虹色のオセロ
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#301 [あかさたな]
すいません。
安価あったの気づきませんでした。
:09/05/03 09:15 :F01A :xkygTtoU
#302 [ゆーちん]
:09/05/03 11:42 :SH901iC :Inb4E6U6
#303 [ゆーちん]
あちぃー。
何でまたド快晴なわけ。
明日から10月だっつうのに、何なのこの暑さ。
体育祭日和ですねー。
はぁ…。
生徒の体育祭であって、私たち教師は超暇。
テントの下で適当に応援。
まぁ授業より楽だからいっか。
:09/05/03 11:43 :SH901iC :Inb4E6U6
#304 [ゆーちん]
「ななみん先生、2C勝ってますよ。」
へぇー。
だからって賞金出る訳じゃないんだから、そう熱くなるなよ保泉さん。
:09/05/03 11:43 :SH901iC :Inb4E6U6
#305 [ゆーちん]
「このまま頑張ってもらわないとですねっ。」
「ななみん先生も応援してくださいね?」
「はい。ちょっと立ちくらみしちゃったんで、ここで休んでから行きます。」
「立ちくらみ?大丈夫ですか?無理しないで下さい。ななみん先生の分まで僕が応援頑張りますから!」
:09/05/03 11:44 :SH901iC :Inb4E6U6
#306 [ゆーちん]
38のおっさんがよくもまぁ頑張りますこと。
「すみません。後で行きます。」
立ちくらみなんて嘘だぴょーん。
太陽の下だと暑いし日焼けしちゃう。
ななみん先生はテントの下から出る気は無いでーす。
:09/05/03 11:46 :SH901iC :Inb4E6U6
#307 [ゆーちん]
玉入れ、綱引き、リレー…なんか懐かしいな。
高校時代の体育祭は全部サボってたから、中学生の時以来。
もうちょい高校時代にこういう青春すればよかった。
まぁ悪さも青春の1ページだし、後悔はないんだけどね。
:09/05/03 12:09 :SH901iC :Inb4E6U6
#308 [ゆーちん]
体育祭は無事終了。
2Cは優勝しませんでした。
まぁ、こんなもんでしょ。
体育祭終了後、すぐに翌日の文化祭の準備が始まった。
教室はお化け屋敷仕様。
こいつら…本気だ。
「ペチャパイせんせー」
んな言葉、耳元で囁くのはあいつしかいない。
「なあに?変態クラス委員長さん」
:09/05/03 12:10 :SH901iC :Inb4E6U6
#309 [ゆーちん]
「お願いがあるんですけど。」
「豊胸手術しろってか?」
「それもあるけどぉ…」
「殺す!」
「違う違う、ごめんなさい。」
「…で、何?」
:09/05/03 12:11 :SH901iC :Inb4E6U6
#310 [ゆーちん]
「今日、蕾夢見てて欲しいんです」
「蕾夢?何で。」
「今日バイトないから、ウチに来るって張り切ってたんっすけど、僕これから居残りで準備しないと」
「僕だぁ?準備ぐらいサボれ、僕!」
「委員長っすよ、僕。サボれませんよ」
:09/05/03 12:12 :SH901iC :Inb4E6U6
#311 [ゆーちん]
一応教室だからって、優等生キャラになってる。
小声だから誰も聞いてないと思うけど、ちゃんと敬語なんだよね。
でも私は、なぜか仁士や栄之助と話すと化けの皮が剥がれてしまう。
「準備終わったらすぐに迎え行きますから。」
:09/05/03 12:13 :SH901iC :Inb4E6U6
#312 [ゆーちん]
「…本当に?絶対迎え来てよ?」
「はい!」
「仕方なくだからね?」
「わかってます。感謝してます。ありがとう先生」
:09/05/03 12:14 :SH901iC :Inb4E6U6
#313 [ゆーちん]
本当に仕方なくだから。
同情してるからってのも理由だけど、蕾夢嫌いじゃないしね。
仁士を助けて、私になにか得があるってわけじゃないけど…悔しながら瀬川兄弟は放っておけなかったりする。
:09/05/03 12:16 :SH901iC :Inb4E6U6
#314 [ゆーちん]
「じゃあ先生が帰る時に一旦僕も準備から抜けます。で、先生んちに行きますから、帰る時に一言かけて下さいね。」
「はいはい、わかったよ。」
「ありがとうございます。」
渋々だよ、渋々。
:09/05/03 12:16 :SH901iC :Inb4E6U6
#315 [ゆーちん]
「仁士、ママと話し終わった?」
栄之助だ。
「おう。」
「んじゃ借りるね。ママちょっと来て。」
栄之助に強引と連れて行かれた、お化け屋敷の内部。
:09/05/03 12:17 :SH901iC :Inb4E6U6
#316 [ゆーちん]
「何?」
「今からリハーサル。」
「それが何?」
すると、教室内が真っ暗になった。
カーテンの隙間からも太陽が入ってこないように、黒のシートで埋め尽くされている窓。
だから本当に真っ暗。
:09/05/03 12:18 :SH901iC :Inb4E6U6
#317 [ゆーちん]
栄之助のやりたい事、わかった。
「ママ…」
キスだ。
こんな真っ暗なのに、私の唇を見事当てて、強く押しつける栄之助。
「…っ、教室だよ?いつ明るくなるかわかんないのに、ダメ。」
:09/05/03 12:19 :SH901iC :Inb4E6U6
#318 [ゆーちん]
小声すぎて栄之助が聞き取れたかわかんない。
「大丈夫だよ。」
聞こえた?
