漆黒の夜に君と。U[BL]
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#719 [ちか]
「先輩こそ冥とずいぶん仲良いじゃないですか。さ・い・き・ん(最近)。」


やっぱりむかつく。


この作り笑顔どうにかしてくれ。
ぶん殴りたくなる。

⏰:11/05/30 00:52 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#720 [ちか]
もともと冥と仲が良いことも知っていた。

しかし計算違いだったのは、“仲が良いだけ”だと思っていたこと。


冥と関わりはじめてやっと分かったんだ。


このクールな秀才くんが、冥に対して僕と同じ感情を抱いているということを。

⏰:11/05/30 00:54 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#721 [ちか]
「まぁね。少し縁があって。」

「へぇ、冥みたいな普通の生徒と優秀な先輩にどんな縁が?」

いちいち気に障る言い方をする奴だ。
初めて会った頃と今じゃ、印象は180゚違う。


「それは…――、」

いっそのこと僕たちの関係をバラしてしまおうか。

そう思って口を開いた時、午後の授業が近いことを知らせる予鈴が鳴った。

⏰:11/05/30 01:05 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#722 [ちか]
「あ、もう教室戻らないと。すいません、時間取らせてしまって。じゃあまた。」


そう言ってお決まりの笑顔と礼儀正しい素振りで、彼は去っていった。


冥のところに戻るのだろう。

⏰:11/05/30 01:07 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#723 [ちか]
『冥のこと傷つけたら…
   ぶっ殺しますよ。』


いつだったか
保健室で言われたあの言葉を思い出した。

口は笑ってるけど目は真剣で、言葉の一つ一つに重々しさを感じたのを覚えている。

彼は
いつから冥のことを
好きだったんだろう。…―

⏰:11/05/30 01:08 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#724 [ちか]
去っていく背中はとうに消えたというのに、僕はその場から動けないでいた。


いつか、
彼に冥を取られてしまうんじゃないか。

僕から離れていくんじゃないか。


そんなことが頭を過る。

⏰:11/05/30 01:10 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#725 [ちか]
『ガキの頃からの幼なじみですから』

『誰よりも知ってるつもりですよ。』


誰よりも。

ガキの頃から。


僕の知らない冥を
彼は知っている。

⏰:11/05/30 01:12 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#726 [ちか]
それはつまり、

僕の知らない冥を
彼はたくさん知っているわけで。


冥も僕に見せない顔や感情を彼には見せる…――。

と言うことなのだろうか。

⏰:11/05/30 01:14 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#727 [ちか]
「馬鹿馬鹿しい。」



こんなのは邪念だ、
と、頭の中を支配する彼の発言を消し去るようにそう呟いて、やっとの思いでその場を後にした。


─────────‥‥
──────‥‥
───‥‥

⏰:11/05/30 01:16 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#728 [ちか]
― 透 side.―


ずっと、

ずっと冥の隣は

俺のだと思っていた。




―‥高校に入るまでは。

⏰:11/05/30 11:27 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


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