虹色のオセロ
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#315 [ゆーちん]
「仁士、ママと話し終わった?」



栄之助だ。



「おう。」

「んじゃ借りるね。ママちょっと来て。」



栄之助に強引と連れて行かれた、お化け屋敷の内部。

⏰:09/05/03 12:17 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#316 [ゆーちん]
「何?」

「今からリハーサル。」

「それが何?」


すると、教室内が真っ暗になった。


カーテンの隙間からも太陽が入ってこないように、黒のシートで埋め尽くされている窓。


だから本当に真っ暗。

⏰:09/05/03 12:18 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#317 [ゆーちん]
栄之助のやりたい事、わかった。


「ママ…」


キスだ。


こんな真っ暗なのに、私の唇を見事当てて、強く押しつける栄之助。


「…っ、教室だよ?いつ明るくなるかわかんないのに、ダメ。」

⏰:09/05/03 12:19 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#318 [ゆーちん]
小声すぎて栄之助が聞き取れたかわかんない。


「大丈夫だよ。」


聞こえた?

何が大丈夫なの。


幸い、周りに誰もいなかったけどリハーサルでしょ?

誰かが歩いて来たらどうすんのー!

⏰:09/05/03 12:20 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#319 [ゆーちん]
私の不安を余所に、栄之助のキスは止まらなかった。


舌だって暴走しすぎ。

やめて欲しい。

体が疼いてしまうから。


「きゃー!」


近くで聞こえた悲鳴に思わずキスを止めた。


見られたかと思った。


「リハーサルだってば。女子が試しに歩いてんの。」

「だったらここにも来るんじゃないの?見つかるよ。」

⏰:09/05/03 12:21 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#320 [ゆーちん]
「来たらやめる。だからそれまで…」


こんなスリルは望んでないよぉー。

いつ来るかわかんないのに、気が気じゃない。


だったら本気で拒めばいいのに、ちゃっかりとキスを楽しんでるっていうのは…私はきっと栄之助のキスがすきだから。


LOVEじゃなく、LIKEとして。

⏰:09/05/03 12:22 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#321 [ゆーちん]
そんな暗闇も光が点けられ、私たちは何事もなかったかのようにその後を過ごした。


下校時間になっても2Cの奴らは帰らず、一生懸命ラストスパートかけてた。


「ななみん先生、体調不良でしたら今日はもう帰って下さい。あとは僕がいるんで。」

⏰:09/05/03 13:05 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#322 [ゆーちん]
よっしゃーっ!

ほずみん、たまにはいい事言う〜。


つーか私、体調不良なんて言ったけ?

まあ何にせよ、帰らせてもらいまーす。


お言葉に甘えます、と保泉にニッコリ微笑んで、2Cの奴らにも頑張ってねと笑っとく。


「ななみん、また明日!」

「ななみんバイバーイ。」

⏰:09/05/03 13:05 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#323 [ゆーちん]
クラスが私にさよならの言葉をかけていると、委員長がみんなに言った。


「みんなごめん。俺も帰るわ。でもすぐにまた戻って来る!ちょっと外せない用があってさ。悪いな。」


仁士はよほど信頼されてるのか好かれているのか、みんなから笑顔でお許しをもらっていた。

⏰:09/05/03 13:07 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#324 [ゆーちん]
副担任とクラス委員が一緒に教室を出る。


全く違和感のない風景に、誰も疑問を抱かない。


たった一人、栄之助以外は。

⏰:09/05/03 13:07 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


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