漆黒の夜に君と。U[BL]
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#927 [ちか]
好き、


そう言いかける前に
唇が塞がれた。


一瞬のことに驚いて、
また涙が一筋頬を伝う。

目の前には
困ったように、でも優しく微笑む恭弥。

「ごめん、最後まで聞きたかったけど可愛かったから、つい。」

⏰:11/10/03 00:15 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#928 [ちか]
っな、

「なんで?!寝てたんじゃ…っ、///」

俺の動揺に、
恭弥はさらに不味そうな顔をした。

「や、起きてた。」

ごめん、と付け足されると、もはや攻める気にもならない。

焦りと恥ずかしさから言葉な出ずに口がパクパクと意味無く動く。

「でも、安心した。」

そう言って笑う恭弥の顔を見たのはいつぶりだろうか。

⏰:11/10/03 00:20 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#929 [ちか]
「冥のこと誰にもやりたくなくて、でもそしたら冥を幸せに出来ないと思った。だったらいっそ、僕と離れた方が冥のためなんじゃないかって思ってた。」


恭弥がそんなこと考えてたなんて。

胸の奥がじんわりと暖かくなった。

嬉しさにまた涙が出る。


「冥ってこんな泣き虫だっけ」

クスッと笑う恭弥が少し憎らしい。

「泣き虫にさせてんのは誰だと思ってんだよ、バカ」

⏰:11/10/03 00:25 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#930 [ちか]
「ごめん、…でも冥はほんとに僕でいいの?僕、冥のこと独り占めしちゃうよ?」

「…何回も言わ…せんな、っ」

しゃくりあげるのを堪えて、
目の前のソイツを睨んだ。


「…もう、あんたしか見えてねえよ…っ」

バカ。とか付け足したのは照れ隠し。

頬が紅潮していくのが自分でも分かった。

⏰:11/10/03 00:31 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#931 [ちか]
恭弥が俺の頬に触れる。
熱のせいかその手は熱い。

「もう絶対離さない。」

「当たり前だ。」


そして唇が再び重なった。

今度は、
さっきと違って
長く、息も出来ないほどの。


「ん…ふ…ぁ」

恭弥、もっと、

頭ではらしくないと思っても
もう感情がそれを追い抜いていた。

せがむように首に手を回したその時。

⏰:11/10/03 00:38 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#932 [ちか]
ドサッ

「いったー…」

背後から聞き覚えのある声。

「凌、お前のせいやぞっ」

「はあ?!お前が押すから…っ」


っな、

「%☆€◆@$〜っ?!」

全部見られてた?!


恥ずかしさのあまり、
ぐんぐん顔の色は紅くなる。

⏰:11/10/03 00:42 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#933 [ちか]
少し言い合ったあと、
二人は漸くこちらを見た。
バツが悪そうな顔で。


「め、めぐが、」

「凌かて見てたんやから共犯やろ?!」


お互いがお互いを指差しながらまた言い合いが始まる。

そんな中にわって入ったのは

「どうでもいいけど、」

恭弥の声。

⏰:11/10/03 00:46 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#934 [ちか]
「これから良いとこだから邪魔しないでよね。」


ふいに後頭部を強く掴まれ、
強引に唇が触れる。

かぶりつくような、
強引なキス。


「お邪魔しましたっ」

めぐさんがそう言って凌さんを引っ張って出ていった。

今度こそちゃんとドアは閉まったようだ。


「さて、」

⏰:11/10/03 00:51 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#935 [ちか]
「続き、どうする?」


悪戯に妖しく笑う恭弥に
俺の全身はますます熱くなる。


「黙れ、病人!!///」

「うわ、酷い言われよう。」

「うるさいっ////」

⏰:11/10/03 00:56 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


#936 [ちか]
まぁ、でも

「冥、」

「なに?!」

心なしか恭弥の笑顔が幸せそうだから、

「愛してる。」

今回だけは

「〜〜……っ、うるさーいっ!!!!!////」


良しとしてやる。

  ― 第九話 e n d ―

⏰:11/10/03 01:06 📱:Android 🆔:pPNlEVvs


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