何が大丈夫なの。
幸い、周りに誰もいなかったけどリハーサルでしょ?
誰かが歩いて来たらどうすんのー!
:09/05/03 12:20 :SH901iC :Inb4E6U6
#319 [ゆーちん]
私の不安を余所に、栄之助のキスは止まらなかった。
舌だって暴走しすぎ。
やめて欲しい。
体が疼いてしまうから。
「きゃー!」
近くで聞こえた悲鳴に思わずキスを止めた。
見られたかと思った。
「リハーサルだってば。女子が試しに歩いてんの。」
「だったらここにも来るんじゃないの?見つかるよ。」
:09/05/03 12:21 :SH901iC :Inb4E6U6
#320 [ゆーちん]
「来たらやめる。だからそれまで…」
こんなスリルは望んでないよぉー。
いつ来るかわかんないのに、気が気じゃない。
だったら本気で拒めばいいのに、ちゃっかりとキスを楽しんでるっていうのは…私はきっと栄之助のキスがすきだから。
LOVEじゃなく、LIKEとして。
:09/05/03 12:22 :SH901iC :Inb4E6U6
#321 [ゆーちん]
そんな暗闇も光が点けられ、私たちは何事もなかったかのようにその後を過ごした。
下校時間になっても2Cの奴らは帰らず、一生懸命ラストスパートかけてた。
「ななみん先生、体調不良でしたら今日はもう帰って下さい。あとは僕がいるんで。」
:09/05/03 13:05 :SH901iC :Inb4E6U6
#322 [ゆーちん]
よっしゃーっ!
ほずみん、たまにはいい事言う〜。
つーか私、体調不良なんて言ったけ?
まあ何にせよ、帰らせてもらいまーす。
お言葉に甘えます、と保泉にニッコリ微笑んで、2Cの奴らにも頑張ってねと笑っとく。
「ななみん、また明日!」
「ななみんバイバーイ。」
:09/05/03 13:05 :SH901iC :Inb4E6U6
#323 [ゆーちん]
クラスが私にさよならの言葉をかけていると、委員長がみんなに言った。
「みんなごめん。俺も帰るわ。でもすぐにまた戻って来る!ちょっと外せない用があってさ。悪いな。」
仁士はよほど信頼されてるのか好かれているのか、みんなから笑顔でお許しをもらっていた。
:09/05/03 13:07 :SH901iC :Inb4E6U6
#324 [ゆーちん]
副担任とクラス委員が一緒に教室を出る。
全く違和感のない風景に、誰も疑問を抱かない。
たった一人、栄之助以外は。
:09/05/03 13:07 :SH901iC :Inb4E6U6
#325 [ゆーちん]
「そんじゃあとで。」
「あいよ。」
仁士は走りながら先に行ってしまった。
私は走る必要もないので、ゆっくり歩きながら仁士の背中を見送る。
校門を出ようとしたとき、やっぱり追いかけて来た猿に呼び止められた。
:09/05/03 13:10 :SH901iC :Inb4E6U6
#326 [ゆーちん]
「ママ。」
「ん?」
「仁士とどっか行くの?」
「ううん。仁士もう帰ったよ。」
「あれ?何だ…勘違い。」
後でまた会うけどね。
:09/05/03 13:11 :SH901iC :Inb4E6U6
#327 [ゆーちん]
「どしたの。」
「一緒に帰るから、ヤキモチ妬いてぶっ飛んできちゃった。」
「マザコンね。じゃあまた明日。準備頑張って。」
「うん、バイバイ。」
「バイバイ。」
:09/05/03 13:11 :SH901iC :Inb4E6U6
#328 [ゆーちん]
すんなり教室に帰ってく栄之助。
キスしないんだぁって残念に思っちゃった私は重症?
