漆黒の夜に君と。U[BL]
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#285 [ちか]
「お前が辛い時は、その辛さ俺も半分背負うから。
だから逃げたりすんなよ。
目そらすなよ‥──
一緒に受け止めてやるから。」


そう言って凌はさらに締め付けを強くした。

───‥『一緒に』…


ポタ‥─ッ

凌の肩に小さな円が滲む。
それは連続的に。
そして零れ落ちるように。

何かの歯止めが取れたかのように俺の瞳(メ)からは大粒の涙が溢れ出した。

⏰:09/07/24 22:52 📱:P906i 🆔:CzAz7gTI


#286 [ちか]
そうか。

「お…俺は‥──っ」

俺は、

「ずっと…」

孤独を忘れさせてくれる人じゃなくて、

「ずっと独りで‥──ッ」

一緒に受け止めてくれる人を探してた‥──
       ずっと。

⏰:09/07/24 23:05 📱:P906i 🆔:CzAz7gTI


#287 [ちか]
「大丈夫。大丈夫だから。
もう独りじゃないから。」

「うっ…グス‥‥うぅ…っ」


俺をあやすようなその手つきが優しかったから、
余計に涙が止まらなくなって

俺はまるで子供のように泣いた。
声が枯れるまで。


月明かりに照らされて
涙はキラリと光った。

――――――――――――
――――――――――――

⏰:09/07/24 23:10 📱:P906i 🆔:CzAz7gTI


#288 [ちか]
― 冥side.―

「あーっ!!!!!
ちょ、恭弥ぁっ!!!!(怒)」

「ん?」

俺は朝から鏡を通して、後ろでコーヒーの入ったティーカップをすする恭弥を睨む。

そんな俺に暢気な返事を返す恭弥。

「見えるトコにはつけんなってあれだけ言ったのに!!//
どーしてくれんの、コレ!!」

"コレ"の正体、それは

「僕のモノって印だもん。
見えるトコじゃないと分かんないでしょ?」

赤い小さな痕。

⏰:09/07/24 23:18 📱:P906i 🆔:CzAz7gTI


#289 [ちか]
「あ〜もうっ…〜。」

そう呟いて、消えるわけないと分かっているのにそこを擦る。

暫くそんなやり取りをした後、俺達はリビングへやって来た。


ついに今日は海へ。
テンションもだんだんと上がってくる。

リビングに着くと、既にめぐさんの姿があった。

「めぐさん早いですね〜っ!って、…えぇ?!!;」

俺はめぐさんの顔を見て思わず驚きの声をあげる。

⏰:09/07/25 17:32 📱:P906i 🆔:aI2ZqENk


#290 [ちか]
「どっどーしたんですか、その目っ!!!」

「ん?あ〜これなぁ〜‥、えっと‥」

泣き腫らしたようにパンパンなめぐさんの目。

「なんて言うか〜…」

なかなか真相話そうとしないめぐさんに俺はさらに心配になる。

そんな俺達を見てクスクスと笑う恭弥。
コイツ絶対何か知ってる…
けど、意地悪なコイツがタダで教えてくれるはずない

昨日散歩に行くと言って出ていったきり会ってなかった俺は、良からぬ事ばかり考えて一人焦っていた。

そんな時、突然後ろから聞き覚えのある声がした


「ひっどい顔。」

⏰:09/07/25 17:42 📱:P906i 🆔:aI2ZqENk


#291 [ちか]
振り返ると、意地悪そうに笑う凌さんが居た。

「はぁ?!うるさいわっ!!」

あ〜また始まったよ…

「めぐの方が十分うるさい」

あれ‥??

「俺のどこがうるさいねんっ!!」

今凌さん、『めぐ』って呼んだ‥‥?!

⏰:09/07/25 18:32 📱:P906i 🆔:aI2ZqENk


#292 [ちか]
「きょ、恭弥、恭弥!!///」

「ん?」

肩を叩き、耳元でコソコソと名前を呼ぶと、短い返事を返した恭弥の恭弥の顔も心なしか綻んで見えた。

「なんか、めぐさんと凌さん仲良くなってない??」

チラリと二人に目をやると、昨日まではあり得なかったような、表情が優しいって言うか、あったかいって言うか‥‥
空気が柔らかい気がする。

「何かあったみたいだね。」

そう言って恭弥はふふっと笑った。

⏰:09/07/25 19:09 📱:P906i 🆔:aI2ZqENk


#293 [ちか]
「そう言う馬鹿なトコ。」

「アホはええけど馬鹿はむかつく!!!」


喧嘩してるけど、時々笑った表情が見える。

二人の間に何があったのかは分かんないけど、
確かに二人の溝は無くなっていた。


だって、ホラ。


隣に並んで歩いてる。

⏰:09/07/25 21:56 📱:P906i 🆔:aI2ZqENk


#294 [ちか]
「し、凌さん!!!//
めぐさんの事どう思いますか‥?!//」

無意識に俺はそんな問いかけをしていた。
喧嘩中だった二人は同時に俺の方を向く。

「っな!!///いきなり何聞いて…」

大きな瞳をさらに大きくさせてめぐさんは言う。
が、俺の耳には届かない。
俺の耳が求めてるのは、ただ一つ、凌さんの答え。

⏰:09/07/25 22:04 📱:P906i 🆔:aI2ZqENk


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