奇妙な短編集
最新 最初 全 
#1 [そ君]
主にホラー、ミステリー系の短編を書いていきます
グロ表現あり
苦手な方は見ないで下さい
※不定期更新
:09/04/15 18:02
:W63CA
:D5L1.mVY
#2 [そ君]
:09/04/15 18:04
:W63CA
:D5L1.mVY
#3 [そ君]
俺は死にたい。
そう思って俺はいま80階建てのビルの屋上にいる。ここから見る景色は圧巻だ。
地球が曲線を描いて見えて、
この地球が丸いことが分かる。
どこまでも見通せそうなくらい空気が澄んでいて綺麗だ。
だけど、もう俺にはその綺麗さは必要ない。
俺はこれから
この屋上から
地上まで落ちていく。
:09/04/15 18:07
:W63CA
:D5L1.mVY
#4 [そ君]
落ちた先には
見るに耐えないグチャグチャになった俺の姿があるんだろう。
だがその時、
俺は死んでいるから関係ない。
俺はもうこの世にいることはない。
死にたい。
その瞬間
俺の足は地面をとらえていなかった。
重力に引き寄せられて
俺の身体はもの凄いスピードでどんどん落ちていく。
地面が徐々に迫ってくる。
:09/04/15 18:10
:W63CA
:D5L1.mVY
#5 [そ君]
―――俺はまもなく死ぬ。
果実を地面に叩きつけたような音を放ちながら
俺の身体は、グチャグチャになった。
微かに残る意識の中に
信じられないような激痛が走る。
腕や足はちぎれ
内蔵は破裂し、
骨は複雑に折れ曲がり、
大量の鮮血が俺の身体と地面に吸い込まれる。
そして目の前の視界が漆黒に染まった。
:09/04/15 18:14
:W63CA
:D5L1.mVY
#6 [そ君]
「う……」
あれ…まだ生きてる…?
ゆっくりと目を開ける
真っ先に俺の視界に映ったのは白い壁のようなもの。
いや・・・、
これは天井だ。
耳からはリズム良く
機械音が聞こえてくる。
腕や身体には
なにやらチューブが付けられている感覚がした。
:09/04/15 18:23
:W63CA
:D5L1.mVY
#7 [そ君]
だが俺の腕は千切れてしまったはず・・・。
いやそれ以前におれは死んだはずだ。
ビルの屋上から
飛び降りて死んだはず。
あの時確かに激痛と腕や足がちぎれている感覚があった。
:09/04/15 18:24
:W63CA
:D5L1.mVY
#8 [そ君]
ならここはどこだ?
あの世?
なにやら機械音に混じって声が聞こえてくる。
だれかがなにかを話しているようだ。
「では、いまから解体を始める」
突然声がはっきり聞こえる。
だがその言葉に俺は驚いた。
解体?いったいなんの?
:09/04/15 18:26
:W63CA
:D5L1.mVY
#9 [そ君]
そう思った瞬間、
身体に激痛が走った。
なにかで身体を切られるような感覚、あまりの激痛に叫んだがなぜか声は出なかった。
:09/04/15 18:41
:W63CA
:D5L1.mVY
#10 [そ君]
暫く顔を歪めていると
切られる感覚がなくなり、意識が少しハッキリしてきた
するとまた声が聞こえた。
「見てみろ、綺麗な色の心臓だ」
その者の手には深紅の色をした心臓が握られていた。
:09/04/15 18:44
:W63CA
:D5L1.mVY
#11 [そ君]
まさか、
まさか…まさか
俺の心臓なのか……?