…重症だよねぇ。
はぁ…どうしちゃったんだ自分。
:09/05/03 13:18 :SH901iC :Inb4E6U6
#329 [ゆーちん]
「こんにちは!」
「こんにちは。蕾夢、久しぶり。お姉ちゃんの事覚えてる?」
「うーん、わちゅれた。」
わちゅれた、とか…可愛すぎだから許す。
「ななみちゃんだよ。」
仁士に教えてもらった蕾夢は『ななみちゃん!』と笑ってくれた。
「思い出してくれた?」
:09/05/03 13:19 :SH901iC :Inb4E6U6
#330 [ゆーちん]
「にいにのおともらち。」
「うん、そう!覚えててくれたんだぁ。蕾夢大好き〜。」
って、抱きつこうと思ったけどチビはすばしっこい。
「わんちゃあん!」
私スルーして、レオのとこ行っちゃったし。
:09/05/03 13:21 :SH901iC :Inb4E6U6
#331 [ゆーちん]
「むっなしい、広げた手。仁士入る?」
両手広げて蕾夢抱き締める準備満タンな姿がだっさい私。
「絶対いや。」
「あっそ。」
自分から手を降ろすと、これまた尚更情けない。
:09/05/03 13:22 :SH901iC :Inb4E6U6
#332 [ゆーちん]
「頼んだよ。」
「はいはい。終わったらすぐ来てよ?」
「うん。蕾夢なんだかんだで七海の事覚えてたから。ななみちゃん家行くっつったら喜んでたし。」
「本当に?」
「照れてるだけかもな。そんじゃよろしくね。蕾夢!にいに行くから、ななみちゃんとお利口にな!」
:09/05/03 13:24 :SH901iC :Inb4E6U6
#333 [ゆーちん]
「あーい!ばいばぁい。」
「バイバイ。そんじゃ七海、お願いね。」
「バイバーイ。」
仁士を送り出し、蕾夢の隣に座り込み、色んな話しをしながらレオとも遊んだ。
:09/05/03 13:25 :SH901iC :Inb4E6U6
#334 [ゆーちん]
「蕾夢、いっつも夕ご飯何時に食べてるの?」
「おなかちゅいた。」
質問スルーされちゃったけど、おなかちゅいたなら仕方ないよね〜。
母性本能くすぐられすぎでしょ、私。
時計を見ると18:00
うちの高校で居残れるギリギリの時間は21:00。
あと3時間か。
:09/05/03 13:27 :SH901iC :Inb4E6U6
#335 [ゆーちん]
ご飯食べて、おもちゃで遊んで、テレビでも見てりゃ仁士帰って来るでしょ。
「何食べたい?」
「おかち」
「おかち…あ、お菓子?お菓子はだめだよ。夕ご飯なんだから。」
「えー」
膨れっ面が可愛くて可愛くて、お菓子あげようかなって思っちゃったじゃねぇか〜。
:09/05/03 13:28 :SH901iC :Inb4E6U6
#336 [ゆーちん]
結局、冷蔵庫を見てヤキソバをする事にした。
一応子供だし薄味の方がいいよね?
野菜も食べやすく切って、麺も短めに切ってみた。
私が調理してる間、蕾夢はレオとじゃれあってた。
:09/05/03 13:29 :SH901iC :Inb4E6U6
#337 [ゆーちん]
「蕾夢〜、できたよ。レオもご飯だよ。お座りして。」
「れお、おちゅわりできるの?」
「出来るよ。お手もするんだから。蕾夢、手ぇ出してごらん。」
蕾夢の小さな手がレオの前に差し出された。
「レオ、お手。」
:09/05/03 13:30 :SH901iC :Inb4E6U6
#338 [ゆーちん]
レオは蕾夢の手のひらに、ポンッと自分の手を乗せた。
「きゃあ〜!」
蕾夢の反応ったら、めちゃくちゃ可愛い。
「レオ、おかわり。」
反対の手を蕾夢の手に乗せるレオは得意気な顔をしていた。
:09/05/03 13:32 :SH901iC :Inb4E6U6
#339 [ゆーちん]
「どっちのおてても、できんだね。」
「そうだよ。上手にお手できたから、レオの事褒めてあげて。」
「れお〜、じょおずぅ。」
子犬と子供が抱き合ってる…。
やばい。
激萌えなんですけど!
