吸血鬼死重奏
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#1 [渚坂]
:09/05/10 23:34 :F905i :9t4co7kc
#2 [渚坂]
:09/05/10 23:35 :F905i :9t4co7kc
#3 [渚坂]
ハァッ…、ハァ……
狂ったメトロノームのように不規則なリズムを刻む呼吸は、俺の思考回路を確実に麻痺させていた。
落ち着いてゆっくりと肺の中のものを吐けばよかったのだ。そうすれば自然と酸素は肺に流れ込む。
小学生でも分かるであろうこの問題を解けないほど、俺に余裕はなかった。
:09/05/10 23:36 :F905i :9t4co7kc
#4 [渚坂]
鋭利なカミソリのように頬をかすめる風。
いつも見慣れた景色さえ、走馬灯のようにめまぐるしく変化していく。
早く、早く“アイツ”から逃げなければ……。
暗がりの中でも分かる己の首から滴り落ちる赤い液体。
ついさっきまで己の体の中で循環していたコイツさえも今の俺には恐怖を募らせる材料にしか過ぎなかった。
:09/05/10 23:37 :F905i :9t4co7kc
#5 [渚坂]
意識せずとも転がるように交互に前へ進む足をそのままに、右手でそっと溢れ出る赤い液体に触れてみる。
震える指に絡め取られた生暖かいソレは、ヌルヌルと俺の指を舐めまわし不快感だけを手に残す。
“出血死を考えるほど流れ出でてはいない……”
触れた指に残る液体ごと拳を握り、俺はさらに足を加速させた。
:09/05/10 23:37 :F905i :9t4co7kc
#6 [渚坂]
どれほど経過したのだろうか、幾分冷静になった思考回路はふと、あることを疑問に思った。
「この傷口……」
すでにゼンマイ時計のように機械的に進む足を止めることなく、もう一度右手を傷口に触れさせる。
「二つある……」
俺の首筋の表面に存在したのは二つの傷口。しかし、この傷口はどこか不自然だ。
:09/05/10 23:38 :F905i :9t4co7kc
#7 [渚坂]
それを確認すべく、すでに限界を訴えていたゼンマイ時計を意識的に止めた。
頭上に広がる墨汁を垂らしたような漆黒の闇。
そして、それを照らしている微かな月明かりのみを頼りに、さらに深く傷口を探った。
この時、俺は気づいてればよかったんだ。目の前の公園からこちらを見つめていた赤い目を。
ヤツの荒い息づかいを。ヤツが俺を追ってきたってことを。
:09/05/10 23:39 :F905i :9t4co7kc
#8 [渚坂]
<Font Size="1">
一曲目
《奏でられた序奏》
</Font>
:09/05/10 23:40 :F905i :9t4co7kc
#9 [渚坂]
上は気にしないでください((汗
:09/05/10 23:41 :F905i :9t4co7kc
#10 [渚坂]
闇が静かに足を忍ばせ、何もかもを飲み込んでしまいそうな静けさが辺りを包み込んだ時、突然それは鳴り響いた。
風呂上がりの牛乳を飲んでいた私は、素早く残りの牛乳を流し込みテーブルの上で無機質な機械音を奏でるソレを耳に押し当てた。
あ、濡れた髪のまま電話しちゃダメだったっけ?
