漆黒の夜に君と。U[BL]
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#803 [ちか]
「じゃあ行ってくるな。」

そう言って教室を出ていった背中を見送ったあと、今度こそ俺は溺れるように深い眠りに落ちた。


──────────────────………
─────────────────────……

⏰:11/07/09 01:02 📱:Android 🆔:5xLSuFVA


#804 [ちか]
― 透 side.―


会議があるというのは
ウソ。


でも用事を済ますことに変わりはなかった。

やらなきゃいけないことがあるから。



生徒会室はもうすでに鍵が空いていて、
開けると静けさの中で立て付けの悪い戸の音が廊下に響いた。

⏰:11/07/09 01:09 📱:Android 🆔:5xLSuFVA


#805 [KAZUHA]
Tから見てます!!!!
続きが気になります///

⏰:11/08/27 02:35 📱:F904i 🆔:pBsYaRfw


#806 [ちか]
>>806 KAZUHAさま

ありがとうございます(*^^*)
不定期極まりなくてすいません

⏰:11/09/10 14:10 📱:Android 🆔:r3.xBClY


#807 [ちか]
「お待たせしました、」


静かな室内に、
その声はよく通った。

窓際で腕組みする姿が夕日に照らされて、シルエットを作っている。

「先輩。」


ギロリと切れ長の瞳が俺を捕らえた。
ああ、ご機嫌ななめですか。


「話って。」

なに?の二文字まで省きたくなるほどの不機嫌らしい。

俺だってこんなやつと長々話すつもりなんか甚だ無いっつーの。

⏰:11/09/10 14:15 📱:Android 🆔:r3.xBClY


#808 [ちか]
「今朝のアレなんですか。」

余計にこの人の機嫌が悪くなることは重々承知の上で、そんな質問を投げ掛けた。

「君には関係ない。」

「いや、冥は俺の大事なやつなんで。」


関係ない、で片付けられちゃ俺の怒りが収まらないんだよ、生徒会長さん。

言ったよね、俺。

⏰:11/09/10 14:21 📱:Android 🆔:r3.xBClY


#809 [ちか]
「冥のこと、傷つけたらぶっ殺す。
って、言いましたよね、俺。」

冷ややかな微笑みすら出来ないほど、俺の怒りは自分で気づかないうちに頂点に来ていたようだ。


そして被せるように言い放つ。


「冥は返してもらいますから。」



そう、取り返すんだ。
端からあんたのモノだったわけじゃない。

冷えきった室内はなんとも言えない空気を淀ませ、徐々に影を広げ出していた。

⏰:11/09/10 14:30 📱:Android 🆔:r3.xBClY


#810 [ちか]
ダメだ、だのなんだの、返事が返ってくると身構えてたのに、それ以上この人は言葉を発することはなかった。


用の無い沈黙なんて要らない。

ただでさえ待たせてるんだから。

早く出ていけ、
そう言わんばかりに影が室内を覆い、この人もそれに紛れて黒い影となっている。

「じゃあ、用はそれだけなんで。」


それだけ呟いて
俺は振り返り、戸に手を掛けた。

その時。

⏰:11/09/10 18:43 📱:Android 🆔:r3.xBClY


#811 [ちか]
「………冥のこと、よろしく頼む。」


は?

今なんて、

思わず振り返って見たその人はほぼ全てが影になっていたが、なぜかその表情だけは嫌になるほど見て取ることが出来た。

だってそれはいつも俺がアイツに向ける、……―――

切ない表情(カオ)。

⏰:11/09/10 19:00 📱:Android 🆔:r3.xBClY


#812 [ちか]
開きかけていた戸の隙間から、容赦無く冷たい風が吹き込んできた。

それは俺の動揺を拐うように吹き抜け、後ろから視線を送ってくるソイツにもきっと同じように髪を掠めているのだろう。


俺はその勢いに乗って再び向き直り、足を外に一歩踏み込ませた。

「……言われなくても。」

吐き捨てるようにそう言って
バタン、と大きく音を立てて閉めたのは、苛立ちを隠しきれなかった俺の未熟さ故の行為。

「…さみぃ。」

早く教室に戻ろう。
冥が待ってる。

待ってるんだから。

⏰:11/09/10 19:11 📱:Android 🆔:r3.xBClY


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