蕾夢もレオも可愛すぎて、写真に納めたいくらいだよぉ。
:09/05/03 13:32 :SH901iC :Inb4E6U6
#340 [ゆーちん]
最初、蕾夢が風邪ひいて預けられた時すっごく嫌だったのに今はどうってことない。
嫌いじゃないけど、好きでもない子供。
そんな子供に癒されてるなんて、私最近自分がよくわかんないや。
:09/05/03 13:34 :SH901iC :Inb4E6U6
#341 [ゆーちん]
「レオよくできました。はい、ご飯だよ。」
ドッグフードを差し出すと、蕾夢から離れ、ご飯に飛び付くレオ。
「蕾夢、私たちも食べよっか。ここ座って。」
「うん。」
:09/05/03 13:34 :SH901iC :Inb4E6U6
#342 [ゆーちん]
蕾夢は私の隣に座り、薄味のヤキソバを美味しい美味しいと言って食べてくれた。
薄味にしてよかった〜。
「蕾夢、上手にスプーン使うね。」
「じょおず?」
「うん、蕾夢上手!すごーい。」
プッ…照れちゃってさ。
可愛い。
:09/05/03 13:35 :SH901iC :Inb4E6U6
#343 [ゆーちん]
でも本当に上手なんだよね。
もしかして2才の子はみんな上手にスプーン持てるのかな?
蕾夢が特別上手ってわけじゃないのかな?
よくわかんないけど、褒めてあげると嬉しそうだし、まぁいっか。
:09/05/03 13:36 :SH901iC :Inb4E6U6
#344 [ゆーちん]
「ごちしょうしゃまでちた。」
「はーい。いっぱい食べて偉かったね。」
あんまり過剰に褒めたり、特別扱いするのは、嫌いだから私はしない。
だけどその私でさえ驚くくらい、蕾夢はお利口さんなんだよね。
とても複雑な家庭環境だとは思えない。
むしろ裕福すぎる家庭育ち、みたいにさえ思える。
:09/05/03 13:37 :SH901iC :Inb4E6U6
#345 [ゆーちん]
時計は19:00だった。
…え?
19:00?
ヤキソバ食うのに1時間もかかったの?
まぁ確かに時間かかるなぁとは思ってたけど1時間もかかてたなんて。
:09/05/03 13:38 :SH901iC :Inb4E6U6
#346 [ゆーちん]
あと2時間、とりあえずテレビでも見るか。
「…。」
「…。」
うっわー、つまんねぇー。
アニメもお笑い番組もやってないの?
どうしよう。
つまんないよね、こんなニュース番組。
私だって、つまんないもん。
:09/05/03 13:39 :SH901iC :Inb4E6U6
#347 [ゆーちん]
「蕾夢、お絵かきする?」
「するーっ!」
よかった。
これで、しないって言われたらどうしようかと思った。
紙とペンを渡すと、迷わず大胆にグルグルと円を書き始めた蕾夢。
:09/05/03 13:39 :SH901iC :Inb4E6U6
#348 [ゆーちん]
楽しそうにお絵かきしてるから、その間に家事を済ませた。
しばらくして、私がトイレにいた時だった。
「ままぁ。まま?」
パタパタと足音が聞こえ、蕾夢の声が震えていた。
:09/05/03 13:40 :SH901iC :Inb4E6U6
#349 [ゆーちん]
何かあったかと思い、慌ててトイレから出ると、やっぱり蕾夢は泣いていた。
「蕾夢どした?おしっこ?」
私の姿を見つけた蕾夢は私に飛び付いてきた。
「ななみちゃぁーん。」
:09/05/03 13:41 :SH901iC :Inb4E6U6
#350 [ゆーちん]
私の足にすがりつき、わんわん泣いていた。
だから、抱き上げて、ギュッてしてあげた。
きっと、私がトイレに行って、人の気配がなくなって寂しくなったんだと思う。
「お姉ちゃん、ここにいるよ〜。」
:09/05/03 13:44 :SH901iC :Inb4E6U6
#351 [ゆーちん]
蕾夢、泣きすぎ。
肩のところがあんたの涙で冷たいよ。
「ごめんね、いきなりいなくなって。怖かった?」
蕾夢は頷いた。
「そっか。ごめんね?」
また頷いた。
:09/05/03 13:45 :SH901iC :Inb4E6U6
#352 [ゆーちん]
しばらくすると泣き止んでくれて、一緒にお菓子を食べる事に。
お腹いっぱいだからごちそうさましたのに、お菓子は全然食べられちゃうんだよね。
子供と女の別腹って不思議。
:09/05/03 13:46 :SH901iC :Inb4E6U6
#353 [ゆーちん]
ビスケットにプリントされた動物で遊びながら食べていると、蕾夢の機嫌は元通り。
「これは?」
「キリンさん。言ってみ?」
「きりんしゃん。」
「そう。こっちはお猿さん。」
「おしゃるしゃん。」
:09/05/03 13:46 :SH901iC :Inb4E6U6
#354 [ゆーちん]
おしゃるしゃん、って。
さ行が弱いんだね、子供は。
「…栄之助みたい。」
「え?」
「ううん。何でもない。はい、あーん。」
ビスケットにプリントされていた猿が栄之助に似てた。
なぜか笑えて、なぜかシュンとした。
だからその猿を蕾夢の口に運んであげた。
:09/05/03 13:47 :SH901iC :Inb4E6U6
#355 [ゆーちん]
「美味しい?」
「おいち。」
おいち、ってさ。
よかったね〜栄之助。
「ななみちゃんもあーん。」
やばっ!