俺は必死にその者を見ようとした。
するとその者は
「…ッ!!?」
突然口を開け
俺の心臓を美味しそうに食べ始めた。
あまりの衝撃からか、
俺の視界は再び漆黒に染まった。
:09/04/15 18:47
:W63CA
:D5L1.mVY
#12 [そ君]
――――――
―――――
次に気が付くと、
俺は道路に立っていた。
俺は自分の身体を手で触って確認した。
腕も足もある。
切られた跡もなく、心臓が脈打つ感覚が確かにある。
俺は
生きてる……
そして周りを見渡した。
:09/04/15 18:58
:W63CA
:D5L1.mVY
#13 [そ君]
すると道路の端のほうで
男がなにかを叫んでいた。
だがよく聞き取れない。
男は必死になにかを叫んでいる。
そしてようやく俺の耳は男の言葉を理解した。
「後ろ!!」
:09/04/15 18:59
:W63CA
:D5L1.mVY
#14 [そ君]
その言葉を聞いた俺はすぐに後ろを見た。
すると目の前には猛スピードでトラックが迫って来ている。
避ける間もなく俺の身体はトラックと接触。
鈍い音と激痛と共に、
俺の身体は空中に高く投げ出された。
ぶつかった衝撃で、足が片方千切れたようで
足の付け根の痛みが酷い。
そのまま俺は頭から地面に落ち、また激痛が走る。
:09/04/15 19:01
:W63CA
:D5L1.mVY
#15 [そ君]
鮮血が地面を染める。
身体から体液が流れ出ていくのを感じることができる。
地面に這い蹲って
動くことのできない俺の上を
先ほど俺を引いたトラックが乗り上げ通過していく。
身体中の骨がキシみ砕かれ、
内蔵は破裂し身体の中までもが体液で満たされていく。
:09/04/15 19:03
:W63CA
:D5L1.mVY
#16 [そ君]
言いようのない激しい痛みと
なぜかハッキリしている意識の中、
俺は声を出すこともできずに
鮮血で深紅に染められた地面に這い蹲っている。
俺は死んだ
と思ったら
……………まただ
目の前には一枚の扉。
:09/04/15 19:07
:W63CA
:D5L1.mVY
#17 [そ君]
さっきまで地面に這い蹲っていたはずなのに、身体中のどこも怪我一つしていなかった。
痛みもない。
それどころか、ここは道路ですらない。
なにがなんだか分からない。
:09/04/15 19:08
:W63CA
:D5L1.mVY
#18 [そ君]
さっきまでトラックに引かれ死にかけていたはずなのに。
ここは窓一つない部屋だ。
正面には扉が一つあるだけ。
俺はこの扉を開けたら逃げられるような気がして扉を開けた。
:09/04/15 19:09
:W63CA
:D5L1.mVY
#19 [そ君]
その瞬間、
扉の向こうから大量の水が迫ってきた。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺は逃げることもできずに水に飲み込まれていく。
水はあっという間に部屋一杯になり、おれの身体も水の中に埋もれた。
息が出来ずに苦しい。
:09/04/15 19:11
:W63CA
:D5L1.mVY
#20 [そ君]
必死にもがき開けた扉の方を見ると扉は消えている。
おれは息をすることもできずにひたすら苦しんでいた。
あまりの苦しさに眼球が飛び出し目に激痛が走る。
それを感じた途端に
口から大量の水を飲んでしまった。
:09/04/15 19:13
:W63CA
:D5L1.mVY
#21 [そ君]
肺に水が入り、咳き込む。
するとまた大量の水が肺に入り俺はますます苦しくなった。
息ができない恐怖…。
いや、
死に続ける恐怖。
:09/04/15 19:14
:W63CA
:D5L1.mVY
#22 [そ君]
気が付けば水は消えていた。
同じ場所だが水はなく、服も濡れてはいない。
目の前には扉がある。
息が少し荒い。
俺は死にたかったはずだ。
死ねばすべてが楽になると、ビルの屋上から自殺をはかった。
:09/04/15 19:22
:W63CA
:D5L1.mVY
#23 [そ君]
だが、おれは生きていて死を何度も繰り返している。
目の前の扉を開ければ、また死ぬかも知れない。
でもここから、
この恐怖から逃げられるかも知れない。
:09/04/15 19:23
:W63CA
:D5L1.mVY
#24 [そ君]
そう思ったおれは扉を開けた。
目の前には真っ暗な空間が広がっている。
その空間の奥からなにかが飛んでくる。
