漆黒の夜に君と。U[BL]
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#51 [ちか]
「なんともって??」

「へ‥?」

「やから、“なんとも”ってどう言う意味なん?」

きょとんとした顔で聞き返されて俺は唖然とした


「だっ、だから…同性愛とかキモいとか、幼なじみなのにショック‥とか‥」

俺が途切れ途切れにそう言うと、めぐさんは相変わらずの声色と調子で笑顔を向けた。

⏰:09/04/16 22:13 📱:P906i 🆔:x7h8Kuxk


#52 [ちか]
「あはは!アホか、この世の中同性愛なんかもう珍しないわ♪どっかの国では結婚も出来んねんで?!
国際派のめぐ様がそんなんで驚くわけないやろーっ!」


めぐさんはそう言ってケラケラとおかしそうに笑う。

俺はめぐさんが俺達を受け入れてくれた事に安堵の息を漏らした。

そんなのも束の間、めぐさんは明るかった笑顔をやめて、口を開いた。


「って言う気持ちもあるけど、ほんまはちゃうねん。」

⏰:09/04/17 19:08 📱:P906i 🆔:K9rwRhC6


#53 [我輩は匿名である]
ド キ ド キ

ふ ぁ い と

⏰:09/04/17 20:36 📱:W52S 🆔:rLtJXr2k


#54 [ちか]
>>53
└→我輩は匿名さま*

ありがとうございます★
頑張りますっ(p`・ω・。q)

⏰:09/04/18 18:30 📱:P906i 🆔:OLJvo4FQ


#55 [ちか]
>>52

「え‥‥?」


ドクンと心臓が大きく脈を打った。

じんわりと汗が滲んでくる。めぐさんがあんまり真剣な顔をするから‥


めぐさんは俺から目をそらして呟くように話し出した。

⏰:09/04/18 18:33 📱:P906i 🆔:OLJvo4FQ


#56 [ちか]
「…ほんまはな、俺はアイツに誰かを好きになる日が来ること自体信じられへんかってん。」

細い眉が八の字を描き、めぐさんは哀しげな笑顔を作った。

「今日も来るまでは正直半信半疑やったしな。
でも、来てみてびっくりしたわ。アイツのあんな優しそうな瞳(メ)今まで見たことなかった。
一目で冥ちゃんが大事にされてるんやって分かったで。」


めぐさんはそう言うと、落としていた目線を俺に向けて片手を俺の頭にポンと乗せた。

⏰:09/04/18 18:42 📱:P906i 🆔:OLJvo4FQ


#57 [ちか]
「ありがとうな、冥ちゃん。」

哀しそうな優しそうな笑顔に顔が少し熱くなった

「でッでも、俺ありがとうなんて言われるようなことなんて何も‥‥――っ」

“何もしてない”
そう言おうとしたが、めぐさんはそれを遮った。


「いや、恭は冥ちゃんに大分救われてるで。
あんな優しい目出来るようになったんも冥ちゃんのおかげや。
…アイツ、ひねくれてるけど、これからもよろしくしたってな。」

⏰:09/04/18 18:52 📱:P906i 🆔:OLJvo4FQ


#58 [ちか]
「‥は、はいっ」
と、返事をするとめぐさんはふんわりと笑った。

優しい笑顔に、俺まで笑顔になった。

「ところで、冥ちゃん。」

「ハイ?」

めぐさんの表情が急にガラリと変わった。
なにか企んでいるような‥

「ええモン見せたるわ♪」

⏰:09/04/20 08:26 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#59 [ちか]
めぐさんはそう言ってポケットからスルリと一枚の写真を取り出した。


「え‥‥これって…っ」


「せやで〜♪どうや?『ええモン』やろ??」


口角をあげてニヤつくめぐさん。


俺が見せられたモノ。

それは‥‥――――

⏰:09/04/20 19:33 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#60 [ちか]
「恭がまだ初等部に上がる前のやから、4、5歳のんやったかなぁ?」


そう。
子供版恭弥の写真!!


