虹色のオセロ
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#60 [ゆーちん]
「わかんない。」
「矛盾してますよ、言ってること。」
「んー、そうだね。」
「先生にお願いがあるんです。」
「お願い?」
瀬川仁士は、頭を下げた。
:09/04/22 16:41
:SH901iC
:8.MBcNuk
#61 [ゆーちん]
「金貸して下さい。」
「…え?」
「1万円。お願いします。来週必ず返すから…お願いします!」
「ちょっと、頭上げて。何なのよ、新手のカツアゲ?」
:09/04/22 16:41
:SH901iC
:8.MBcNuk
#62 [ゆーちん]
頭を上げようと引っ張ったけどピクリともしない。
「ちょっと!ねぇってば。」
「絶対返すから…お願いします。」
「1万ぐらいバイトしろよ。」
「前借り頼んだんですけど断られちゃって。」
:09/04/22 16:41
:SH901iC
:8.MBcNuk
#63 [ゆーちん]
「じゃあ親父かお袋に言え。頼むから頭上げてよ。頭下げられるの嫌いだから。」
「親、いないんです。」
「はぁ?」
瀬川仁士はやっと頭を上げてくれた。
「生徒資料見てもらえばわかります。俺、親いないんで。」
:09/04/22 16:43
:SH901iC
:8.MBcNuk
#64 [ゆーちん]
「何があったか知んないけど1万円ちゃんと返してくれんの?」
「約束します。」
「もし私が断ったら、どうしてたの?」
「強盗、カツアゲ、最悪…俺を買ってもらうとか。」
:09/04/22 16:43
:SH901iC
:8.MBcNuk
#65 [ゆーちん]
買ってもらうって…。
意味わかってんのかよ、ばかたれ。
「はぁ〜。面倒なことだけは起こさないでよ?私、貸すから。」
:09/04/22 16:44
:SH901iC
:8.MBcNuk
#66 [ゆーちん]
ありがとうございます、と言ってまた頭を下げた瀬川仁士。
「財布、職員室だから取って来る。教室で待ってて」
:09/04/22 16:46
:SH901iC
:8.MBcNuk
#67 [ゆーちん]
そのあと、新手のカツアゲなんだか本当に金が必要だったのかわからないけど、私と瀬川仁士以外に誰もいない教室で、自分の生徒に1万円を渡した。
で、バレーボールの準備に行くと、遅いと叱られた。
踏んだり蹴ったりだね。
:09/04/22 16:46
:SH901iC
:8.MBcNuk
#68 [ゆーちん]
翌日のバレーボール大会、本番。
この前の予行練習とまるっきり同じものが始まった。
「それではみなさん、正々堂々戦ってください。」
:09/04/26 12:40
:SH901iC
:FFIr2eIk
#69 [ゆーちん]
体育教官の話、終わり。
みんな各自散らばってボールを地面に落とさないゲームを始める。
「マーマ。」
「…こら、二人きりのとき以外その呼び名禁止だよ。」
「大丈夫大丈夫。誰も聞いてないから。」
:09/04/26 12:41
:SH901iC
:FFIr2eIk
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