漆黒の夜に君と。U[BL]
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#471 [ちか]
固まった俺は
何度も瞬きをして
ソレが恭弥じゃないことを祈った。
だけど、何度見ても
恭弥に変わりはなくて。
それは紛れもない真実で。
:10/03/01 00:39 :P906i :k.iFxsI2
#472 [ちか]
なんでなんでなんで
恭弥、
仕事なんじゃなかった?
なんでそんな人と
キスしてるの?
なんでそんな人の肩なんて抱いてるの?
「な ん … で 」
気づけば俺は逆方向へ
走り出していた。
:10/03/01 00:43 :P906i :k.iFxsI2
#473 [ちか]
その日は
そこからもう記憶が曖昧。
どうやって帰ったか
何時に帰ったか
何も憶えてない。
だけど生々しいくらい
恭弥があの時何をしてたかだけは憶えてて
夢じゃなかったんだって実感するしかなかった。
気がつけば俺はベッドに寄りかかった状態で朝を迎えていた。
:10/03/01 08:08 :P906i :k.iFxsI2
#474 [ちか]
涙のあとがくっきりと残っている。
「恭弥‥‥」
ダメだ。
名前一つ口にしただけで
苦しくなる。
もうすぐそこまで来ている涙を溢さないようにするので必死。
頭の中で何度も鮮明に
あの光景が流れた。
:10/03/01 16:31 :P906i :k.iFxsI2
#475 [ちか]
恭弥が帰ってくるのは今日
まともに顔を見れる自信は無い。
それどころか、
泣いてしまうかもしれない
だけど、昨日のことを問い詰める勇気なんて俺には無かった。
:10/03/01 16:34 :P906i :k.iFxsI2
#476 [ちか]
だって
もし問い詰めて
認められたら?
そうだよ、もうお前なんて好きじゃない
なんて言われちゃったら
俺はどうしたらいい…?
.
:10/03/01 16:45 :P906i :k.iFxsI2
#477 [ちか]
「情けない…」
強がっても、
口に出さなくても、
俺はいつの間にか、そこまで恭弥に依存してたんだ。
問い詰めて離れてしまうなら、何も言わずにいつもみたいに笑って一緒に居れた方がよっぽど幸せ。
そう思ってしまうくらい、もう気持ちは傾いていたんだ。
:10/03/01 16:48 :P906i :k.iFxsI2
#478 [ちか]
普通にしてれば
大丈夫。
いつも通り名前
呼んでくれるはず。
“要らない”なんて
言われるはずない。
黙ってよう。
黙ってれば幸せで
居られるんだから…
:10/03/01 16:58 :P906i :k.iFxsI2
#479 [ちか]
学校では割りと平然を
装えた。
透には目腫れてるって
言われたけど…
なんとか誤魔化しきれた、と思う。
あとは帰って
普通に喋って笑って
寝るだけ。
…それだけって思ってた。
:10/03/01 17:00 :P906i :k.iFxsI2
#480 [ちか]
「 冥。 」
ふい打ちだった。
だって帰ったら玄関で恭弥が待ってたんだから。
「お、おかえり…」
咄嗟に出たのはそんな言葉だった。
動揺して声が震えてるのが自分でも分かった。
:10/03/01 17:06 :P906i :k.iFxsI2
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