可愛い、可愛すぎる!
:09/05/03 13:48 :SH901iC :Inb4E6U6
#356 [ゆーちん]
今までの元カレがしてきた【あーん】の中で一番胸キュンなんですけと!
「あー…ん!蕾夢がくれたビスケット、美味しい〜」
そう言うと、蕾夢は本当に可愛い笑顔で笑ってくれた。
癒されるわぁ〜。
:09/05/03 13:49 :SH901iC :Inb4E6U6
#357 [ゆーちん]
お菓子タイムが終了して、歯磨きタイム。
蕾夢が持って来たカバンにちっちゃな歯ブラシが入ってた。
「自分で歯磨きできんの?」
蕾夢は首を横に振った。
ってことはー、私の役目?
:09/05/03 13:50 :SH901iC :Inb4E6U6
#358 [ゆーちん]
子供の歯を磨くなんて初めてだから超緊張!
初Hの時より緊張してるし。
あーって開けてる口に、そっと歯ブラシを入れ、優しく磨いた。
怖い…喉突きませんように。
「はい、終わり〜。」
最後の方はもうなげやり状態だったけど一応磨けたかな。
時計は20:45。
あと少しだ〜!
あと少しでにいにが帰って来ますよ〜!
:09/05/03 13:52 :SH901iC :Inb4E6U6
#359 [ゆーちん]
「ななみちゃん。」
「はあい?」
「らいむ、ねむい。」
げぇー。
あと少し我慢してよぉ。
「限界?」
「ねむいー。」
やばい、ぐずってきた。
仕方ない…寝かせるか。
仁士が来たら、また起こすか抱っこして連れて帰ってもらえばいいや。
:09/05/03 13:53 :SH901iC :Inb4E6U6
#360 [ゆーちん]
「じゃあ寝よっか。」
「ななみちゃんもぉ。」
「え、私も一緒に寝るの?」
「うん。」
仕方ないなぁ。
まぁ、いっか。
添い寝のフリでいいんだし。
:09/05/03 13:54 :SH901iC :Inb4E6U6
#361 [ゆーちん]
ベッドに行き、蕾夢と布団に入った。
すると蕾夢は、私にぴったりくっついて来る。
「寒い?」
「ううん。」
じゃあ何…甘えてんの?
かーわーいーいー!
布団の中で抱き締めてあげると、蕾夢はすぐに眠った。
あぁ…可愛すぎてでしょ。
つーわけでもう少し抱き締めてます。
:09/05/03 13:57 :SH901iC :Inb4E6U6
#362 [ゆーちん]
時刻は21:08。
と、次の瞬間22:49になっていた。
あれ、うそ…寝ちゃった?
日中太陽浴びたもんなー。
体力低下してたのかな。
全く疑問に思わなかった時間と、腕の中にいる蕾夢。
私はまたそのまま眠ってしまった。
「…い…なみ…おい。」
ん?
「おい、七海。」
:09/05/03 13:58 :SH901iC :Inb4E6U6
#363 [ゆーちん]
あー、えっとー、あぁ…仁士だ。
「遅くなって本当ごめん。なかなか終わらなくてさ。学校追い出されたから、栄之助ん家で作業して、さっき終わったんだ。」
あっそ。
てゆーかうるさい。
眠い。
:09/05/03 13:59 :SH901iC :Inb4E6U6
#364 [ゆーちん]
「…今、何時?」
「機嫌悪っ。ごめんってば。」
「だから…何時?」
「12時半ぐらい。」
「あぁ…そ。」
「ちょいちょい、寝るなって。蕾夢は?」
「あ?蕾夢?…あぁ、ここ。」
「寝てんだ、ありがとね。」
一度寝たら、次起きる時かなり機嫌悪いの私。
だから仁士すっごい、うざい!
