漆黒の夜に君と。U[BL]
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#87 [ちか]
>>86
└→さやかさま*

優しいお言葉ありがとう
ございます(´;ω;`)
更新不定期すぎて、本当にすいません‥
ですが絶対完結させますので、ゆっくり待っていただけたら嬉しいです

⏰:09/05/04 21:27 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#88 [ちか]
>>85

そんな俺を見てやっぱり恭弥はクスクスと笑っている。

…なんかすっごいムカつくんですけど‥。


睨み付けるように恭弥を見ると、恭弥は目を細めて微笑んだ。
やっぱりこんな時でも俺はこの笑顔に弱いんだよな。


そんなことをぼんやり思っていると、刺々しい口調で関西弁が響いた。

「んで、お前何しに来てん。」

⏰:09/05/04 21:38 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#89 [ちか]
その静かながら怒りの籠(コモ)った声に、チラリと凌さんは振り向いた。


「…たまたまこっちの知り合いに演奏頼まれて呼ばれたから。」


相変わらず険悪な雰囲気だ…。
疲れきった俺を察して恭弥は一度コホンと喉を鳴らすと口を開いた。

「じゃ、僕らは海でも行って来ようかな。」


その一言で俺のテンションは一気にぐんと上がった。

⏰:09/05/04 21:47 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#90 [ちか]
『海』と言う一文字は今の俺にとって魔法の言葉のようだ。


表情がパッと明るくなったのが自分でも分かった







が。

⏰:09/05/04 21:52 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#91 [ちか]
「はぁ?!そんなん自分らだけずるいわ!!俺も行く!!」

「恭が居ないのに此処居ても仕方ないし。」

同時に二つの声が重なって響いた。


「「コイツと行くんはごめん」」「やけど!!」「だけど。」

そしてまた語尾だけが異なって二つの声が重なる。


声が重なったことでまた口喧嘩を始める2人に、俺達もため息を重ねた。



やっぱりそう簡単にこの2人から離れるのは難しそうだ。

⏰:09/05/04 21:58 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#92 [ちか]
結局、俺達は海に行けないままこの険悪なムードと共に1日を過ごす羽目になった。


そんな夕方のこと。


夕食を済ませた俺達4人は黙りこんでいた。


暫くして、急にめぐさんが立ち上がる。

⏰:09/05/04 22:06 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#93 [ちか]
「言うん忘れとったけど、俺、夜は此処泊まる気無いし出ていくわ!」


相変わらずの明かるい笑顔。

しかし、恭弥と凌さんはその一瞬で顔を曇らせた。


だけど俺はそれを大したことだとは考えずただ椅子に座り込んでいた。


そんな中、めぐさんは俺の隣に寄ってくると小さく耳打ちした。


「夜まであんたらの邪魔する気無いから、好きなだけ仲良うしいや♪」

⏰:09/05/04 22:14 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#94 [ちか]
俺はびっくりすると同時に赤面した。

そんな俺の反応を見てニヤッと笑うとめぐさんは玄関の方に繋がるドアから出ていった。


すると、恭弥はそれを追うようにして席を立った。



凌さんは出ていった2人を見た後、視線を斜めに落として大きくため息をつく。



なんか嫌な予感がする…
今の俺にはそんな曖昧な事しか分からなかった。

⏰:09/05/04 22:19 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#95 [ちか]
― めぐるside.―


玄関のドアノブに手をかけた時、恭に呼び止められて初めて恭が後ろに居たことに気づいた。


コイツは昔っからそう言う奴やった。
影みたいに黒い部分(トコロ)があって、時々気配が無いみたいな感覚にさせる。


俺は振り返って、「なんや。」と低く声を発した。

⏰:09/05/04 22:36 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#96 [ちか]
「どこ行く気?」

振り向くと、腕を組みながら俺を見据える恭弥が居た。

「…分かってるくせに嫌な質問してくるなぁ。」

苦笑いをする俺を見て、恭弥はふっと笑った。

「まだそう言うことしてたんだ。いい加減やめれば?」

まるで俺をバカにしているかのような瞳(メ)。
黒くて、全てを見透かしているかのようなその瞳がたまに嫌いやったりする。

⏰:09/05/05 22:57 📱:P906i 🆔:eZG02kr2


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