おれは必死の思いでそれを避けた。
だがその瞬間
扉はまた消えてしまった。
さっき飛んできたなにかに俺は目を向ける。
火の玉だ…。
:09/04/15 19:25
:W63CA
:D5L1.mVY
#25 [そ君]
火が壁に移り炎になる。
それはますます熱を発し黒煙をあげ
すべてを飲み込んでいく。
:09/04/15 19:26
:W63CA
:D5L1.mVY
#26 [そ君]
煙を吸ってしまった俺は咳き込み炎はどんどんこちらに迫ってくる。
そして遂におれの服に燃え移り、服がどんどん燃えていく
同時におれの皮膚も焼いていく。
皮膚がただれ激しい痛みが俺を包みこむ。
炎はおれの身体全体を飲み込み、おれは一瞬のうちに火だるまとなった。
皮膚が焼け、臭い匂いと激痛が俺の身体の中で暴れていく。
:09/04/15 19:35
:W63CA
:D5L1.mVY
#27 [そ君]
俺の皮膚が髪が眼球が、血液が炎によって灰にされていく。
―――――――――――
―――――――
目の前には、人がいた。
大勢いて皆こっちを見ている。
息がかなり激しい。
一体これはなんなのか。
死を繰り返している俺は
後 何度、死を繰り返せば済むのだろうか。
:09/04/15 19:38
:W63CA
:D5L1.mVY
#28 [そ君]
またやけどの痛みは消え、服も燃えていない。
今度はどうやって死ぬのだろうか?
なぜ死を繰り返さなければならないのか。
この恐怖はいつまで続くのだろうか。
:09/04/15 19:39
:W63CA
:D5L1.mVY
#29 [そ君]
身体はまるで動かない。
目の前にいる大勢の人達
こっちを見てなにか話しているが聞こえない。
俺も必死に助けを求めるが
声が出ない。
なぜ声が出ない。
:09/04/15 19:41
:W63CA
:D5L1.mVY
#30 [そ君]
突然、目の前にいた人達が逆さまになった。
いや、
俺の首が飛ばされたのだ。
後ろから斧によって俺は斬首された。
激痛が頭全体に走る。
地面に転がったおれの頭は、
頭をなくし、
首から大量の鮮血を噴き
身体を痙攣させている。
そして
また漆黒の闇―――――
:09/04/15 20:37
:W63CA
:D5L1.mVY
#31 [そ君]
――――
…目の前には蛇口があった。
さっき切られた首が元に戻っている。
切られた跡も存在しない。
俺は目の前の蛇口に目をやった。
その瞬間異様に喉が乾き始めた。
:09/04/15 20:39
:W63CA
:D5L1.mVY
#32 [そ君]
俺は蛇口に走り、ひねって水を出した。
その水を一滴も残さないように飲み始める。
すると身体の中が熱くなった。
ただれるような痛み、
身体の中がすべて溶けていくような痛み、
俺は反射的に水から口を離した。
俺の口は原型を留める事が出来ず血が溢れ出る
:09/04/15 20:42
:W63CA
:D5L1.mVY
#33 [そ君]
激しく焼け、溶け。
激痛がおれを支配する。
この水は硫酸だった。
俺は硫酸を口から飲んでしまった。
内蔵も骨も身体の中から溶けていく。
激しい痛みが身体を縛る
腹に穴が開き、そこから溶けた内蔵や骨が流れ出てくる。
苦しく痛い。
息も激しい。
:09/04/15 20:47
:W63CA
:D5L1.mVY
#34 [そ君]
―――
俺は、ビルの屋上にいた
そこから見える景色は圧巻だった
地球が丸いのが分かる。
どこかで見た光景だった。
そうだ。
死の繰り返しはここから始まったんだ
:09/04/15 20:49
:W63CA
:D5L1.mVY
#35 [そ君]
俺は、ここから飛び降りる時
死にたいと願った。
その結果
俺は何度も死を味わった。
死に方は色々だったが、
結果はどれも死。
:09/04/15 20:50
:W63CA
:D5L1.mVY
#36 [そ君]
俺が
死にたいと願ったから…
でも俺は、
もう死にたくない。
ここから飛び降りない。
俺は
生きたい。
:09/04/15 20:52
:W63CA
:D5L1.mVY
#37 [そ君]
そう思った俺は、その場に腰を下ろした。
なにも起きない。
死なずに済んだ。
そうだ。
人は命を大切にしなければならない
死にたいだなんて思っては
ダメなんだ。
おれは生きている。
そう思って自分の拳を強く強く握りしめた。
:09/04/15 20:53
:W63CA
:D5L1.mVY
#38 [そ君]
パァー――ン
え……?
