虹色のオセロ
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#525 [ゆーちん]
蕾夢が持ち込んで来たアニメDVDを2才児と真剣になりながら見ていると、蕾夢が私の膝に寝転がって来た。
「どした?眠い?」
蕾夢は目をゴシゴシかきながら頷いた。
「寝よっか」
また蕾夢が頷く。
DVDを止め、テレビを消し、寝室に行く準備をする。
ふと振り替えればすぐ後ろにソファーがあって、そこには仁士が弟より先に眠ってる。
:09/05/08 11:10
:SH901iC
:OrUQies.
#526 [ゆーちん]
…ん?
眠ってる?
時計は20:30になろうとしていた。
完全に遅刻じゃんか!
「仁士、起きて!起きろってば」
「…痛い痛い。何」
「8時回ってるよ?バイト遅刻」
「えっ…えぇ?」
意識を戻した仁士は慌て起き上がった。
:09/05/08 11:10
:SH901iC
:OrUQies.
#527 [ゆーちん]
「何で起こしてくんなかったんだよ!」
…何で私が叱られてんのよ。
「はぁ?起きなかったあんたが悪いんでしょ?」
「普通起こすだろ!鈍感!」
「人のせいにするなよ!」
「あぁー、もういいよ。七海と騒いでても意味ないしな!」
:09/05/08 11:11
:SH901iC
:OrUQies.
#528 [ゆーちん]
うっざー。
「ふざけんな、バカたれガキんちょ!」
「ババアに言われたくないね!」
そう、捨て台詞を吐いて仁士は出て行った。
何なの、あれ。
本気でうざい。
何様?
:09/05/08 11:11
:SH901iC
:OrUQies.
#529 [ゆーちん]
「ななみちゃん」
「何?」
「にいに、どうしたの?」
「知らないよ。ほら、蕾夢寝るんでしょ?ベッド行くよ。おいで」
蕾夢の手をひきながらベッドに向かう間も、はらわたが煮えくりかえっていた。
何であんなに偉そうなわけ、あのガキ!
起こしてあげただけでも感謝しろよ、ったく。
:09/05/08 11:12
:SH901iC
:OrUQies.
#530 [ゆーちん]
ベッドに入っても、思い出してはイライラしていた。
「ななみちゃん、てぇにぎって」
蕾夢が小さな手を出したので、何も言わずに握ってあげた。
すると、蕾夢は小さな声で私に言った。
「おこんないで」
心臓が跳ね上がった。
蕾夢に対して怒ってなんかないのに、蕾夢は私の怒りを感じ取っていたんだ。
:09/05/08 11:13
:SH901iC
:OrUQies.
#531 [ゆーちん]
蕾夢に当たるつもりはないのに、ちょっと口調がキツくなったかなって反省。
「ごめんね、蕾夢」
「もうおこんない?」
「怒んない。本当にごめんね」
:09/05/08 11:13
:SH901iC
:OrUQies.
#532 [ゆーちん]
蕾夢が眠り、冷静になってからよく考えてみた。
私、大人げなかったかも。
10も離れたガキの喧嘩を買って、その上2才の子供にも当たっちゃって…。
「ごめんねー」
スヤスヤと眠る蕾夢の柔らかな頬を撫でた。
気持ちが落ち着いたし、罪悪感さえ出てきた。
:09/05/08 11:14
:SH901iC
:OrUQies.
#533 [ゆーちん]
仁士だってまだ17才のガキなわけで、遊びたい盛りなんだ。
でも、裕福ではない家庭だからバイトに明け暮れてて…
勉強だって出来る奴だから、それなりに努力してるんだろうし。
:09/05/08 11:14
:SH901iC
:OrUQies.
#534 [ゆーちん]
バイトに勉強、その上、蕾夢の面倒を見ていると来た。
そりゃ大変極まりないよね。
私の人生に比べれば、仁士のが大変。
:09/05/08 11:15
:SH901iC
:OrUQies.
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