漆黒の夜に君と。U[BL]
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#639 [ちか]
「凌、変わったよね。」



淡白な一言だった。


「…は?」

ワケの分からないまま間抜けな顔で見つめる俺に、恭弥はクスクスと笑いながら言った。

「やっぱり僕は凌の特別じゃなかったんだなと思って。」

⏰:10/08/16 00:53 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#640 [ちか]
そうやって笑う恭弥をよそに俺は腹立ちと混乱の混ざったような感覚になった。

「なんだよ、それ…。
今も昔も、俺の特別は恭弥で…っ「そう思いたいだけなんじゃないかな?」

どう言う意味か全然理解できなかった。

「僕と凌はちょっと似てるから。だから一緒に居て楽なんだよ、きっと。
でもそれは"特別"なんかじゃないよ。
本当は別に"特別な奴"が居るんじゃない?」

⏰:10/08/16 01:02 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#641 [ちか]
本当に特別な奴……


この数日間、
そのことばっかり考えていた。


そしたらこのザマだ。
風邪まで引いて馬鹿みたいだ。


けど、なぜかこういう時、会いたくなったのがめぐる(コイツ)だった。

⏰:10/08/16 01:08 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#642 [ちか]
自分でも分からない。


なんで恭弥じゃなくて
めぐるだったのか。


ただ衝動的だった。
頭から離れなかったのがコイツだった。


そんなことを考えていた頃、

「好き…やから?」

そんな声がした。

⏰:10/08/16 01:11 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#643 [ちか]
めぐるの声…か?


いや、夢…?


熱のせいか意識も薄れてゆき、もう現実かどうかも分からずそこから記憶は無くなった。


"好きだから"
と言う言葉を残したまま。

⏰:10/08/16 21:48 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#644 [ちか]
目を醒ますとそこにめぐるの姿は無かった。


「帰ったのか…?」


周りを見渡しても人気はしない。

柄にもなくなぜか寂しかった。


その時、
ガチャッ
玄関の開く音がした。

⏰:10/08/17 00:59 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#645 [ちか]
「あ、起きてたん?」


めぐるの声。

なぜか無性に安心した自分が居る。

めぐるはコンビニのレジ袋を提げて、こっちへ歩いてくる。

(そう言えば…)

『好き…やから』あの言葉は本当に夢だったんだろうか。

⏰:10/08/17 01:03 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#646 [ちか]
「冷えピタ買いに行っててん!」

ニコニコと笑うめぐるを見ながら、あの言葉が頭から離れない。

もし、めぐるが言ったんなら。
それは、どう言う意味なのか。

「貼ったるわ!冷たくて気持ちええで〜♪」

そう言って至近距離まで来たとき、思い切りめぐるの手を引き寄せた。

俺は賭けに出たんだ。

⏰:10/08/17 01:10 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#647 [ちか]
― めぐるside.―

「うわっ…?!」

凌に冷えピタ(冷却シート)を貼ろうと前のめりになった瞬間、俺はそのまま倒れ込んだ。

こけたんじゃない。
凌に引っ張られて。

「ちょ、なにすんねん!!
ふざけんのもええ加減に…」

上半身を起こそうとしたが力は思ったより強く、その腕から逃れることができない。

いつもと何が違う。
そう思った瞬間、凌が耳元で言った。

「お前、俺のこと好きだろ」

⏰:10/08/17 01:16 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#648 [ちか]
全身がカッと熱くなるのが分かった。

俺は大袈裟に後ろに退く。

「ななな、なに言ってんねん、いきなり!!」


やばい…っ
こんなあからさまに動揺したら本間にバレてまう…っ

分かってるのに、平然を装えへん。

⏰:10/08/17 22:07 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


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