:09/05/10 23:41 :F905i :9t4co7kc
#11 [渚坂]
「もしもし」
「あ、もしもし由ちゃん!?」
「……お母さん、こんなに夜遅くどうしたの?」
電話の相手は母。
私が寮生活を始めてから、母はこんな風に突然電話をしてくることが増えた気がする。
それだけ愛されてるってことなんだろうけど、なんというか、こっちとしてはちょっと迷惑な訳でして。
真夜中にテンションの高い母の相手をするのは、なかなか疲れる。
:09/05/10 23:42 :F905i :9t4co7kc
#12 [渚坂]
「由ちゃんテレビ見た?今、由ちゃんの学校の近くで怖い事件が起こってるみたいだから気をつけるのよ」
母の言う怖いニュースとは通称『吸血鬼殺人事件』のことだろう。
『吸血鬼殺人事件』とは現在メディアを騒がしている無差別連続殺人事件のこと。
:09/05/10 23:43 :F905i :9t4co7kc
#13 [渚坂]
これまでの犠牲者は6人。
死因は共通して出血死。
それも体の中の3分の2以上の血がなくなっていたとのこと。
どの死体も寒空の下何時間も放置されていたことで、周りの液体という液体は凍りついていたらしい。
だが死に至るような目立った外傷はなく、あったのは首筋に小さな穴が二つだけ。
:09/05/10 23:44 :F905i :9t4co7kc
#14 [渚坂]
この不可思議な事件にマスコミたちが“吸血鬼事件”と名付け、ハイエナのごとく食いつくのも無理はない。彼らは情報に飢えているのだから。
うん、世も末だよね。
:09/05/10 23:44 :F905i :9t4co7kc
#15 [渚坂]
「大丈夫だよ。桔鳴(ケツメイ)高校は全寮制だし、そんな事件関わるわけ無いよ」
「そうよね……。お母さんったら変な心配しちゃって。ごめんなさい。
また今度ゆっくり電話するから」
「うん、おやすみなさい」
:09/05/10 23:45 :F905i :9t4co7kc
#16 [渚坂]
母が電話を切るのを確認してから、私も携帯を閉じる。
マナーというか、相手が切ってからじゃないと安心できない、って考えるのは私だけじゃないと思うんだよね。
それにしても、
「まったく関係ない…か……」
ここだけの話、正直に言うと私は母に嘘をついた。
もしこの事件がアイツらと関係があるのなら、必然的に私も関わりを持ってしまう。
:09/05/10 23:46 :F905i :9t4co7kc
#17 [渚坂]
「たぶん違うとは思うけど……明日聞いてみるか」
私はコップに牛乳を注ぎ足し、一気に飲み干した。
「……ごぱぁ!!」
うん、少しばかり勢いがよすぎて、口から少量、いや、かなりの量を吹き出したのは言うまでもない。
:09/05/10 23:47 :F905i :9t4co7kc
#18 [我輩は匿名である]
更新楽しみにしてます
:09/05/11 17:05 :SO705i :zlmal0Yg
#19 [渚坂]
>>18
ありがとうございます(^ω^)
今からちょっとだけですが更新したいと思います:09/05/12 20:16 :F905i :wyCCmGSs
#20 [渚坂]
桔鳴高校の朝は全校生徒による朝礼から始まる。生徒たちは高校の裏側に位置している寮からそのまま登校し、決められた時間に体育館に集合していくのがこの高校の唯一の校則。
聞いた話では、これは創立当初からの習わしだとか。毎朝毎朝、招集されるこっちの身にもなれって話。
:09/05/12 20:17 :F905i :wyCCmGSs
#21 [渚坂]
校舎は煉瓦造りの中世ヨーロッパみたいな建物なのだが、正面からは隠れて見えないところに日本独特の四季折々の花が咲き誇る裏庭が存在する。
まぁ、桜とか桜とか桜とか?
他にも赤や黄色の花々が咲いている時期もあるらしいけど、私が分かる花は桜だけ。すいませんね、知識がなくて。
:09/05/12 20:18 :F905i :wyCCmGSs
#22 [渚坂]
さて、話はずれたけど、体育館へ行く近道として私はよくこの裏庭を通ることにしている。朝の正面玄関は他の生徒でごった返すため、私のように裏庭を通る人も少なくない。そして今日もまた、私は秘密の裏庭を歩いていた。
少し冷気をまとった風が私の頭を撫でるように通り過ぎる。髪伸びたなぁ、なんて考えながら肩に掛かる程度の髪を手櫛で整えた。いつもと変わらない朝。
:09/05/12 20:19 :F905i :wyCCmGSs
#23 [渚坂]
「ぅぉぉぉぉおおおお!!!!!!!」
突然、低い呻き声が響いた。
「な、何これ!?」
思わず持っていた鞄を地面に落とし、両手で両耳を塞いだ。
しかしその蓋をも通り抜け、呻き声はだんだんと大きくなっていく。耳の奥がビリビリする。あまりの音の大きさに目眩がする。
:09/05/12 20:20 :F905i :wyCCmGSs
#24 [渚坂]
今すぐにでも逃げ出したいのに、足が鉛のように動かない。体温が下がっていくのが分かる。背中に嫌な汗が流れているのも分かる。でも足が動かない。
助けて。
たすけて。
誰か助けて。
だれか、誰か助けてよ。
ねぇ、たすけて。
いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや、いやぁぁああ!!!!