「か、可愛い…っ///」


クリクリとした大きな瞳に真っ赤な唇。
そして透き通るような白い肌の、幼さの残る恭弥の顔はそれはもう…可愛いかった‥///


俺はめぐさんから写真を受けとると、ソレに釘付けになった。

⏰:09/04/20 19:40 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#61 [ちか]
写真に見とれる俺に、めぐさんは耳元で囁いた。


「欲しいやろ??
特別に冥ちゃんには激安特価で‥‥「僕で悪どい商売するのやめてくれる?」



後ろで響く、怒りの混ざった低い声。

⏰:09/04/20 19:47 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#62 [ちか]
めぐさんの肩がピクリと揺れて、まるで『マズい‥』とでも言いたげな表情(カオ)を作った。

黒いオーラのようなモノが俺達の背中を熱くする


「いっ、いややなぁ!!;
冗談やんかぁ、冗談っ♪
なっ?!冥ちゃん?!」

ぐるりと振り返り弁解するめぐさん。
‥‥‥目が必死だ。

「はッはい‥!!(?)」

俺がそう返事をすると、恭弥は大きくため息をついた。

⏰:09/04/20 20:52 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#63 [ちか]
「でっ電話はもう終わったんか?!誰からやったん?!」

めぐさんは話題をそらす事に必死らしい。

恭弥もめぐさんの言葉に、今思い出したかのような声をあげた。


「あぁ、そのことなんだけど‥‥、」


その続きを言おうとした時、玄関からリビングに通じていたドアが目の前でゆっくりと開いた。

⏰:09/04/20 21:08 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#64 [ちか]
「‥‥‥だ‥れ‥?」


一枚のドアが開くとそこに立っていたのは、


肩につくかつかないかぐらいのブロンドの髪に、
長い睫毛が伸びた碧眼(ヘキガン)を持った綺麗な女の人。


周りを見渡すと、大きな目をさらに大きく開き、口をポカンと開けて固まっていた。

それを見てニヤニヤと口元を緩める恭弥。

⏰:09/04/20 21:31 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#65 [焔枉
この小説めちゃ好きです
応援してます
頑張ってください

⏰:09/04/20 21:35 📱:SH706i 🆔:HpkNfg2A


#66 [ちか]
>>65
└→焔桙ウま*

そう言って頂けて、ほんまに嬉しいです(´;ω;`)
ありがとうございます!
これからも頑張るので、
続きも読んで頂けると嬉しいです♪
>>3に感想板があるので、よかったら遊びに来てくださいね∩^ω^∩★

⏰:09/04/20 22:09 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#67 [ちか]
>>64

「久しぶり。
凌、背伸びたんじゃない?」

呑気な口調で話す恭弥に、凌と呼ばれたその人は不満そうに口を開いた。

「でもまだ恭には勝ってない。」

そんな返事を聞いて、ふふっと恭弥は笑う。

めぐさんは相変わらず固まったまま。


が、暫くして震える人差し指をしっかりとその人に向けながら叫んだ。

「なっ…なんでお前がココに居んねん!!!!」

⏰:09/04/20 22:17 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#68 [ちか]
めぐさんがそう大声を張り上げると、碧眼がめぐさんを映した。


「あぁ。居たんだ。
ごめん、小さかったから視界に入らなかった。」


そんな毒づいた言葉を、単調に吐き捨てるその人


それと同時に『ブチン』と聞き覚えのある音が聞こえた。
しかし、それは恭弥のモノじゃない。


これは、

⏰:09/04/20 22:20 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#69 [ちか]
「そこまで小っちゃないわボケ!!!!
もっぺん言ってみぃ!!」


めぐさんがキレた合図。


「だから、『小さすぎて視界に入りませんでした。』
これで満足?」


面倒くさそうな表情でめぐさんを見下ろす謎の綺麗な女の人。


3人の関係性が全く見えないんですけど…。

⏰:09/04/20 22:27 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#70 [ちか]
「…〜〜っ!!(怒)
何しに来てん!!!!!」

「何しにって、お前に言わなきゃいけない義務でもあるワケ?」

「勝手に入ってくんなや!!」


※君もね☆
(↑冥・恭弥の心情)


