虹色のオセロ
最新 最初 全 
#696 [ゆーちん]
「だって…」
「レオに負けたみたい、私」
まぁ、いいけど。
七海ちゃんは、そんなおちゃめな蕾夢が好きだから。
:09/05/11 14:28
:SH901iC
:0u6kOFR2
#697 [ゆーちん]
私の家に着くと、仁士はすぐにバイトへ向かう。
「ありがと。よろしくな」
やっぱり仁士にありがとうを言われると泣きそうになる。
でも、飲み会を抜けて来てよかったって思う。
そんな仁士の笑顔は今日も泥だらけになって来るんだって思うと、喉元がムズムズした。
:09/05/11 14:28
:SH901iC
:0u6kOFR2
#698 [ゆーちん]
深夜1時を回った頃、仁士が帰って来た。
「おかー」
「ただー」
「最近の若者は何でも略せばいいと思ってんの?」
「七海が振ったんだろ」
「すぐ人のせいにするぅ」
「それより、起きてたの」
「おん。飲んでた」
ちょっとばかしビールなんか飲んだものだから、酒恋しくなり、蕾夢を寝かせてから一人酒を楽しんでいた。
:09/05/11 14:29
:SH901iC
:0u6kOFR2
#699 [ゆーちん]
「酔ってる?」
「全然。なんか今日は酔えない」
「何で?」
「んー、わかんない」
仁士は煙草、私はお酒。
二人して黙りながらテレビを見た。
深夜番組ってなんでこんなに面白いんだろ。
二人でハマっちゃって、気が付けば1時間も経っていた。
:09/05/11 14:30
:SH901iC
:0u6kOFR2
#700 [ゆーちん]
「テレビも終わったし、帰るか」
「明日の朝辛いだろうね」
「お互い様な」
仁士はベッドに行き、栄之助を抱き上げた。
起きかけたけど、また仁士の腕の中で眠る。
毎回毎回この瞬間がヒヤヒヤする。
途中で起こしちゃうのが可哀想だから。
:09/05/11 14:30
:SH901iC
:0u6kOFR2
#701 [ゆーちん]
玄関で仁士は言った。
蕾夢が起きないように小声で。
「今日は本当助かった」
「最初断ってごめん」
「それは仕方ないから」
「そんな風に思ってなかったくせに」
「え?」
「私が断ったら一気に不機嫌になってた」
:09/05/11 14:31
:SH901iC
:0u6kOFR2
#702 [ゆーちん]
「そう?」
「うん」
「それはきっとアレだな」
「何」
背の高い仁士は私を見下ろしながら言う。
「失恋した気分にでもなって、無意識に不機嫌になってたのかも」
「…無意識とかタチ悪い」
:09/05/11 14:31
:SH901iC
:0u6kOFR2
#703 [ゆーちん]
言葉や合図はなかった。
そういう雰囲気でもなかった。
なのに蕾夢を抱っこしたままの仁士は、私にキスをした。
この前の下手くそなキスとは大違い。
今日は首も唇も痛くない、優しいキスだった。
:09/05/11 14:33
:SH901iC
:0u6kOFR2
#704 [ゆーちん]
「何でこんな事するの?」
「何だその質問。処女か!」
「だって…」
「元若者よ、たくさん悩め」
「…元って何よ。失礼しちゃう」
仁士は笑いながら帰ってった。
:09/05/11 14:33
:SH901iC
:0u6kOFR2
#705 [ゆーちん]
あー、酔えない理由わかった。
緊張してたからだ。
仁士が帰った途端、急に酒が体中に巡った気がした。
おかげでベッドに入ってるはずなのに、宙に浮いてるみたいだったよ。
何で仁士に緊張してんの?って疑問は明日考えよう。
今日はもう寝る。
明日は学校だ。
:09/05/11 14:34
:SH901iC
:0u6kOFR2
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194