漆黒の夜に君と。U[BL]
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#731 [ちか]
もういつからアイツを好きだったのかなんて覚えてない。

気づけばもう手遅れだった。


アイツは俺を
ただの幼なじみだと思ってる。


だから俺も
それに答えなくちゃいけない。
ただの幼なじみを演じていなければいけない。

⏰:11/05/30 11:38 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#732 [ちか]
それ自体は苦じゃなかった。
アイツをすぐ隣で見ていられるのには変わりないし、アイツが喜んでくれればそれで良かったんだ。
それで。‥‥――――


一人暮らしも反対したけど、アイツがそうしたいならそれを応援してあげるのが俺の役目だと思って渋々ながら納得した。

それに一緒に住まなくなってもアイツは毎朝俺を起こしに来てくれた。

結局、アイツの隣は俺だったんだ。
俺だった、…はずなのに。

⏰:11/05/30 11:43 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#733 [ちか]
高校に入って暫くして、
アイツとの登下校はあっさり別の奴に奪われた。


アイツの隣、
俺の特別席は、

急に現れた黒羽恭弥に



奪われてしまった。

⏰:11/05/30 11:45 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#734 [ちか]
一言で言えば
ムカついた。


俺が必死で隠して
大切に作り上げて来た場所を、こうも簡単に崩されてしまったことを‥‥―――



「とおる?」

⏰:11/05/30 14:43 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#735 [ちか]
「眉間にすんごいシワ!なんかあった?」


ハッとした。

いつの間に教室まで
戻ってきてたんだろう。

目の前には
そう、俺の宝物が居る。


「いや、何でもない。会議のこと考えてた。」

笑顔を向けて淀んだ空気を取り繕ってみる。

⏰:11/05/30 14:47 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#736 [ちか]
「ふーん。大変だな!ま、おかえり!」


ああ、
どうしてコイツは
気づかないんだろう。


俺が
この屈託の無い笑顔に
どれだけ救われてきたことに。


「ただいま。」

コイツと居ると自然に笑える。
コイツの存在は俺の全てなんだ。‥‥――――

⏰:11/05/30 14:51 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#737 [ちか]
― 冥side.―


「「‥‥‥‥‥。」」




本日、
恭弥生徒会長様は
ご機嫌ナナメなようです。

⏰:11/05/30 15:09 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#738 [ちか]
学校終わって久しぶりに一緒に帰れたって言うのに、なんでか分かんないけどずっと仏頂面。


車の中は
いつに無く静まり返って
なんだか落ち着かない。



これは何があったか
聞いた方が良いのだろうか‥‥。

⏰:11/05/30 15:12 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#739 [ちか]
「きょ、恭弥?‥‥なんかあった?」


恐る恐る顔色を窺いながら問いかける。
下手に刺激したら、八つ当たりされるのは俺だし。

それなのに、意を決して聞いたわりに帰ってきた返事は

「え?」


コレ+きょとんとした顔。

当の本人はもしかして、

「自覚無し?」

⏰:11/05/30 15:58 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


#740 [ちか]
「あ‥‥うん、全然気づかなかった。」


恭弥はそう言って少し困った顔をする。

なんだ。
普通じゃないか。
俺の考えすぎ?

今日の透と言い、恭弥と言い、全部俺の勘違いか。

「なーんだ!!心配して損したっ。」

「心配?」

なぜか恭弥は少し間合いを狭めた。

⏰:11/05/30 16:17 📱:P906i 🆔:nhTHY9Gc


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