「来る前に電話もしたし、インターホンも押した。
松山さんに入れてもらったんだけど文句ある?
て言うか、いつからお前が此処の出入りを制限出来るような人間になったワケ?」

「…〜〜っ!!!!!」


睨み合いながらの壮絶な口喧嘩。

⏰:09/04/20 22:35 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#71 [ちか]
「まぁまぁ。
2人とも落ち着きなよ。」

口ではそんな事言ってるけど、恭弥絶対2人の喧嘩見て楽しんでる…

俺は口元をニヤつかせる恭弥の脇で2人の喧嘩にビクビクしていた。


「俺は落ち着いてる。
落ち着いてないのはこの猿だけだろ。」

ん?

「誰が猿じゃボケェッ!!!」

「お前以外に誰か居る?」


今この女(ヒト)、“俺”って‥‥―――

⏰:09/04/20 22:49 📱:P906i 🆔:DHUcas..


#72 [我輩は匿名である]
頑 張 っ て ね

楽 し み イ

⏰:09/04/20 23:57 📱:W52S 🆔:PKV/1AmY


#73 [ちか]
>>72
└→我輩は匿名さま*

いつもいつも嬉しいコメントありがとうございます
今から更新しますねっ*

⏰:09/04/21 21:27 📱:P906i 🆔:vRwZN9EM


#74 [ちか]
>>71

「お前ほんっっっまにムカつく!!!!」

「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ。」

そう言えば、なんか言葉使いも女の人にしては少し乱雑って言うか‥‥

俺は恐る恐る恭弥の服の裾を引っ張った。

それに反応して、俺に目をやる恭弥。

「あの‥‥この人って‥」

⏰:09/04/21 21:42 📱:P906i 🆔:vRwZN9EM


#75 [ちか]
俺の聞きたいことを悟った恭弥は2人の間に入り、自分の両側に居る2人を手のひらで差した。


「えっと、こっちは分かるよね。」

と言って、恭弥がめぐさんを横目で見たから俺はコクンと頷いた。
そして恭弥の視線は右から左へと移る。

「で、この外人顔の奴は櫻井凌(サクライ シノグ)。
神楽を入れた俺達4人は親繋がりの幼なじみ。」

⏰:09/04/22 19:04 📱:P906i 🆔:KZdQLZfE


#76 [ちか]
「神楽入れて3人でええわ!!こんな奴幼なじみやと思ったこと無いし!」

「ソレこっちのセリフ。」


2人は恭弥を挟んで睨み合う。
そんなことも気にせずに話を続ける恭弥。


「一応言っておくけど、凌は男だからね。」

⏰:09/04/23 00:07 📱:P906i 🆔:FPxhwjMk


#77 [ちか]
恭弥のその声に思わず凌さんの顔に目をやった。


確かに背も高いし、声も女にしては低い。


でも‥‥


俺はその容姿から凌さんが男だと言うことを信じれずにいた。

⏰:09/04/24 19:10 📱:P906i 🆔:g0nkni46


#78 [ちか]
すると恭弥は俺の思っていることが分かったのか、クスッと小さく笑うと凌さんの方にくるりと顔を向けた。


「凌、冥はお前のこと女だって思ってるみたいだよ?」

少し馬鹿にしたような、意地悪な笑みを浮かべながら恭弥がそう言うと、凌さんは少し嫌そうに「え‥。」と呟いた。

そして暫く考え込むような顔で俯いたあと、俺に目を向けた。

⏰:09/04/24 19:16 📱:P906i 🆔:g0nkni46


#79 [ちか]
「これで信じてくれるかな。」


凌さんな呟いた声は俺の耳には微かにしか届かなかった。


「え??‥‥‥ッッ!?!?//」


しかし次の瞬間俺の顔はタコのように真っ赤に染まった。


「分かった?」

顔色一つ変えず、無表情で凌さんはそうやって俺に問いかける。

⏰:09/04/24 19:26 📱:P906i 🆔:g0nkni46


#80 [ちか]
凌さんの後ろで恭弥は笑いを堪えるように口元を片手で隠し、めぐさんは呆れたようにため息をついていた。


俺の顔はみるみる内に耳まで赤くなった。


なんでかって?


