虹色のオセロ

「ななみちゃん。」

「はあい？」

「らいむ、ねむい。」

げぇー。

あと少し我慢してよぉ。

「限界？」

「ねむいー。」

やばい、ぐずってきた。

仕方ない…寝かせるか。

仁士が来たら、また起こすか抱っこして連れて帰ってもらえばいいや。

「じゃあ寝よっか。」

「ななみちゃんもぉ。」

「え、私も一緒に寝るの？」

「うん。」

仕方ないなぁ。

まぁ、いっか。

添い寝のフリでいいんだし。

ベッドに行き、蕾夢と布団に入った。

すると蕾夢は、私にぴったりくっついて来る。

「寒い？」

「ううん。」

じゃあ何…甘えてんの？

かーわーいーいー！

布団の中で抱き締めてあげると、蕾夢はすぐに眠った。

あぁ…可愛すぎてでしょ。

つーわけでもう少し抱き締めてます。

時刻は21:08。

と、次の瞬間22:49になっていた。

あれ、うそ…寝ちゃった？

日中太陽浴びたもんなー。

体力低下してたのかな。

全く疑問に思わなかった時間と、腕の中にいる蕾夢。

私はまたそのまま眠ってしまった。

「…い…なみ…おい。」

ん？

「おい、七海。」

あー、えっとー、あぁ…仁士だ。

「遅くなって本当ごめん。なかなか終わらなくてさ。学校追い出されたから、栄之助ん家で作業して、さっき終わったんだ。」

あっそ。

てゆーかうるさい。

眠い。

「…今、何時？」

「機嫌悪っ。ごめんってば。」

「だから…何時？」

「12時半ぐらい。」

「あぁ…そ。」

「ちょいちょい、寝るなって。蕾夢は？」

「あ？蕾夢？…あぁ、ここ。」

「寝てんだ、ありがとね。」

一度寝たら、次起きる時かなり機嫌悪いの私。

だから仁士すっごい、うざい！

「だから！寝るなって。」

「うるさいー。」

「うるさいって言われても。」

「眠い、仁士も寝ろ。電気消して。」

この時、自分が何言ってんのかわかんなかった。

眠気のあまり正気を失ってたみたい。

「何言ってんの？」

「眠いって言ってんの。」

「いいの？」

「寝る！」

「ラッキー。実はぶっちゃけ、俺も眠くて帰るのダルいって思ってたりして。布団は？」

「蕾夢の隣。」

「このベッド？」

「おやすみ。」

そのあとも仁士は何か言ってたみたいだけど、私はもう夢の中に逆戻り。

次に目を覚ました時は4:23だった。

あれ？

なんで子供抱き締めて寝てんだ？

んー…あっ、蕾夢だ。

可愛い寝顔め。

昨日９時に寝て、今が４時半。

７時間以上寝たのか。

ラッキー。

てゆーか、あれ？

背中が暖かい。

あれ？

あれれれ？

私、誰かに後ろから抱き締められてる？

…誰？

体を反転させると…

「…っ！」

やばっ、一気に目ぇ覚めた。

なんで仁士がいんの！

え？

なぜ？

昨日の夜、なんかあった？

えーっと、えーっと…。