:09/05/03 14:00 :SH901iC :Inb4E6U6
#365 [ゆーちん]
「だから!寝るなって。」
「うるさいー。」
「うるさいって言われても。」
「眠い、仁士も寝ろ。電気消して。」
この時、自分が何言ってんのかわかんなかった。
眠気のあまり正気を失ってたみたい。
:09/05/03 14:01 :SH901iC :Inb4E6U6
#366 [ゆーちん]
「何言ってんの?」
「眠いって言ってんの。」
「いいの?」
「寝る!」
「ラッキー。実はぶっちゃけ、俺も眠くて帰るのダルいって思ってたりして。布団は?」
「蕾夢の隣。」
「このベッド?」
「おやすみ。」
:09/05/03 14:02 :SH901iC :Inb4E6U6
#367 [ゆーちん]
そのあとも仁士は何か言ってたみたいだけど、私はもう夢の中に逆戻り。
次に目を覚ました時は4:23だった。
あれ?
なんで子供抱き締めて寝てんだ?
んー…あっ、蕾夢だ。
可愛い寝顔め。
昨日9時に寝て、今が4時半。
7時間以上寝たのか。
ラッキー。
:09/05/03 14:05 :SH901iC :Inb4E6U6
#368 [ゆーちん]
てゆーか、あれ?
背中が暖かい。
あれ?
あれれれ?
私、誰かに後ろから抱き締められてる?
…誰?
体を反転させると…
「…っ!」
やばっ、一気に目ぇ覚めた。
なんで仁士がいんの!
え?
なぜ?
昨日の夜、なんかあった?
えーっと、えーっと…。
:09/05/03 14:05 :SH901iC :Inb4E6U6
#369 [ゆーちん]
あ、違うじゃん。
蕾夢を預かって、仁士の帰りが遅くて眠っちゃって…で、何で仁士がここで寝てんの?
えーっと…あ、そうだ。
私がいいって言ったんだ。
…たぶん。
でもその時確か…仁士、蕾夢、私の順番で寝てたよね?
なんで私の隣に仁士がいんの?
しかも、なんで抱き締められてんの!
:09/05/03 14:07 :SH901iC :Inb4E6U6
#370 [ゆーちん]
えーっとーっ…ダメだ。
これはいくら考えてもわかんないよ。
とにかく言える事は…仁士と蕾夢の寝顔がそっくりって事。
「仁士、ねぇ。」
「…。」
起きない。
でも起こさないと、学校だし。
てゆーか文化祭だし!
:09/05/03 14:07 :SH901iC :Inb4E6U6
#371 [ゆーちん]
「仁士、起きてってば!」
激しく揺さ振ると、ようやく起きた。
けど、起こさなきゃよかったと思った。
顔…近すぎ。
「あれ…七海?」
「おはよう、ダーリン。素敵な目覚めだわ。」
「そうだろハニー。でも俺は何で君を抱き締めてるんだい?」
「…知らねぇよ。」
:09/05/03 14:09 :SH901iC :Inb4E6U6
#372 [ゆーちん]
仁士の腕が外れ、私は起き上がった。
「仁士の隣、蕾夢だったのに。何で私と蕾夢が入れ替わってんの?」
「んー…蕾夢寝相悪いしな。」
「蕾夢が私を越えたって事?」
まぁ、ありえなくもないけど…子供なら簡単にコロッと入れ替わっちゃえそうだから。
:09/05/03 14:10 :SH901iC :Inb4E6U6
#373 [ゆーちん]
「入れ替わってるの知らないから、俺はてっきり蕾夢抱き締めて寝てるんだと思ってた。」
「でも目を覚ませば、素敵なお姫様を抱き締めていてドキドキしちゃいましたとさ?」
「んなわけねぇだろ。てゆーか、ねみぃ〜。」
「私は9時に寝たから全快。」
:09/05/03 14:11 :SH901iC :Inb4E6U6
#374 [ゆーちん]
「七海のことはどうでもいいよ。もうちょい寝かせて〜。」
「何時に寝たの?」
「ここついたの12時半ごろ」
「4時間しか寝てないね」
「…ん。」
「じゃあもう少しだけね。でないと遅刻しちゃマズいでしょ?クラス委員さん。」
「そりゃどうも、先生。」
:09/05/03 14:12 :SH901iC :Inb4E6U6
#375 [ゆーちん]
私がベッドから抜け、兄弟二人となった布団の中。
仁士はさっき私にしていたみたいに、蕾夢を抱き締めていた。
太陽も昇ってないこんな時間に起きるのは久しぶりで、なんだか気分がよかった。
ゆっくりお風呂に入り、出て来た頃には5:30になろうとしていた。
:09/05/03 14:13 :SH901iC :Inb4E6U6
#376 [ゆーちん]
そういえば蕾夢も仁士も私も、お風呂に入らず寝ちゃったんだよね。
きったな〜い。
週末にでもシーツ替えて布団干そっと。
