虹色のオセロ
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#555 [ゆーちん]
「検査は?」

「まだ」


日光浴中の私に、見慣れた顔が隣に座り、いきなり何を言い出すかと思ったら、彼女の妊娠疑惑。


最近、あんまりキスとかしてこなくなったと思えば、これだからなぁ…バカ猿め。

⏰:09/05/09 12:17 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#556 [ゆーちん]
「話は検査してからだよ。ちゃんと病院で診てもらいな」

「…なんか最近ママ冷たいね」

「何で?そんなことないよ。最近やっと親離れしたと思っていた子供が、子供できたかもって言って来た事は悲しいけどね」

「…仕方ないじゃん。頼れるのはママしかいないんだから」

⏰:09/05/09 12:18 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#557 [ゆーちん]
そうやって、しょげてる顔なんてまだまだガキそのもの。


ガキがガキ作っただなんて、もし本当だったらどうすんのよ。

ママは今から頭が痛いよ。


彼女にちゃんと病院行くように説得して、結果がわかったらまた教えて、と約束し、栄之助は授業に戻って行った。

⏰:09/05/09 12:19 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#558 [ゆーちん]
帰りぎわ、久しぶりにキスしてくれた。


これは浮気?

それともマザコン?

いや、彼女からすれば浮気だろうな。

でも栄之助からすれば、マザコンなだけ。

私からすると…どうなんだろ、わかんない。

⏰:09/05/09 12:19 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#559 [ゆーちん]
数日後、栄之助から真夜中に電話がかかってきた。


「…はい」

「ごめん、起こした」

「本当だよ。今3時だよ?」

「もうすぐママんちに着くんだ。鍵開けて」


…いきなりだな、おい。


「やだー」

「凍え死ぬから絶対開けてよ?それじゃ」

⏰:09/05/09 12:20 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#560 [ゆーちん]
久しぶりに栄之助の強引さを目の当たりにした真冬の真夜中。


眠い目をこすり、起き上がって玄関の鍵を開けようとしたら、ちょうどチャイムが鳴った。

ナイスタイミング。

⏰:09/05/09 12:20 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#561 [ゆーちん]
扉を開けると、トナカイさん並みに真っ赤なお鼻の栄之助がいた。


家に上げた途端、栄之助は私を抱き締めた。


「どした?」

「…」


何も言わない。


「私に話したい事あるんでしょ?今すぐ聞かせたい?それとも朝イチ?」

⏰:09/05/09 12:22 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#562 [ゆーちん]
私的には朝イチがいいな。

眠くて眠くて頭が回らない。

「ママ、睡魔に弱いから朝イチでいいよ」

「あら、ママ想いね」

「当たり前じゃん」

「お風呂入って来る?またルームドレス姿見たい」

私が笑うと、栄之助も笑ってた。

⏰:09/05/09 12:22 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#563 [ゆーちん]
「俺のルームドレス姿似合ってた?」

「とっても」


栄之助をバスルームに放り込み、私はベッドに戻って、またすぐに夢へと落ちた。


栄之助の温もりの中で眠っていた事に気付いたのは、それから5時間後の朝8時だった。

⏰:09/05/09 12:23 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#564 [ゆーちん]
「遅刻!…って、土曜だった」


慌てて起きた私は相当虚しい奴だ。


土曜だって事をすっかり忘れていたなんて、栄之助にバカだなんて言えない。

⏰:09/05/09 12:23 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


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