虹色のオセロ
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#95 [ゆーちん]
―――


バレーボール大会の放課後のあの時から、栄之助はキスを求めてくるようになった。


軽いキスだけなら許してあげてた。


だけど舌はダメ。


入れて来たら殴ってやった。

⏰:09/04/26 13:29 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#96 [ゆーちん]
「いってぇ!」

「あんたがルール違反するから。」

「何でダメなのぉ?」

「だから言ってんじゃん。舌入れるなんて親子のキスじゃないもん。」

「ケチ!」

「ケチで結構、バカ猿。」

「もぉー!」

⏰:09/04/26 13:29 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#97 [ゆーちん]
叱られて怯んでも栄之助は懲りずに私にキスして来た。


何の感情もこもってないキスを更衣室でする。


それってどうなの、私。


「へぇ〜。そういう事。」

⏰:09/04/26 13:30 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#98 [ゆーちん]
あーあ、やっちゃった。


更衣室の鍵、閉めんの忘れた。


恐る恐る、扉の方を見ると…


「誰にも言わないで。」

「どうしよっかなぁ。クラス会議にでもかけようかな?」

「勘弁して下さい、委員長さん。」


瀬川仁士が立っていた。

⏰:09/04/26 13:35 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#99 [ゆーちん]
「イチャつくなら鍵ぐらい閉めろよな。」


そう言って瀬川仁士は扉を閉め、私に近付いた。


「…お願いだから内緒にしてね。それより何か用?」

「これ、助かった。ありがとね、センセ。」

⏰:09/04/26 13:35 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#100 [ゆーちん]
瀬川仁士は私に封筒を手渡した。


「何…これ。」

「1万円。」

「あぁ。」

「先生にお願いしてよかったよ。」

「…ってか、この1万あげるから栄之助との事内緒にしててくんない?」

⏰:09/04/26 13:36 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#101 [ゆーちん]
当の栄之助は他人事のように私と瀬川仁士の会話を眺めていた。


「付き合ってんの?先生と栄之助って。」

「ううん、付き合ってない。だから余計ヤバいでしょ?恋人でもないのにキスしてたなんて。」

⏰:09/04/26 13:37 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#102 [ゆーちん]
「そうだね。だから尚更おもしろくない?
栄之助とななみんがキスしてただなんて、最近退屈だったこの学校には刺激的な話題。」

「げーっ。お願いだからやめてぇ。面倒な事だけは嫌いだからぁ」

⏰:09/04/26 13:37 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#103 [ゆーちん]
もうゲッソリ。


つーかグッタリ。


私ばっかいじめるんだもん、瀬川仁士め。


栄之助はずーっと知らん顔してるし。


「せっかくこの学校にも慣れて来たのにねぇ。」

「そうなのよ。教師なんて面倒だけどもうフリーター戻りたくないしさ。」

⏰:09/04/26 13:38 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


#104 [ゆーちん]
クラス委員にいじめられ、半ベソ状態の私。


「仁士、もうそれくらいにしてあげてよぉ。ママ半泣きだし。」


栄之助が、そう言うと瀬川仁士は笑った。


「ごめん、ごめん。だってこの人おもしろいから。」

⏰:09/04/26 13:39 📱:SH901iC 🆔:FFIr2eIk


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