虹色のオセロ
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#706 [ゆーちん]
翌朝はひどい頭痛で目が覚めた。
ちょっと寝坊して慌てて用意したせいで、昨日の事を思い出す暇もなかった。
だから学校に着いて仁士を見た時、不意討ちのビンタを食らったような気分になった。
昨日キスしたのは、幻なんかじゃなくって現実だったはず。
あんなに平然でいられると現実だったっていう自信がなくなる。
:09/05/12 08:58
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#707 [ゆーちん]
あぁー、イガイガする!
栄之助、あんた言ったよね?
私と仁士は両想いだ、って。
ちょっくらハッキリさせますか。
いつまでもこのままじゃ嫌。
:09/05/12 08:59
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#708 [ゆーちん]
と、いうわけで4時間目に仁士を更衣室に呼び出した。
「僕、サボるキャラでもないんですけど」
「なーにが、僕よ。僕ってキャラでもないでしょ」
:09/05/12 09:00
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#709 [ゆーちん]
久しぶりの更衣室は寒かった。
屋上に行きたかったけど、今日は天気が悪いからきっとここより寒いだろう。
「どしたのー。オセロでもする?」
まだ何を言われるのかわかってない仁士は、ロッカーに入れているオセロを取り出し、ベンチの上に置いた。
:09/05/12 09:00
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#710 [ゆーちん]
「オセロしながら話す?」
オセロ盤を挟み、私も仁士もベンチに座る。
「何の話だよ」
「…どの話かわかってるくせに。弟が寝てるからって抱っこしながらアレは無いっしょ」
:09/05/12 09:01
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#711 [ゆーちん]
すると仁士は笑った。
やっと気付いたみたい。
「で!元若者はたくさん悩んで、たくさん考えたけど、やっぱりよくわかんない。現若者よ、答えを教えろ!」
「じゃあオセロに勝ったら教えてやるよ。はい、スタート」
:09/05/12 09:02
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#712 [ゆーちん]
と、いうわけでいきなり始まったオセロ勝負。
勝てる!と確信してからの仁士の逆転劇はすごかった。
「はい、七海の負けー」
その笑顔、ムカつく。
「悔しいからもう一回」
「何回やっても結果は一緒」
「…結果とかどうでもいい。勝たなきゃ教えてくんないんでしょ?私、知りたいもん」
:09/05/12 09:03
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#713 [ゆーちん]
仁士といる時に感じる、この息苦しい雰囲気は何なんだろう。
じれったくてイライラする。
「今どき、処女でもそんな発言しないぞ」
「だって私、あんたの先生なんだよ?からかってるなら辞めてくんないと、お互い大変なだけじゃん」
:09/05/12 09:03
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#714 [ゆーちん]
「…栄之助にはキスさせんのに、俺はダメって事?」
あ、不機嫌になった。
「栄之助で学んだんじゃん。いくら教師って仕事が面倒でも、不真面目にキスしてると痛い目に遭うだけだって」
「痛い目って?」
:09/05/12 09:04
:SH901iC
:yWNcT3eQ
#715 [ゆーちん]
「結局はお互い辛かっただけ」
「…辛かったんだ?」
「ママしてる間は辛いだとか思わなかったんだけど、いざ私から去ってく時はやっぱ辛かったよ」
「それは栄之助を好きだったから?」
「違う。そうじゃない」
:09/05/12 09:04
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