漆黒の夜に君と。U[BL]
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#211 [ちか]
「ん〜…じゃあバーベキューしよ、バーベキュー!!」
大きくて通る声が雰囲気をパッと明るくした。
「だから体調が…、」
俺は恭弥の言葉を遮るように服の裾を引っ張った。
「…バーベキューしたい。」
小さく呟いたその声に恭弥は少し戸惑う。
「でも…「大丈夫だよ、さすがに今すぐは無理だけど..」
そう言って少し引きつるように笑った。
そうすると恭弥はいつもみたいに優しく俺の頭を撫でた。
「分かった。」
優しい微笑み。
:09/07/18 09:10 :P906i :ohQY5GhA
#212 [ちか]
「よし!じゃあ決まりやな★恭!!朝飯食ったら買い出し行くで!」
「買い出し?」
「おう!」
きょとんとした顔を向ける恭弥。
そして一言。
「バーベキューの準備って僕達でするの?」
あぁ…この人って、こう言う人だったよな‥
:09/07/18 09:14 :P906i :ohQY5GhA
#213 [ちか]
「当たり前やろ!!お前、ほんま相変わらずやなぁ」
ケラケラと笑うめぐさんにつられて俺も少し笑う。
本人はなんで笑われてるのか分かってない様子。
「ところで今何時か分かる?」
恭弥にそう聞かれ、めぐさんは自分の腕時計に目をやった。
「え〜っと、12時半過ぎやな!!」
「「‥‥‥‥。」」
あぁ…この人もこう言う人だったよな…。
:09/07/18 09:19 :P906i :ohQY5GhA
#214 [ちか]
その後、3人で朝御飯と言うには遅すぎる食事をとった。
「そう言えば凌は?」
「さぁ。どっかでヴァイオリンでも弾いてるんちゃう。」
めぐさんは凌さんの事となると、途端に機嫌を悪くする。
「ふぅん。」
「「「‥‥‥‥‥。」」」
なんだ、この空気!!
この雰囲気を変えるために俺はやたら饒舌(ジョウゼツ)になった。
そんな風に食事を終えた俺達は、暫くしてバーベキューの準備に取り掛かることにした。
:09/07/18 10:20 :P906i :ohQY5GhA
#215 [ちか]
「じゃあ俺と恭は買い出し行ってくるから、冥ちゃんは留守番しときぃ。」
「僕も留守番が‥「んじゃあ、行ってきまーす♪」
そうして玄関の扉はバタンと音をたてた。
「恭弥もめぐさんも居ないし暇だなぁ。」
そう思いながらまだ痛む腰を少しさすった。
:09/07/18 10:25 :P906i :ohQY5GhA
#216 [ちか]
だだっ広いリビング。
さすがに一人で居るには寂しい。
「…凌さんどこかな?」
そう呟いて俺の足は自然と昨日の庭へ向かっていた。
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:09/07/18 15:09 :P906i :ohQY5GhA
#217 [ちか]
― めぐるside.―
「「「 あ。 」」」
玄関を出てすぐ俺達はバッタリ出会ってしまった。
(コイツ、あからさまに嫌な顔しやがって‥‥)
俺は思いっきり凌を睨んだ
その碧色の瞳に俺の姿なんて映ってないと言うのに。
「どこ行くの?」
「ん?ちょっと買い出しにね。」
:09/07/18 20:00 :P906i :ohQY5GhA
#218 [ちか]
「買い出し?」
首をかしげながら凌はそう言った。
「バーベキューすんねん!!!バーベキュー!!お前はココで留守番しとけ。」
自分で言うのもなんやけど、かなりの憎たらしい口調。
案の定、凌はムッとした顔を家の中へ入っていった。
:09/07/18 21:01 :P906i :ohQY5GhA
#219 [ちか]
「なんやねん、あの目!!
ほんっっまムカつくわ!!!」
吐き捨てるようにそう言って俺はスタスタと歩いていく。
「ちょっ、車は?!?!」
後ろからそう叫ぶ恭の声がする。
あ゙ーっ!!!!
イライラする!!!!
「買い出しっちゅーもんはなぁ!!!歩いてするもんなんじゃ!!!」
※完璧な八つ当たり(笑)
:09/07/18 21:44 :P906i :ohQY5GhA
#220 [ちか]
恭弥もこれには呆れた様子で、でも隣に並んできた。
やけど、なんせこの雰囲気の悪さ。
いや、俺が悪くしたんやけど!!
俺は自業自得のこの沈黙を破れずにいた。
照りつける真夏の太陽が、俺の額を湿らせる。
(この空気どないしよ‥)
考えれば考えるほど解決案が見つからず、汗がタラリと首筋を伝った。その時。
「あのさ、」
沈黙を破る乾いた声。
:09/07/19 08:46 :P906i :4c/3kdjU
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