虹色のオセロ
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#595 [ゆーちん]
「集〜合〜」
有無を言わさず呼び付けた。
金髪頭はご機嫌ななめで来てくれた。
「栄之助に電話しよ」
「自分でしろよ。何で呼び出されてんの俺」
「栄之助だって私より仁士の方が言いやすいよ」
「…で、その栄之助と仁士の会話を盗み聞きするつもり?」
「うん」
「最悪な教師だな」
:09/05/09 12:57
:SH901iC
:JSeFKct6
#596 [ゆーちん]
冷たい事言いながら、顔は笑ってんの。
ドS疑惑。
「気にならないの?もう一週間だよ」
「気にはなるけど無理に聞き出すのも悪いじゃん」
「そうだけど…でも栄之助はきっと聞いて欲しいって思ってるに違いない」
:09/05/09 12:58
:SH901iC
:JSeFKct6
#597 [ゆーちん]
「何でわかんだよ」
「ママの勘」
仁士は小さく笑ってから、栄之助に電話をかけた。
「七海が一緒だって事は内緒だからな。黙ってろよ」
「了解」
完全なる盗み聞きだね。
仁士は共犯者って事で、ちょっと申し訳ない。
:09/05/09 12:59
:SH901iC
:JSeFKct6
#598 [ゆーちん]
2コール目で栄之助は電話に出た。
スピーカー機能にしてもらい、私は黙って二人の会話を聞く。
「もしー、生きてんの?」
「死んでる〜」
「あっそ。今どこ?」
「部屋だけど」
「どうなったの、彼女と子供」
:09/05/09 13:00
:SH901iC
:JSeFKct6
#599 [ゆーちん]
しばし無言。
「おーい、栄之助」
「うん」
「言いたくねぇんなら別にいいけど」
栄之助はまた無言になった。
しばらくすると、悲しい音が聞こえた。
:09/05/09 13:00
:SH901iC
:JSeFKct6
#600 [ゆーちん]
「おい、泣くな」
「あのさ…笑うなよ?」
「おう」
「俺の子供じゃないんだって」
落胆した。
私も泣きたくなった。
そんな展開、誰も望んでないよ。
「何…で、だよ」
仁士もひどく動揺していた。
「すみれちゃんがそう言うんだから、そうなんだよ。それに、日数も合わない」
:09/05/09 13:01
:SH901iC
:JSeFKct6
#601 [ゆーちん]
「他に男がいた、って事?」
「…らしいね」
「何だよそれ…」
ため息しか出なかった。
栄之助を今すぐ抱き締めてあげたくなった。
「仁士、ごめん」
我慢できなかった。
気付いた時にはペラペラと口が動いてた。
:09/05/09 13:02
:SH901iC
:JSeFKct6
#602 [ゆーちん]
「栄之助、私だよ。聞こえる?」
「…え、ママ?なんで?」
「ごめんね。仁士の事、責めないであげて。私が無理矢理盗み聞きしてたの」
「アハッ…そっか」
泣きながら笑う栄之助が、フッと脳裏をよぎる。
「栄之助、私…あんたに何て言ったらいいか」
:09/05/09 13:02
:SH901iC
:JSeFKct6
#603 [ゆーちん]
「何も言わなくていいよ。それより、いま二人は柴田家?」
「そうだけど」
「俺も行っていい?一人でいると虚しいんだ。ママと仁士の前でバカみたいに泣きたい気分」
鼻をすすりながら精一杯明るい声を出す栄之助。
:09/05/09 13:03
:SH901iC
:JSeFKct6
#604 [ゆーちん]
「おいで。仁士と待ってるから」
「うん」
電話を切ると、仁士は眉を下げながら私に笑いかけた。
「俺と栄之助の友情が崩れたら、どう責任取ってくれんの?」
「…ごめんなさい。いてもたってもいられない状態になりまして」
:09/05/09 13:03
:SH901iC
:JSeFKct6
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