俺の頭を弾が抜けていった。
撃たれた…………?
脳が頭からばらまかれる。
激しい痛みが俺の全身を伝っていった。
:09/04/15 20:56
:W63CA
:D5L1.mVY
#39 [そ君]
なぜだ!!!!
俺は死にたくないと願った!
生きたいと願ったのに
なぜ死を繰り返さなければならないッ…!!!
もう止めてくれよ―――――――――――ッ!!
一体あと
どれだけ死ぬんだ…。
:09/04/15 20:58
:W63CA
:D5L1.mVY
#40 [そ君]
―――
「囚人、中江直人
パターンG300終了しました」
モニターを見ていた男が言うと
「よし、引き続きパターンAからZを繰り返させよ」
男の左側にいる白衣姿の男が言った。
:09/04/15 21:03
:W63CA
:D5L1.mVY
#41 [そ君]
20XX年、
世界から死刑という刑罰は完全に消えた。
死刑制度は消え、
新たに“万死制度”が作られた。
:09/04/15 21:04
:W63CA
:D5L1.mVY
#42 [そ君]
本来死刑となりうる刑罰を受けるものが万死を受ける。
万死制度はその名の通り1万回の死を経験する。
だが実際に死ぬわけではなく、約一年で刑罰は終了する。
万死が終われば、
刑務所から出ることができる。ただほとんどは廃人になって出てくる。
:09/04/15 21:06
:W63CA
:D5L1.mVY
#43 [そ君]
彼もまた、万死の刑罰を受けていた。
そして直人を見下ろしながら男がニヤリと笑った。
「君は後、9700回死ぬ」
end
:09/04/15 21:08
:W63CA
:D5L1.mVY
#44 [そ君]
:09/04/15 23:04
:W63CA
:D5L1.mVY
#45 [そ君]
[フランス観光ツアーにご招待!]
友人の小野が俺に差し出した招待状。
『フランスにペアでご招待。7日間の観光ツアー』
と印刷されている。
「雑誌に応募したら当選したんだ。
一緒に行かないか?」
会社が夏の長期休暇に入り、
暇だった俺にとっては最高の気分転換だ。
迷うことなくその話にのった。
:09/04/15 23:13
:W63CA
:D5L1.mVY
#46 [そ君]
ツアー当日――
俺と小野は
他のツアーメンバー8人と、まとまってバスに乗り込み、空港へ。
現地へ向かう飛行機の中、
俺たちはそのツアーに期待を膨らませていた。
楽しい旅行になるはずだ、と……。
:09/04/15 23:17
:W63CA
:D5L1.mVY
#47 [そ君]
フランスに到着後、
ツアーは本格的にスタート。
旅行会社のスタッフの引率で、バスなどを利用し、
フランスの世界遺産や、観光名所を7日間で巡る。
:09/04/15 23:34
:W63CA
:D5L1.mVY
#48 [そ君]
自由時間の間、
小野が持ってきていたカメラで様々な建物や広場
花畑をバックにして、他の観光客に写真を撮ってもらう。
だが、小野の表情が時々強張り
突然後ろを振り返ったり――
妙な行動を見せていた。
「どうしたんだ?」
と訊いても、
「なんでもない」
と返ってくる。
:09/04/15 23:55
:W63CA
:D5L1.mVY
#49 [そ君]
彼の様子が気になったものの、
せっかくの楽しいツアーだからと、その思いをかき消した。
フランスの街、土産物、食事。
7日間ツアーは、想像以上に楽しいものであった。
――しかし、日本にもどって数日後、異変は起こった。
休暇も終わり、仕事をしているときだった。
小野から会社に電話がかかってきたのだ。
:09/04/15 23:58
:W63CA
:D5L1.mVY
#50 [みゅゆ]
超楽しみです!頑張って下さい
:09/04/16 11:49
:SO705i
:w9uWw4u6
#51 [そ君]
がんばりまっす
:09/04/16 18:08
:W63CA
:ZIwy4nY.
