悪 魔 の 誕 生 日
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#33 [七瀬]
 
 
 
「わあ!!」

彼女は歓声を上げた。
目はキラキラしたまま。


「あれ!
あれ乗りたあーい!!」

指差す先には
メリーゴーランド。


軽やかなメロディーが流れる中、
子供たちが並ぶ列の最後に2人で並んだ。

⏰:09/04/12 20:13 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#34 [七瀬]
 
メリーゴーランドなんて
子供みたいな乗り物に
乗って楽しいのか?

そう思ったけれど
横顔を見る限りは楽しいんだろうな。



「お待たせしました。」

ガチャと鎖が開くと
今まで乗っていた子供たちが降りて、並んでいた俺たちの列が入った。

⏰:09/04/12 21:38 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#35 [七瀬]
 
「あれ!」

『え?…って、おいっ!』


俺の声を無視して
あの女は、子供らを押してまで、一番大きな白馬に乗っかった。

「ねぇねぇ!
早く早くー!!」

『え?俺も乗るの?』


「当たり前ー!!」
 

⏰:09/04/12 21:47 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#36 [七瀬]
 
ただでさえ、
周りの目が痛いのに

大人2人が
メリーゴーランド?

…なんて絶対無理!


「早くってばあ!!」

『いや…その、
俺は止めとくよ…』


「なんで?
なんでなんでー??」

⏰:09/04/12 21:51 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#37 [七瀬]
 
今さらだけど
なんなんだ、この女は。

3歳児か?


それに、
さっきの悲しそうな顔…

今は微塵も感じられない。


失敗した…
やっぱり、こんな
訳の分かんねぇヤツに付き合うんじゃなかった。


俺は後悔し始めていた。

⏰:09/04/12 21:56 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#38 [七瀬]
 
 
 
あの時、
俺は、この女に同情したのだろうか。





ただ、
なぜか、揺れている彼女の真っ茶色な瞳を見て


ほっとけなくなったんだ。 
 

⏰:09/04/12 22:32 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#39 [七瀬]
 
 
「あの〜お客様。
危ないので……」

アナウンスの人が
そう言ってくれなかったら俺は今頃、顔から火を吹いていただろう。


あの女は仕方なくといった感じで諦めてくれたようだ。


「ちゃんと写真、撮っててよね!」
 

⏰:09/04/12 22:35 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#40 [七瀬]
 
そう言ってたのを
思い出し、
インスタントカメラを構えた。



……お姫さまみたい。


子供だらけのメリーゴーランドで一人浮いてる彼女。

色素の薄い髪が太陽の日差しで、より美しさを際立たせている。
 

⏰:09/04/12 22:40 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#41 [七瀬]
 
 
無邪気に笑う彼女。


周りの目に
気にも止めないで、
白馬にまたがる彼女は


昔、読んだ童話に出てくるような
本物のお姫さまみたいだった。



そんな姿に、
ついレンズ越しに見とれていた。

⏰:09/04/12 22:45 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


#42 [七瀬]
 
 
「ねぇ〜
ちゃんと撮ってくれた?」


『あ…ああ。』

気付くとメリーゴーランドはもう止まっていて、
あの女が目の前にいた。


「どれどれ…って全然撮れてないじゃ〜ん!!」

あなたに見とれてて
撮れませんでした。

なんて言えるわけない。

⏰:09/04/12 22:57 📱:N703iD 🆔:uqDmmwIM


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