漆黒の夜に君と。U[BL]
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#109 [ちか]
暫くすると凌さんは手を止めた。

さっきのように急にではなく、余韻を残すようにゆっくりと丁寧に。


どうやら曲が終わったみたいだ。

それを合図するかのように碧眼は目線を落として、俺を写した。

その澄みきった碧(アオ)に吸い込まれそうになる。

⏰:09/05/08 23:14 📱:P906i 🆔:0YEHIE/g


#110 [ちか]
「なんで泣いてるの?」

「え‥‥?」


言われるまで全く気づかなかったが、触れてみると頬は確かに濡れていた。


「良く分かんないけど、なんか凌さんの弾いてた曲聴いてたらなんか胸の奥が苦しくなって‥‥―――」


綺麗で優しいけど、どこか哀しくて寂しさが伝わってくる。

⏰:09/05/09 20:28 📱:P906i 🆔:zjxVugOY


#111 [ちか]
凌さんは俺の言葉に、ただ「そう。」とだけ返事して、俺の隣に腰を下ろした。

目線が同じ位置になったところで、俺は口を開く。


「‥なんて曲なんですか?」

すると凌さんは少し考えるような素振りを見せたあと呟いた。

「まだ決まってない。」

「まだ‥?」


.

⏰:09/05/09 20:34 📱:P906i 🆔:zjxVugOY


#112 [ちか]
「思い浮かんだ音を並べただけだから、まだ曲としては決まってないんだ。」

そう言って凌さんはバイオリンを指でなぞった。

「それってその、つまり凌さんが作ったってことですか?」

「うん。」

その瞬間空気はシンと静かになった。

そして…

⏰:09/05/09 21:00 📱:P906i 🆔:zjxVugOY


#113 [ちか]
「すっげー!!!」

星がキラキラと瞬く夜空に俺の声は響き渡った。

凌さんは驚いたように目を丸くしている。

俺は興奮状態。

「自分で作るとかすごすぎ!!!天才?!」

目を大きくさせてそう言う俺に、凌さんは驚いた顔を見せた後暫くして「ぷっ」と吹き出して笑った。

⏰:09/05/10 07:45 📱:P906i 🆔:5M2wVrvQ


#114 [ちか]
「天才って…ぷっはは、なんか分かる気がするな。」

「だ、だってホントにすごいし!!!///ってか分かるって何がですか?」

笑われたことで恥ずかしさが込み上がってくる。


「ん?恭が君を選んだ理由。」

「あ、そう言う意味ですか〜あははは…、」



って!!!
えぇ?!?!

⏰:09/05/10 20:47 📱:P906i 🆔:5M2wVrvQ


#115 [ちか]
「なな、なんで凌さんまで俺達のこと‥‥っ?!?!?!」


な、なんで知ってんの?!


動揺を隠しきれず、言葉に詰まる俺。

「見てたら分かるって。」

そんな俺を見て凌さんはさらりと言ってのけた。

⏰:09/05/11 18:05 📱:P906i 🆔:1cPCjFDs


#116 [ちか]
「そ、そうなんですか‥;」

そんなに分かりやすかったのかな?俺達って…


そんなことに思考を巡らせていると、隣で凌さんは小さく呟いた。



「俺も恭のこと好きだしな」

⏰:09/05/11 18:09 📱:P906i 🆔:1cPCjFDs


#117 [ちか]
・・・・・。




俺 モ 恭ノ コ ト
       好キ ?


「えぇえぇえッ?!?!!?!?」



「反応おそっ。」

⏰:09/05/11 18:13 📱:P906i 🆔:1cPCjFDs


#118 [ちか]
「%*★¥☆▽〜ッッ?!?!」

「何言ってんのか分かんないんだけど。」


だ、だって!!!

好きって…その‥アレで!!

つまり‥‥‥、


「俺達ライバルってことですか…?」

⏰:09/05/11 18:51 📱:P906i 🆔:1cPCjFDs


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