悪 魔 の 誕 生 日
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#411 [七瀬]
 
「そ。私をフッた後悔。」

『おー、怖。』

小さな笑い声が
広いグランドに響いた。




「変わったね、あんた。」


しばらくの沈黙のあと、
美里がぽつりと言った。
 

⏰:09/05/02 18:56 📱:N703iD 🆔:zhG.CytU


#412 [七瀬]
 
京介に言われて、
美里にも言われたこの言葉。


「悔しいけど変わった。」

『男前になったかな。』

鏡を見る身振りをした。


「…ほんとバカだね。」

『だーかーら!
バカで結構だってば。』
 

⏰:09/05/02 19:00 📱:N703iD 🆔:zhG.CytU


#413 [七瀬]
 
「一生バカだ、一生。」

『死ぬまでバカでいてやろーじゃんか。』



「…ありがと、雷。」


『…こちらこそ。』


ありがとう、美里。

「じゃあ部活あるから。」

『ん。ばいばい。』
 

⏰:09/05/02 19:04 📱:N703iD 🆔:zhG.CytU


#414 [七瀬]
 
最後に笑った美里の顔と、

軽やかにハードルを飛び越える姿が、美しかったのを今でも覚えている。


この日は一生忘れない。


だって、


新しいスタートであり、

分岐点だから。

⏰:09/05/02 19:08 📱:N703iD 🆔:zhG.CytU


#415 [七瀬]
 
さて。

あとはゆかちゃんだ。


どうしようか…

そう思っていたら、


「らーい!」

校門前には、


いつもの姫じゃなくって、ゆかちゃんが。

以心伝心?

⏰:09/05/02 19:16 📱:N703iD 🆔:zhG.CytU


#416 [七瀬]
 
『ゆかちゃん。』

駆け寄る。


「ね〜、デートしよ〜」

『ゆかちゃ…』

「大丈夫だよ。」

『えっ?』


「先輩なら、今日委員会だし。だいじょーぶ!!」

手をブイにする
ゆかちゃん。

⏰:09/05/03 10:15 📱:N703iD 🆔:OTnNBzCw


#417 [七瀬]
 
『そういう問題じゃなくってね。』

ふぅ

深呼吸して、一つ息をつく。


『俺ね…』

「さっ、早く!!」


『ゆっゆかちゃん!?』

裾をおもいっきり引っ張られていた。

⏰:09/05/03 10:19 📱:N703iD 🆔:OTnNBzCw


#418 [七瀬]
 
『ど、どこ行くの?』

「ないしょー!!」

走る。


そんなに速くないし、
そんなに強い力でもない。

振りほどこうと思えば、
そう出来た。

けど、それが出来なかったのは


ゆかちゃんが姫と被ってしまっていたから。

⏰:09/05/03 10:22 📱:N703iD 🆔:OTnNBzCw


#419 [七瀬]
 
その走るゆかちゃんが
出会った時の姫に見えた。


いきなり裾を引っ張られ、行き先も分からず、
なにをするのかも分からない。


だんだん視界がぼやけて、


『姫?』

姫がいるように、錯覚してきた。

⏰:09/05/03 10:26 📱:N703iD 🆔:OTnNBzCw


#420 [七瀬]
 
そこには、
あの時の姫がいて、

素性も名前も知らなくってもちろん誕生日も分からない。

そんな女に振り回されてて


うざいはずなのに、
手放せなくて。


あの時から、
俺は夢を見ているのだろうか。

⏰:09/05/03 10:30 📱:N703iD 🆔:OTnNBzCw


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