:09/05/03 14:13 :SH901iC :Inb4E6U6
#377 [ゆーちん]
なんて事を考えながら、いつものように準備をしていく。
着替えて、髪を整えたぐらいで6:00を回った。
さすがにそろそろ起こさないと仁士も帰ってお風呂入らないといけないだろうしね。
:09/05/03 14:15 :SH901iC :Inb4E6U6
#378 [ゆーちん]
「仁士、起きな。」
「…何時?」
「6時。」
「あぁ、うん。起きるわ。帰って風呂入らないと。」
ほらやっぱり。
私って気の利く女だな。
:09/05/03 14:16 :SH901iC :Inb4E6U6
#379 [ゆーちん]
「顔ぐらい洗って行きなよ。タオルは戸棚にあるし、使い捨て歯ブラシもラックに入ってる。」
「いいの?」
「別に嫌ならいいけど」
「いや、助かる。お言葉に甘えます」
仁士はパッと体を起こし、ベットから出た。
:09/05/03 14:16 :SH901iC :Inb4E6U6
#380 [ゆーちん]
ぐっと伸びをし、フーッと息を吐く仁士。
ふと目が合う。
「七海ってさぁ。」
「何よ。」
「すっぴんのが可愛いじゃん?」
「それはいつもの化粧が下手くそって言いたい訳?」
「そうじゃないよ。」
:09/05/03 14:17 :SH901iC :Inb4E6U6
#381 [ゆーちん]
「じゃあどういう意味?」
「ただ褒めてるだけじゃんか。」
「あーら、私に惚れた?」
「七海なんかに惚れても、なんのメリットもねぇよ。」
そう言いながら制服姿の仁士は洗面所に歩いてった。
:09/05/03 14:18 :SH901iC :Inb4E6U6
#382 [ゆーちん]
…何よ。
何なのよ!
失礼しちゃうわね。
メリットだ?
メリットならあるもん。
弟の面倒を見てあげるし、遅刻しちゃいけないから起こしてあげられるもん。
本っ当、失礼な男だ、瀬川仁士。
:09/05/03 14:19 :SH901iC :Inb4E6U6
#383 [ゆーちん]
―――
「ななみん、おはよ〜。」
「ななみ〜ん!今日うちらの模擬店来てね?」
「ななみん!明日の舞台発表期待してちょ。」
いやー、若い子は朝から元気だ。
私はニコニコと笑って答えるだけで精一杯です。
:09/05/04 11:40 :SH901iC :RBZ4yaF.
#384 [ゆーちん]
「やあハニー。さっきは有意義な時間をありがとう」
いきなり耳元でこんな事を囁く奴なんて1人しかいない。
顔洗って、まだ眠そうな弟を抱っこしながら、先ほど私の家から帰って行かれたお方。
「あら、ダーリン。今日もカッコイイわね。寝顔はとてもキュートだったけど」
:09/05/04 11:40 :SH901iC :RBZ4yaF.
#385 [ゆーちん]
仁士とこんな風にバカやってると、猿が来た。
今日は一段とテンション高いなぁ。
そりゃそっか…文化祭だしね。
オバケがテンション低くて務まるかっての。
「昨日居残りまでして何の準備だったの?」
「小物とか。」
「で、完成したわけ?」
「もちろん!」
ふーん。
ならよかった。
私も子守りした甲斐あるよ。
:09/05/04 11:41 :SH901iC :RBZ4yaF.
#386 [ゆーちん]
校内放送で文化祭開始のアナウンスが流れ、一般入場も解除された。
どんどん、どんどん、賑やかになって来る。
呼び子が正門近くで頑張っているおかげで、お化け屋敷にも徐々に客が増えて来た。
受付の手伝いやオバケの手伝いでもしようと思ったのに、ななみんは担当ないから暇なら呼び子してって言われちゃいました。
:09/05/04 11:42 :SH901iC :RBZ4yaF.
#387 [ゆーちん]
…やだよ。
呼び子なんて御免だね。
笑いながら了解したけど、今日もドロンしちゃいまーす。
:09/05/04 11:42 :SH901iC :RBZ4yaF.
#388 [ゆーちん]
ガヤガヤと賑やかだった廊下から、更衣室に入った途端、別世界に来た気分だった。
静かで涼しい更衣室。
久しぶりに一人っきりでのおサボりに、なんだかちょっとドキドキした。
:09/05/04 11:44 :SH901iC :RBZ4yaF.
#389 [ゆーちん]
とりあえず化粧直し。
すっぴんのが可愛いって褒められたとこだけど、私はいつも通り化粧するよ?
なんなら少し濃いくらい。
ちょっとした反抗ってやつかな。
ダメって言われると、やりたくなっちゃうのは、人間の不思議な癖だよね。
:09/05/04 11:44 :SH901iC :RBZ4yaF.
