漆黒の夜に君と。U[BL]
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#235 [ちか]
― 冥side.―
「い…いた‥‥!!」
方向音痴の俺が、
わりと簡単にココまで来れたのは、やっぱり
♪―‥♪〜‥
この音のおかげかな?
:09/07/20 09:40 :P906i :8LQ1D/eo
#236 [ちか]
だけど今回は、
「また来たの。」
「あ…ごめんなさい。」
すぐバレちゃった。
:09/07/20 12:35 :P906i :8LQ1D/eo
#237 [ちか]
凌さんと俺の間には
中途半端な距離。
凌さんの眼がそうさせる。
近寄れないオーラみたいな
だけど、
嫌な感じじゃないんだよな
「そんなトコ居ないでこっち来れば。」
ほら。
:09/07/20 12:49 :P906i :8LQ1D/eo
#238 [ちか]
凌さんの隣に小さくなって座ってみる。
「なんで体育座り…。」
「え?あ‥や、癖って言うか…あは、あはは‥」
何緊張してんだ俺!!!!//
少し左上を見上げると、ブロンドの髪を靡かせる色白な顔が見える。
つくづく綺麗だよなぁ…
:09/07/20 13:21 :P906i :8LQ1D/eo
#239 [ちか]
って!!!!!///
俺なに考えてんのっ!!!
相手はあくまでオ・ト・コ!!
これじゃあホモ道まっしぐらじゃんかあああ!!
「はぁ…。」
俺が好きなのはあくまで
恭弥なワケで
「どうかした?」
男ではない。絶対…。
「なんでもないです‥」
:09/07/20 13:26 :P906i :8LQ1D/eo
#240 [ちか]
「あ、そう。」
「はい…。」
「‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥。」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥。」」
気まずっ!!!!(汗)
どうすりゃいいんだよ…
なんか話題話題話題‥
「あ、あの…っ」
「何?」
「凌さんは、めぐさんの事、きっ‥嫌いですか?」
:09/07/20 13:44 :P906i :8LQ1D/eo
#241 [ちか]
「え‥‥‥、」
目を丸くする凌さん。
「あ‥‥‥っと…」
俺の馬鹿ぁぁっ!!!!(泣)
なに聞いてんだよ!!!
よりによって、めぐさんのこと‥‥っ
「ご、ごごめんなさい!!!
別に悪い意味とかじゃなくて!!その…「嫌い。」
「嫌いだよ、アイツのこと」
「え…あ、そう‥ですか…」
なんでかな。
分かってたハズなのに、なんか悲しい…。
:09/07/20 13:51 :P906i :8LQ1D/eo
#242 [ちか]
「でも…昔はもっと嫌いだった。」
「え?」
俯いていた顔をあげて左を見ると、至って無表情な凌さんが目に映る。
が、その碧眼は何かを物語っていた。
「昨日言っただろ?
俺が虐待を受けて施設に入れられて。今の両親が本当の両親じゃないこと。」
俺は力なく頷いた。
:09/07/20 14:48 :P906i :8LQ1D/eo
#243 [ちか]
「だから昔っから嫌いだったんだ。我が儘言いたい放題のアイツが。」
いつの間にか俺達を照りつけていた太陽は沈む準備を始めていた。
「俺は言えなかった。
欲しい物とかしたい事とか、我が儘言ったらまた捨てられるんじゃないか、って思うと恐くて言えなかった。」
「凌さん‥‥。」
…そんな哀しい顔しないで
:09/07/20 14:57 :P906i :8LQ1D/eo
#244 [ちか]
「でも今思えば、羨ましかったんだよ、アイツが。
俺は嫉妬してたんだ。」
凌さんはそう言って無理な笑顔を作った。
「でも今は違う意味で嫌い」
「違う意味?」
「うん。」
小さく頷いて、凌さんはヴァイオリンを撫でた。
:09/07/20 15:03 :P906i :8LQ1D/eo
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