だって……

この人、急にTシャツ脱ぎだして‥‥っ///
じょ、上半身が!!!///

⏰:09/04/25 18:57 📱:P906i 🆔:K6GokItw


#81 [ちか]
当の本人は俺がなんで真っ赤になってるのか全く気づいてない様子。

それどころか、

「まだ分かんないかな?
…じゃあこれでどう?」

そう呟いて不意に俺の手首を強く掴んだ。

突然手を引っ張られて俺は思考停止状態。


ペタ。


…手の行き先は、凌さんの胸。

⏰:09/04/25 19:07 📱:P906i 🆔:K6GokItw


#82 [我輩は匿名である]
わ く わ く

あ げ ま す ね

⏰:09/04/26 23:37 📱:W52S 🆔:KmF3cRkI


#83 [ちか]
>>82
└→我輩は匿名さま*

あげてくれてありがとうございます*´ω`
>>3の感想板にも良かったら遊びにきてくださいね♪

⏰:09/04/27 18:18 📱:P906i 🆔:BdDFPefA


#84 [ちか]
>>81

一気に心拍数が上がった。

意外と鍛えられていた胸がリアルな感覚を手に与える。

離したくても手首を強く握られて、そこから手を離すことが出来ない。

やがて凌さんはゆっくりと俺に問いかけた。

「胸ないだろ?
男って信じてくれた?」

表情は至って『無』。

俺が激しく首を縦に振ると、漸く凌さんは手を離してくれた。

⏰:09/04/27 21:00 📱:P906i 🆔:BdDFPefA


#85 [ちか]
触れていた手に熱が残る
尚も鼓動は早いまま。


突然だったことに俺が立ち尽くしている間、凌さんは脱ぎ捨てたTシャツを拾って被っていた。


やっぱり表情は無い。


そんな凌さんを見ながら俺は心の中で叫んだ。



この人絶対ズレてる!!

⏰:09/04/27 21:22 📱:P906i 🆔:BdDFPefA


#86 [さやか]
あげ(^O^)/

いつでもいいんで
書いて下さい

⏰:09/05/02 22:54 📱:F905i 🆔:017gNd7E


#87 [ちか]
>>86
└→さやかさま*

優しいお言葉ありがとう
ございます(´;ω;`)
更新不定期すぎて、本当にすいません‥
ですが絶対完結させますので、ゆっくり待っていただけたら嬉しいです

⏰:09/05/04 21:27 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#88 [ちか]
>>85

そんな俺を見てやっぱり恭弥はクスクスと笑っている。

…なんかすっごいムカつくんですけど‥。


睨み付けるように恭弥を見ると、恭弥は目を細めて微笑んだ。
やっぱりこんな時でも俺はこの笑顔に弱いんだよな。


そんなことをぼんやり思っていると、刺々しい口調で関西弁が響いた。

「んで、お前何しに来てん。」

⏰:09/05/04 21:38 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#89 [ちか]
その静かながら怒りの籠(コモ)った声に、チラリと凌さんは振り向いた。


「…たまたまこっちの知り合いに演奏頼まれて呼ばれたから。」


相変わらず険悪な雰囲気だ…。
疲れきった俺を察して恭弥は一度コホンと喉を鳴らすと口を開いた。

「じゃ、僕らは海でも行って来ようかな。」


その一言で俺のテンションは一気にぐんと上がった。

⏰:09/05/04 21:47 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#90 [ちか]
『海』と言う一文字は今の俺にとって魔法の言葉のようだ。


表情がパッと明るくなったのが自分でも分かった







が。

⏰:09/05/04 21:52 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#91 [ちか]
「はぁ?!そんなん自分らだけずるいわ!!俺も行く!!」

