漆黒の夜に君と。U[BL]
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#836 [ちか]
「あ…ほら、クラスの奴からそういう相談されてさ!!俺、そういう経験あんまり無いし、透昔からモテてたじゃん?!透なら分かるんじゃないかなーって。はは…は」


沈黙が俺を饒舌にさせる。

苦し紛れの苦笑いが痛々しい。

もういっそのこと、
やっぱ今のナシ、と言って逃げてしまった方がいいんじゃないか。

そんな風にさえ思っていた時、

「俺なら…」


漸く返ってきた答えに
俺は唾を飲んだ。

⏰:11/09/20 11:33 📱:Android 🆔:B0XKYw7A


#837 [ちか]
「本当に大事な相手なら、ちゃんと話し合いたい…って思うかな。」

冗談めかした俺のトーンとは逆に、透の声は真摯だった。


“本当に大事な相手なら”……―――

その言葉の重みに思わず、黙りこんでしまう。

「なに、お前、そんなん事でさっきから溜め息ついてたわけ?相変わらずお人好しだなぁ、お前は〜。さっさと風呂入れ。」

ドアの前で固まっている俺を
透は背中を押すように言葉で促した。


まるで俺の考えていることが全てお見通しかのように。

⏰:11/09/20 11:41 📱:Android 🆔:B0XKYw7A


#838 [ちゅん]
この小説 好きです 頑張って下さい^^

⏰:11/09/21 22:25 📱:F02B 🆔:m3OK/Je.


#839 [ちか]
>>838 ちゅんさま.

嬉しいお言葉ありがとうございます(;o;)
そう言っていただけると幸せです〜*
これからも頑張るので、
また感想くださいねっ
感想板もあるので、よかったらそちらにも来てみてください♪

⏰:11/09/22 16:44 📱:Android 🆔:laGvjmfE


#840 [ちか]
「だ、だよなっ!なんかすっきりした、さんきゅ!」

俺はそう言って忙しなくバスルームのある一階へと降りていった。


透は

一体、誰を思い浮かべて

“本当に大事な人”と言ったのだろう…――


そんなことを考えながら。

⏰:11/09/22 16:50 📱:Android 🆔:laGvjmfE


#841 [ちか]
散々、風呂の催促を渋ったためか
湯船は少しぬるくなっていた。

しかしそれが
心地よいとも言える。

「…話し合わなきゃな。」


俺はそんな呟きを空間に溶かして
潜るように顔を水面下に沈めた。

…………―――――――
……―――――

⏰:11/09/22 16:59 📱:Android 🆔:laGvjmfE


#842 [ちか]
翌朝、
冬の朝がまるで透を叩き起こして参加した朝礼は、いつもの恭弥の場所にいつの間にか新しい生徒会長が立っていた。


気づかないうちにも月日は過ぎて行くのか。

そんなことを今さらのように思い知りながら、同時に思いを固くする。

過ぎていく月日ご早いならなおさら、
風化しないうちにちゃんと自分の気持ちを伝えよう。と。

⏰:11/09/22 17:25 📱:Android 🆔:laGvjmfE


#843 [ちか]
※訂正※
>>840
一番大事な人→×
一番大事な相手→○

>>842
冬の朝がまるで透を→×
冬の朝がまるで苦手な透を→○

すいません!
その他変換ミスが時々ありますが、言い回しだけ訂正させていただきました。

⏰:11/09/22 17:51 📱:Android 🆔:laGvjmfE


#844 [ちか]
とは言ったものの、
正直どのタイミングで話し掛ければいいか、分からない。

恭弥の周りはいつも生徒教師関係なく人でいっぱいだったし、
そんな中でいきなりズカズカと会いに来て、
話し合おうなんて、
そんなことは無鉄砲な自分でさえもさすがに躊躇せずにはいられなかった。

さあ、どうしたものか。


話し掛ける術を
ひたすら無い頭で考える授業中。

⏰:11/09/23 00:46 📱:Android 🆔:qQuJKEhM


#845 [ちか]
目の前ではxがどうだ、とか、yがああだ、とかの説明と共に果てしなく続くように思える方程式が教師の持つチョークから黒板に写されていく。


考え事をしていても、
どうしてもその文字式や教師の言葉、チョークの音に気が散って集中することが出来ない。

もっとも、本来集中すべきなのはこの授業なんだけど。

俺は意を決して手を挙げた。

「せんせー、吐き気するんで保健室行っていいですか。」

精一杯の演技をしながら。

このままでは授業も考え事も集中出来ないし、それなら、と考え事を優先させての小芝居だった。

⏰:11/09/23 00:56 📱:Android 🆔:qQuJKEhM


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