#52 [そ君]
「どうした小野?」
呼びかけるが、しばらく返事がなかった。
「……見てる……、女が俺たちを見てるんだ……」
やっと聞こえた小野の小さな声は
震えて、かすれていた。
:09/04/16 18:09
:W63CA
:ZIwy4nY.
#53 [そ君]
「女? 何のこと?」
「見てる……、
ずっと……
気をつけろ……」
:09/04/16 18:10
:W63CA
:ZIwy4nY.
#54 [そ君]
その言葉を最後に小野の電話は切れた。
……女が見ている?
何のことだかさっぱりわからないが、ただ事ではない様子だった。
再度電話をするが、通じない。
――後で小野の家に行ってみよう。
俺は焦る気持ちを落ち着かせながら、仕事に集中した。
:09/04/16 18:11
:W63CA
:ZIwy4nY.
#55 [そ君]
仕事が終わり
すぐに会社を出た俺は、小野の住むアパートへ車を走らせた。
小野は、ボロいアパートに一人で暮らしている。
時間は午後7時を過ぎ、この時間には小野は家にいるはずなのだが……。
:09/04/16 18:12
:W63CA
:ZIwy4nY.
#56 [そ君]
インターホンを押しても誰も出てこない。
おかしいな
ノブを回すと、鍵がかかっていないことに気付いた。
:09/04/16 18:14
:W63CA
:ZIwy4nY.
#57 [そ君]
「小野ー、いるのか? 入るぞ?」
それだけ言い、俺は薄暗い室内に入って、ガチャンとドアを閉めた。
小野がフランスにも履いて行った靴は
そろえて置いてある。
俺も自分の靴を脱いでそろえ、台所から畳の居間に入る。
「小野、どうした――」
:09/04/16 18:15
:W63CA
:ZIwy4nY.
#58 [そ君]
――息が詰まった。
窓から射し込む夕日に照らされ、首を吊った小野のシルエットが浮かんでいた。
「小野! 小野!」
俺はすでに冷たくなっていた友人を降ろし、震える手で救急車を呼んだ。
脈がないことは、調べなくてもわかる。
首の骨が折れて生きていられるわけがない。
:09/04/16 18:19
:W63CA
:ZIwy4nY.
#59 [そ君]
なぜ死ぬんだ!?
くそっ!
『女が見ている。気をつけろ』
あ……………
小野が最後に残した言葉が蘇っった
:09/04/16 18:21
:W63CA
:ZIwy4nY.
#60 [そ君]
ふと、ちゃぶ台を見ると
写真の束が置かれていた。
ツアーで撮った写真だ
現像したと言っていたが、見せてもらっていなかった。
俺は無意識にそれを手に取り一枚一枚、写真を見る。
生きている小野が写った写真を。
:09/04/16 18:26
:W63CA
:ZIwy4nY.
