虹色のオセロ
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#749 [ゆーちん]
「その教師と生徒が付き合うのは、不可能ってママは仁士に言ったんだよね?」

「そうだよ」

「不可能ねぇ…」

すると栄之助は、私に正方形の板を手渡した。

カラフルな板には、升目が入っている。

⏰:09/05/14 09:59 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#750 [ゆーちん]
「何これ」

「よーく思い出して。文化祭1日目に3人でここでオセロした事」

年取ると、記憶力は低下する。

どうでもいいって判断した出来事だったら尚更覚えてない。

でも私の脳は、どうでもいいって判断しなかったらしく、ちゃんと記憶してくれていた。

⏰:09/05/14 10:00 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#751 [ゆーちん]
―――…

「仁士強すぎー」

「手加減しろよー」

「手加減してるよ?」

「絶対嘘だよー」

私と栄之助VS仁士でのオセロ対決。

二人VS一人なのに、クラス委員長を負かすのはなかなか難しい事だった。

⏰:09/05/14 10:00 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#752 [ゆーちん]
「つーかオセロって何で白黒なわけ?気分滅入っちゃう」

と、栄之助が嘆く。

「色に疑問持つ人、初めて見た」

私と仁士が笑うと、栄之助は子供のようにムキになりながら言った。

⏰:09/05/14 10:01 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#753 [ゆーちん]
「白黒のテレビより、カラフルなテレビのがいいだろ?それと一緒。白黒よりレインボーなのがいいの」

「ほぉー…」


栄之助の勢いに納得しかけたけど、すぐに仁士に叱られてた。

「一緒じゃねぇよ。石は二面しかないのに、どうやってレインボーとやらに出来んだよ。あんたも先生のくせに、ほぉーとか言ってんじゃねぇよ」

⏰:09/05/14 10:02 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#754 [ゆーちん]
17のガキ猿と27の頭の悪いババァは、クールな金髪頭に叱られた。


「じゃあ仁士はレインボーなオセロは無理だって言いたい訳?」

と、栄之助。

⏰:09/05/14 10:02 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#755 [ゆーちん]
「当たり前」

たこ焼きを食べながら仁士は呆れて言った。

「よーし、わかった。そのレインボーなオセロ、いや、虹色のオセロとやらを俺は作ってみせるからな!」

…本当のバカか、この猿。

張り合うとこじゃねぇし。

⏰:09/05/14 10:03 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#756 [ゆーちん]
「栄之助、無理だよ。二面しかない石を虹色にしちゃったら、もうその時点でオセロじゃないしルール変わっちゃうよ」

私もりんご飴を舐めながら栄之助に忠告。

白と黒しかないオセロを、赤青黄色だなんて…

「不可能」

仁士が言った、その不可能って言葉が妙に頭に残ってしまう。

⏰:09/05/14 10:03 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#757 [ゆーちん]
「俺の辞書に不可能なんて‥」

「あるだろ。そこカッコつけるとこじゃない」

「もぉー!いちいちクールだな瀬川仁士さんよぉ?」

「お前はいちいちバカだな栄之助ちゃん」


仁士と栄之助のこういう会話を見てるのが楽しかった。

⏰:09/05/14 10:04 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#758 [ゆーちん]
「俺は絶対に虹色のオセロ、作るからな〜。んで、将来は教科書に残るような発明者として活躍すんの」

「虹色のオセロを作った、渡辺栄之助って?」

「そう!」

「あっそ、せいぜい頑張ってねー」

「つーわけで、もう一戦!ほらママ、ぼーっとしてないでやるよ」

⏰:09/05/14 10:04 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


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