吸血鬼死重奏
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#17 [渚坂]


「たぶん違うとは思うけど……明日聞いてみるか」


私はコップに牛乳を注ぎ足し、一気に飲み干した。

「……ごぱぁ!!」

うん、少しばかり勢いがよすぎて、口から少量、いや、かなりの量を吹き出したのは言うまでもない。

⏰:09/05/10 23:47 📱:F905i 🆔:9t4co7kc


#18 [我輩は匿名である]
更新楽しみにしてます

⏰:09/05/11 17:05 📱:SO705i 🆔:zlmal0Yg


#19 [渚坂]

>>18
ありがとうございます(^ω^)

今からちょっとだけですが更新したいと思います

⏰:09/05/12 20:16 📱:F905i 🆔:wyCCmGSs


#20 [渚坂]


桔鳴高校の朝は全校生徒による朝礼から始まる。生徒たちは高校の裏側に位置している寮からそのまま登校し、決められた時間に体育館に集合していくのがこの高校の唯一の校則。

聞いた話では、これは創立当初からの習わしだとか。毎朝毎朝、招集されるこっちの身にもなれって話。

⏰:09/05/12 20:17 📱:F905i 🆔:wyCCmGSs


#21 [渚坂]

校舎は煉瓦造りの中世ヨーロッパみたいな建物なのだが、正面からは隠れて見えないところに日本独特の四季折々の花が咲き誇る裏庭が存在する。


まぁ、桜とか桜とか桜とか?

他にも赤や黄色の花々が咲いている時期もあるらしいけど、私が分かる花は桜だけ。すいませんね、知識がなくて。

⏰:09/05/12 20:18 📱:F905i 🆔:wyCCmGSs


#22 [渚坂]

さて、話はずれたけど、体育館へ行く近道として私はよくこの裏庭を通ることにしている。朝の正面玄関は他の生徒でごった返すため、私のように裏庭を通る人も少なくない。そして今日もまた、私は秘密の裏庭を歩いていた。

少し冷気をまとった風が私の頭を撫でるように通り過ぎる。髪伸びたなぁ、なんて考えながら肩に掛かる程度の髪を手櫛で整えた。いつもと変わらない朝。

⏰:09/05/12 20:19 📱:F905i 🆔:wyCCmGSs


#23 [渚坂]

「ぅぉぉぉぉおおおお!!!!!!!」

突然、低い呻き声が響いた。


「な、何これ!?」

思わず持っていた鞄を地面に落とし、両手で両耳を塞いだ。

しかしその蓋をも通り抜け、呻き声はだんだんと大きくなっていく。耳の奥がビリビリする。あまりの音の大きさに目眩がする。


⏰:09/05/12 20:20 📱:F905i 🆔:wyCCmGSs


#24 [渚坂]

今すぐにでも逃げ出したいのに、足が鉛のように動かない。体温が下がっていくのが分かる。背中に嫌な汗が流れているのも分かる。でも足が動かない。


助けて。
たすけて。
誰か助けて。
だれか、誰か助けてよ。
ねぇ、たすけて。
いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いやぁぁああ!!!!

⏰:09/05/12 20:21 📱:F905i 🆔:wyCCmGSs


#25 [渚坂]

「た、たすけ――」

あぁ、もう声もでない。先ほどから響き渡る呻き声はだんだんと近づいてくる。



あ、私ここで死ぬんだ…。



頭の一部はどこか冷めていて、今私が置かれた状況を把握している自分がいる。そして、動かなかったと思っていた足はあっけなくバランスを崩し、私の膝は地面についた。


⏰:09/05/12 20:22 📱:F905i 🆔:wyCCmGSs


#26 [渚坂]


「由、逃げろ!!」

死を覚悟した瞬間、骨が折れるんじゃないかって思うほど強い力で腕を掴まれ、ぐいっと引っ張り上げられた。


「しゃがみ込んでる隙はないぜ!!ほら行くぞ!!」


⏰:09/05/25 20:05 📱:F905i 🆔:Kt2brzEY


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