな呟きを空間に溶かして
潜るように顔を水面下に沈めた。

…………―――――――
……―――――

⏰:11/09/22 16:59 📱:Android 🆔:laGvjmfE


#842 [ちか]
翌朝、
冬の朝がまるで透を叩き起こして参加した朝礼は、いつもの恭弥の場所にいつの間にか新しい生徒会長が立っていた。


気づかないうちにも月日は過ぎて行くのか。

そんなことを今さらのように思い知りながら、同時に思いを固くする。

過ぎていく月日ご早いならなおさら、
風化しないうちにちゃんと自分の気持ちを伝えよう。と。

⏰:11/09/22 17:25 📱:Android 🆔:laGvjmfE


#843 [ちか]
※訂正※
>>840
一番大事な人→×
一番大事な相手→○

>>842
冬の朝がまるで透を→×
冬の朝がまるで苦手な透を→○

すいません!
その他変換ミスが時々ありますが、言い回しだけ訂正させていただきました。

⏰:11/09/22 17:51 📱:Android 🆔:laGvjmfE


#844 [ちか]
とは言ったものの、
正直どのタイミングで話し掛ければいいか、分からない。

恭弥の周りはいつも生徒教師関係なく人でいっぱいだったし、
そんな中でいきなりズカズカと会いに来て、
話し合おうなんて、
そんなことは無鉄砲な自分でさえもさすがに躊躇せずにはいられなかった。

さあ、どうしたものか。


話し掛ける術を
ひたすら無い頭で考える授業中。

⏰:11/09/23 00:46 📱:Android 🆔:qQuJKEhM


#845 [ちか]
目の前ではxがどうだ、とか、yがああだ、とかの説明と共に果てしなく続くように思える方程式が教師の持つチョークから黒板に写されていく。


考え事をしていても、
どうしてもその文字式や教師の言葉、チョークの音に気が散って集中することが出来ない。

もっとも、本来集中すべきなのはこの授業なんだけど。

俺は意を決して手を挙げた。

「せんせー、吐き気するんで保健室行っていいですか。」

精一杯の演技をしながら。

このままでは授業も考え事も集中出来ないし、それなら、と考え事を優先させての小芝居だった。

⏰:11/09/23 00:56 📱:Android 🆔:qQuJKEhM


#846 [ちか]
幸い、芝居上手くいったようで怪しまれずに保健室まで行くことが出来た。


「失礼しまーす…」

先客を気にしてゆっくりと開けたが、そこに保険医の姿は無かった。

なんだ、ラッキー。
そんなことを思いながら、ふと並んでいるベッドに目をやると、奥の1つだけカーテンが閉められている。

先客はアリか。

とは言え、仮病でやってきたから保険医に見つかれば厄介だが生徒ともなれば気にする必要もないだろう。

そう思って隣のベッドに腰を下ろした。

⏰:11/09/23 13:35 📱:Android 🆔:qQuJKEhM


#847 [我輩は匿名である]
この小説大好きで何回も読んじゃってます(笑)
最近更新されていて嬉しいです(´ω`*)
主さんのペースで頑張って下さい!

⏰:11/09/23 20:21 📱:F01C 🆔:Y9tIiR5k


#848 [ちか]
>>847 匿名さま.

ほんまですか!(*^^*)
書き手としても小説にとっても本当に嬉しい誉め言葉です。ありがとうございます!
いつも不定期ですいません。。
この一週間は順調に更新できると思います!
感想板にもぜひ遊びに来てください(^^)

⏰:11/09/23 21:58 📱:Android 🆔:qQuJKEhM


#849 [ちか]
>>846続き


ガラガラ…

腰かけたとほぼ同時に戸が開く音がした。

「あら、誰か来てたの?ごめんねー、用事で出てたのよー。」


不味いタイミング。

軽く詫びを入れる保険医に、俺は心の中で呟く。


「あ、いや大丈夫です。ただの風邪だと思うんで、寝てれば治ると思います…」

頼む。
のってくれ。

内心で何度も願うように呟いた。

「…そう?…じゃあ、申し訳ないけどもう少し出てていいかしら?」


その返事待ってました。
と言わんばかりに、俺は保険医の死角側の手でガッツポーズをとった。

⏰:11/09/23 22:07 📱:Android 🆔:qQuJKEhM


#850 [ちか]
「じゃあ、すぐ戻るから寝ててねー。あ、隣に寝てる子も起こさないように!」


保険医はそれだけ言って、疾風のごとく去っていった。

やっと落ち着いて考え事に集中出来る。

安堵の息と共に俺は真後ろに倒れこんだ。
仰向けの体勢で薄汚れた天井を仰ぐ。

どうすればいいんだろうか。
考えても考えても、堂々巡りでまるで答えに辿り着かない。

「参ったなー。」

終いにはため息混じりの声が漏れる次第だ。

⏰:11/09/23 22:13 📱:Android 🆔:qQuJKEhM


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