「恭が居ないのに此処居ても仕方ないし。」

同時に二つの声が重なって響いた。


「「コイツと行くんはごめん」」「やけど!!」「だけど。」

そしてまた語尾だけが異なって二つの声が重なる。


声が重なったことでまた口喧嘩を始める2人に、俺達もため息を重ねた。



やっぱりそう簡単にこの2人から離れるのは難しそうだ。

⏰:09/05/04 21:58 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#92 [ちか]
結局、俺達は海に行けないままこの険悪なムードと共に1日を過ごす羽目になった。


そんな夕方のこと。


夕食を済ませた俺達4人は黙りこんでいた。


暫くして、急にめぐさんが立ち上がる。

⏰:09/05/04 22:06 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#93 [ちか]
「言うん忘れとったけど、俺、夜は此処泊まる気無いし出ていくわ!」


相変わらずの明かるい笑顔。

しかし、恭弥と凌さんはその一瞬で顔を曇らせた。


だけど俺はそれを大したことだとは考えずただ椅子に座り込んでいた。


そんな中、めぐさんは俺の隣に寄ってくると小さく耳打ちした。


「夜まであんたらの邪魔する気無いから、好きなだけ仲良うしいや♪」

⏰:09/05/04 22:14 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#94 [ちか]
俺はびっくりすると同時に赤面した。

そんな俺の反応を見てニヤッと笑うとめぐさんは玄関の方に繋がるドアから出ていった。


すると、恭弥はそれを追うようにして席を立った。



凌さんは出ていった2人を見た後、視線を斜めに落として大きくため息をつく。



なんか嫌な予感がする…
今の俺にはそんな曖昧な事しか分からなかった。

⏰:09/05/04 22:19 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#95 [ちか]
― めぐるside.―


玄関のドアノブに手をかけた時、恭に呼び止められて初めて恭が後ろに居たことに気づいた。


コイツは昔っからそう言う奴やった。
影みたいに黒い部分(トコロ)があって、時々気配が無いみたいな感覚にさせる。


俺は振り返って、「なんや。」と低く声を発した。

⏰:09/05/04 22:36 📱:P906i 🆔:/B51orBQ


#96 [ちか]
「どこ行く気?」

振り向くと、腕を組みながら俺を見据える恭弥が居た。

「…分かってるくせに嫌な質問してくるなぁ。」

苦笑いをする俺を見て、恭弥はふっと笑った。

「まだそう言うことしてたんだ。いい加減やめれば?」

まるで俺をバカにしているかのような瞳(メ)。
黒くて、全てを見透かしているかのようなその瞳がたまに嫌いやったりする。

⏰:09/05/05 22:57 📱:P906i 🆔:eZG02kr2


#97 [ちか]
「止めれたらとっくに止めとうわ。」



それだけ吐き捨てるように呟いて俺はそこを後にした。


外に出て改めて景色の美しさに気づく。

たくさんの星が一斉に瞬いて地面を照らしていた

⏰:09/05/06 23:00 📱:P906i 🆔:z4wn19po


#98 [ちか]
だけど、俺はそんなことにいちいち感動出来るような心の綺麗な奴じゃない。



むしろ、嫌いや。



遠く上の方から、ちっぽけな俺を見下してるように見えて。

⏰:09/05/07 18:09 📱:P906i 🆔:ltv73rLQ


#99 [ちか]
真っ黒でバカでかいこの世界で俺は蟻みたいに小さい存在でしかなくて、惨めな気分になる。


やから夜は嫌い。



俺は一歩、また一歩と歩く速度を早め恭の別荘を後にした。

まるで何かから逃げるかのように‥‥―――

⏰:09/05/07 18:21 📱:P906i 🆔:ltv73rLQ


#100 [ちか]
― 冥side.―

恭弥が出ていったあと、俺達に残されたのはどうしようもない沈黙だった。


黙々と食事を続ける凌さん。

ちょっと食べ過ぎなんじゃ‥‥――と思ったけど、そんな事を言える雰囲気じゃなかった。


あまりにもそんな時間が長く続くもんだから、耐えきれなくなって俺は風呂にでも入ろうと席を立った。

⏰:09/05/07 19:15 📱:P906i 🆔:ltv73rLQ


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