悪 魔 の 誕 生 日
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#31 [七瀬]
「私…20歳まで生きられないんだよねぇ。」
え?
「死ぬまで一回、デートしてみたくって。
彼氏とか憧れてて…ね。」
引きつってる笑顔が、
真実を語っていた。
「でも、なんかごめんね!見ず知らずなのに…
いきなり迷惑だよね!!」
:09/04/12 20:00
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#32 [七瀬]
『いや…その。』
涙を流すわけでもなく、
ただ真っすぐに、その茶色い瞳を空へと向けていた。
『よし!行こっ!!』
「え…いいの?」
彼女の目が輝きだす。
:09/04/12 20:03
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#33 [七瀬]
「わあ!!」
彼女は歓声を上げた。
目はキラキラしたまま。
「あれ!
あれ乗りたあーい!!」
指差す先には
メリーゴーランド。
軽やかなメロディーが流れる中、
子供たちが並ぶ列の最後に2人で並んだ。
:09/04/12 20:13
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#34 [七瀬]
メリーゴーランドなんて
子供みたいな乗り物に
乗って楽しいのか?
そう思ったけれど
横顔を見る限りは楽しいんだろうな。
「お待たせしました。」
ガチャと鎖が開くと
今まで乗っていた子供たちが降りて、並んでいた俺たちの列が入った。
:09/04/12 21:38
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#35 [七瀬]
「あれ!」
『え?…って、おいっ!』
俺の声を無視して
あの女は、子供らを押してまで、一番大きな白馬に乗っかった。
「ねぇねぇ!
早く早くー!!」
『え?俺も乗るの?』
「当たり前ー!!」
:09/04/12 21:47
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#36 [七瀬]
ただでさえ、
周りの目が痛いのに
大人2人が
メリーゴーランド?
…なんて絶対無理!
「早くってばあ!!」
『いや…その、
俺は止めとくよ…』
「なんで?
なんでなんでー??」
:09/04/12 21:51
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#37 [七瀬]
今さらだけど
なんなんだ、この女は。
3歳児か?
それに、
さっきの悲しそうな顔…
今は微塵も感じられない。
失敗した…
やっぱり、こんな
訳の分かんねぇヤツに付き合うんじゃなかった。
俺は後悔し始めていた。
:09/04/12 21:56
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#38 [七瀬]
あの時、
俺は、この女に同情したのだろうか。
ただ、
なぜか、揺れている彼女の真っ茶色な瞳を見て
ほっとけなくなったんだ。
:09/04/12 22:32
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#39 [七瀬]
「あの〜お客様。
危ないので……」
アナウンスの人が
そう言ってくれなかったら俺は今頃、顔から火を吹いていただろう。
あの女は仕方なくといった感じで諦めてくれたようだ。
「ちゃんと写真、撮っててよね!」
:09/04/12 22:35
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#40 [七瀬]
そう言ってたのを
思い出し、
インスタントカメラを構えた。
……お姫さまみたい。
子供だらけのメリーゴーランドで一人浮いてる彼女。
色素の薄い髪が太陽の日差しで、より美しさを際立たせている。
:09/04/12 22:40
:N703iD
:uqDmmwIM
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