#61 [そ君]
街で写した写真。
古城で写した写真。
ホテル前の写真……。
「……なんだこりゃ……」
俺は固まった。
:09/04/16 18:27
:W63CA
:ZIwy4nY.
#62 [そ君]
そのすべてに――
どの写真にも――
青いワンピースを着た女が写っていた。
黒髪の日本女性。
ツアーメンバーの中にこんな女はいなかった
:09/04/16 18:29
:W63CA
:ZIwy4nY.
#63 [そ君]
その女は明らかに俺たちを見ている。
人ごみの中、
木の陰、
花畑の真ん中。
遠くから、近くから……。
女が見ている……。
:09/04/16 18:30
:W63CA
:ZIwy4nY.
#64 [そ君]
ツアー中
小野の様子がおかしかったのは、このせいか。
写真の横に、新聞記事の切り抜きがあった。
『フランスツアー旅行中に女性が事故死』
死亡した女性の白黒写真
俺たちの写真に写っている女と、同じ顔だ
:09/04/16 18:36
:W63CA
:ZIwy4nY.
#65 [そ君]
そして、俺たちの時と同じ旅行会社の名前が。
「まさか……」
この女は小野を見ていた
――とり憑いていたというのか?
:09/04/16 18:36
:W63CA
:ZIwy4nY.
#66 [そ君]
この女のせいで自殺を……?
いや、でもなんで――
ふと見ると
小野の足元にもう一枚、写真が落ちていた
「……は?」
:09/04/16 18:37
:W63CA
:ZIwy4nY.
#67 [そ君]
帰りの空港で撮った俺と小野の唯一のアップ写真。
その写真にも女が――
俺の肩から蒼白い顔を覗かせ……
白い眼で……
俺を……、見ている。
「…………」
――急に、誰かの視線を感じた気がした。
救急車は、
まだ来ない。
end
:09/04/16 18:40
:W63CA
:ZIwy4nY.
#68 [そ君]
:09/04/16 18:44
:W63CA
:ZIwy4nY.
#69 [そ君]
:09/04/16 20:45
:W63CA
:ZIwy4nY.
#70 [そ君]
「この無能が〜!!」
俺は今日も編集長に怒られた。
怒られた理由は
どこよりも先に張付いて狙っていたマジシャンと女優の熱愛を
他の出版社にスクープされたからだ。
「亀田、お前やっぱりこの仕事向いてないよ」
俺にそう言うのは俺と同期でエースの宇佐田だ。
:09/04/16 20:46
:W63CA
:ZIwy4nY.
#71 [そ君]
「俺、人の裏って好きなんだよ。
だからカメラで
沢山の有名人の裏を撮りたいんだ」
「そんな事言っても誰も信じないぞ
今回だって仕事道具のカメラ忘れて
コンビニに買いに言ってる間に他の記者が写真撮っちまったんだろ」
当っているだけに何も言い返せない。
俺が記者になったのは
人の裏を知る事が大好きだったからだ。
:09/04/16 20:48
:W63CA
:ZIwy4nY.
#72 [そ君]
天職だと思ったのに
実際には出版社のお荷物だ。
「今夜は気失うまで飲んでやる」
俺は退社後ムシャクシャを晴らす為に
コンビニで大量に酒を買った。
腹が立った時には気を失うまで酒を飲むのが一番だ。
:09/04/16 20:49
:W63CA
:ZIwy4nY.
#73 [そ君]
気を失うまで飲んだ次の日は
決まって寝坊するのだが、それを咎める者は誰もいない。
俺はあの出版社のお荷物であり
居ても居なくても
どうでもいい存在なのだ。
:09/04/16 20:50
:W63CA
:ZIwy4nY.
#74 [我輩は匿名である]
あげ↑
:11/10/04 20:08
:W62P
:.ni/x2UA
#75 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age
:22/10/07 16:24
:Android
:GR1soPvw
#76 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 16:35
:Android
:GR1soPvw
#77 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 16:35
:Android
:GR1soPvw
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