#390 [ゆーちん]
その後は、クラスの子が貸してくれた漫画を読んだ。
全部で20巻以上はある。
こういう時にしか、なかなか読む機会がないから一気に読んじゃお。
ベンチに寝転がり、ひたすら漫画の世界に浸った。
何度か校内放送が聞こえたけど、どれも私なは関係のないものだから再び漫画の世界に戻る。
:09/05/04 11:47 :SH901iC :RBZ4yaF.
#391 [ゆーちん]
時間を忘れるくらい、意外に面白い漫画だった。
気付けば、お昼を回っていた。
14:48か…もうすぐおやつの時間じゃん。
通りでお腹が空くはずだ。
でも、最終巻だし気になるしで私は動かずに話のラストスパートに食い付いていた…ら。
:09/05/04 11:48 :SH901iC :RBZ4yaF.
#392 [ゆーちん]
「やっぱりここだ。」
邪魔者侵入〜。
「何か用?」
「みんな、ななみんを探してますよ。写真撮りたいだのウチの模擬店来て欲しいだの…」
「うん。あとで。」
「なんで俺がななみんどこ?って聞かれなきゃいけないんですかねー。」
:09/05/04 11:48 :SH901iC :RBZ4yaF.
#393 [ゆーちん]
「クラス委員だからじゃない?」
「委員長が副担の居場所を常に知ってると思ったら大間違いだぞ…」
「でも知ってたんじゃん。よくわかったね。テレパシーかな?心と心が繋がってるのね、ダーリン。」
:09/05/04 11:49 :SH901iC :RBZ4yaF.
#394 [ゆーちん]
「いや、ふざけてないで…早く来て下さい。」
「釣れないなぁ。今はダメ。漫画読んでるから。」
「まさか朝からずっと読んでるとか?」
「おかげでハマっちゃってさぁ。お腹空いたから何か買って来てくれない?」
:09/05/04 11:53 :SH901iC :RBZ4yaF.
#395 [ゆーちん]
「何でパシられなきゃなんないの」
「あなたクラス委員でしょ?」
「関係ないし」
口ではブツブツと文句を言うクラス委員だけど、根はいい奴だからさ、私のポケットから財布を引っ込抜いていた。
:09/05/04 11:53 :SH901iC :RBZ4yaF.
#396 [ゆーちん]
つまり、買いに行ってくれるって事。
「アハッ、それもそうか。たこ焼き、焼きそば、林檎飴。それから…たい焼きも。あ、飲み物忘れないでよ?」
:09/05/04 11:53 :SH901iC :RBZ4yaF.
#397 [ゆーちん]
「そんな食える訳ねぇだろ。」
「いいじゃんか。食べたいんだから。」
「猫かぶり、大食い、ペチャパイ…モテない女の三原則。」
「そんな原則聞いた事ないわ。」
「俺の中での三原則。」
「あーはいはい。わかったから早く行って。」
「人使い荒いのもモテない女の特徴〜。」
:09/05/04 11:55 :SH901iC :RBZ4yaF.
#398 [ゆーちん]
そんな事を言いながら、やっと私のおつかいに出発した。
さ、漫画の世界に再び戻ります。
…終わり方は案外さっぱりしていた。
15:27
やっと読み切りましたー。
「んーっ。」
縮んだ体を伸ばしているとドアが開く音がしたので、仁士だと思った。
:09/05/04 11:55 :SH901iC :RBZ4yaF.
#399 [ゆーちん]
「遅い…って。栄之助か。」
「ママぁ、なんだか久しぶり。今までどこにいたの?」
「朝からずっとここにいたよ。」
「ズルーい。俺なんか朝はオバケで午後からは呼び子。やっと今から休憩だよ。」
「あんなに張り切ってたのに、さすがにお疲れだね?」
:09/05/04 11:56 :SH901iC :RBZ4yaF.
#400 [ゆーちん]
栄之助はヘロヘロヘロっと歩いて、私の隣に座った。
で、そのままキス。
挨拶変わりみたいなもんかな。
…外国人かよ。
「はぁ…会いたかったぁ、ママ。」
…子供かよ。
:09/05/04 11:57 :SH901iC :RBZ4yaF.
#401 [ゆーちん]
「明日のバンド、ちゃんと聞いてね?」
「んー、忘れてなかったらね。」
「俺と仁士のツインボーカルなんだ。俺はママのために歌うからね!」
恋人とか好きな人にそんな事言われたら嬉しいんだろうけど、栄之助に言われても本当に子供に言われてるようなもんだった。
:09/05/04 12:07 :SH901iC :RBZ4yaF.
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