漆黒の夜に君と。U[BL]
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#195 [ちか]
真夏の熱帯夜とギンギンと冷えた部屋はまさに俺みたいだ。


触れ合えば
身体は熱くなる


だけど、胸の奥の、
一番大切なところは
どこか冷めていて


自分が分からなくなる

⏰:09/07/10 12:58 📱:P906i 🆔:sMvEJb6E


#196 [ちか]
「“愛してる”…とか、簡単に言うなよ。」


この夜だけで終わりの関係に、“愛”なんて
そんなもの無い。


だけど、一瞬でも孤独を
忘れたくて俺は求める。


偽物の愛を。

⏰:09/07/10 13:07 📱:P906i 🆔:sMvEJb6E


#197 [ちか]
差し込む満月の光が眩しくて、

その光に照らされると、自分の陰が浮き出てしまうから、


逃げるように目をそらす



「なんで俺、こんなんしてるんかなぁ…。」

なぁ、教えてや。
誰か…


見上げた満月は、哀しいくらい美しかった。

⏰:09/07/10 13:11 📱:P906i 🆔:sMvEJb6E


#198 [ちか]
──────────
──────‥


 漆黒の夜に
 弦の音色が響く

 それは美しく、
 そして寂しい


 同じ空の下、
 それぞれが感じるのは
 愛なのか孤独なのか


 いつになれば呪縛から
 解放されるのか‥──


    ‥‥──────
  ──────────

⏰:09/07/13 18:37 📱:P906i 🆔:7MvgArVw


#199 [ちか]
― 冥side.―

「ん゙〜〜‥‥」


肌寒さを覚えた俺は、小さく寝惚けた声をあげて目を覚ました。

(今何時だ‥‥?)

と、薄く開いた目であたりを見回すと、途端に俺の頭に昨日の事がフラッシュバックされた。

そう。
視界にどアップで恭弥の寝顔が飛び込んできたからだ。

⏰:09/07/13 21:16 📱:P906i 🆔:7MvgArVw


#200 [ちか]
肌寒さを感じていたはずの身体は一気に熱を帯びて、俺を赤く染める。


「ん、‥ス― ス―‥」

長い睫毛が白い肌に良く栄(ハ)えて、俺を釘付けにした。

そして俺の目線は形の良い薄い唇へと移る。


ゴクン..


緊張からか、一度唾を飲み込みソレに視線を戻した。

(軽く…軽く‥//)

そう心の中で呟いて顔を近づけた。

⏰:09/07/13 21:49 📱:P906i 🆔:7MvgArVw


#201 [ちか]
ちゅ。


軽く唇を乗せると、柔らかい感触を感じた。

高鳴る鼓動と、きつく瞑る瞳。
全身が熱くなるのが分かった。
その時。


「んふ…ぁ?!!///」

突然忍びこんできた舌。

「んんっ…//‥‥―!!!」

余韻を残して離された唇を辿ると、まだ少し微睡んだ漆黒の瞳があった。


「寝込み襲うなんて悪趣味だね。」

⏰:09/07/14 21:32 📱:P906i 🆔:uUIWmaXs


#202 [ちか]
そう言われて俺の顔は一気に熱が込み上げる。

「や…っ、ちがっ!!!///
これはその…っ、つまり//」

「《つまり》、なに?」

上半身を起こしてて、
ぐいぐいと迫ってくる恭弥

「えっと…その、うわあっ!!?」

ドンッ

「いったぁ〜…(涙)」

迫ってくる恭弥から逃げるように後ろへ後ろへと退いていると、いつの間にかベッドの範囲を越えてしまったようだ。
音を立てて俺は床に叩きつけられた。

⏰:09/07/14 21:44 📱:P906i 🆔:uUIWmaXs


#203 [ちか]
「…何してんの、全く。」

恭弥があんな顔して
近づいてくるからだろ?!//

心の中でそう叫びながらも口に出すことは出来ず、俺は起き上がろうと腰をあげた。






が。

⏰:09/07/14 21:47 📱:P906i 🆔:uUIWmaXs


#204 [ちか]
「いっってぇーッ!!!(泣)」


腰に激痛が走る。
ジンジンとしみるように痛さが伝わってきた。


「腰痛いの?」

ベッドの上から見下ろすように俺を覗く恭弥に、俺は顔を大きく縦に振った。


「情けないなぁ。《アレ》くらいで。クス‥」


《アレくらい》じゃなくて《アレだけすれば》だっつーのっ!!!!!!!(泣)

⏰:09/07/14 21:52 📱:P906i 🆔:uUIWmaXs


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