:09/05/12 20:21 :F905i :wyCCmGSs
#25 [渚坂]
「た、たすけ――」
あぁ、もう声もでない。先ほどから響き渡る呻き声はだんだんと近づいてくる。
あ、私ここで死ぬんだ…。
頭の一部はどこか冷めていて、今私が置かれた状況を把握している自分がいる。そして、動かなかったと思っていた足はあっけなくバランスを崩し、私の膝は地面についた。
:09/05/12 20:22 :F905i :wyCCmGSs
#26 [渚坂]
「由、逃げろ!!」
死を覚悟した瞬間、骨が折れるんじゃないかって思うほど強い力で腕を掴まれ、ぐいっと引っ張り上げられた。
「しゃがみ込んでる隙はないぜ!!ほら行くぞ!!」
:09/05/25 20:05 :F905i :Kt2brzEY
#27 [渚坂]
そして、次の瞬間その声の主は私の腕を掴んだまま走り出した。風を切りながら、風を受けながら、風を感じながら、体育の成績が2だった私が「あれ?こんなに足速かったっけ」と疑問に思うぐらいのスピードで周りの風景が変わっていく。
それと比例するように先ほどまで続いていた呻き声が小さくなり、私自身も落ち着きを取り戻してきた。
:09/05/25 20:06 :F905i :Kt2brzEY
#28 [我輩は匿名である]
わ〜(^∪^)
更新されてる★
頑張ってください!
:09/05/25 20:54 :SO705i :hq2R5FC2
#29 [渚坂]
>>28ありがとうございます!!
更新遅くてすみません…;;;
ちまちま更新になるかと思われますが、これからもよろしくお願いします(/_;)
:09/05/26 19:24 :F905i :gJkM7LOU
#30 [渚坂]
「由、いったんあの木の後ろに隠れるぞ。それまで走れるな?」
声の主は私の腕を掴んでいない手で前方の木々を指差した。石やら木の根やらで足元は不安定だが、前方の木々まではなんとか走れそう。
「は、走れ、る……!!」
私の腕を引っ張る人物とは違って、必死で声を出したにも関わらず情けない声しか出なかった。仕方ない、私がこんなに走ってるなんて世にも奇妙な出来事なんだから。
:09/05/30 16:36 :F905i :3t9p8Xfg
#31 [渚坂]
そして足に急ブレーキをかけ、飛び込むように、いや、ほとんどなだれ込むようにして私たちは木の影へと身を滑らせた。うわっ、車は急に止まれないのよ!!……じゃなくて、私は急に止まれません!!
「よし、ここならちょっとは大丈夫だろ。……ったく、あの馬鹿野郎何回も出てくんじゃねーよ。毎回毎回、由を守るこっちの身にもなれって話」
:09/05/30 16:36 :F905i :3t9p8Xfg
#32 [渚坂]
聞くに耐えない悪態をつきながら、私の隣に腰を下ろしていた人物は木から顔を半分ずらし背後の様子をうかがっていた。
「あ…、ありが、と……」
情けなくも、まだ上手くしゃべれない。今の私は息を吐きたいのか、吸い込みたいのか分からずに口をぱくつかせるだけ。お礼を言いたいのに…。
:09/05/30 16:37 :F905i :3t9p8Xfg
#33 [渚坂]
「ほらほら無理すんなよ。ったく、お前はほんっとうに足おせーな」
……なっ!!
人がしゃべれないのをいいことに「鈍感」「短足」「馬鹿野郎」と、私の繊細で壊れやすいガラスのハートを踏みにじって来やがった。
:09/05/30 16:38 :F905i :3t9p8Xfg
#34 [渚坂]
「黙ってれば言いたいこと言って…!!助けてくれたお礼を言いたかったけど、もう口が裂けても言ってやらない!!!!」
「おお、そんだけ威勢があれば大丈夫だな」
そう言って隣に座っていた、つまり私を助けてくれた“綾辻 壊(アヤツジ カイ)”は私の頭を撫でた。その手つきがあまりにも優しかったもんだから、不覚にも一瞬ドキッとしてしまったことは秘密にしといてもらえるとありがたいです。
:09/05/30 16:39 :F905i :3t9p8Xfg
#35 [渚坂]
1ヶ月放置すいません……
テストがあったのと、話に煮詰まってしまいなかなか書き進めることが出来ませんでした;;;
そこでちょっとアンケートをとりたいのですが、これからの“吸血鬼死重奏”の話を
@がっつりファンタジー
A控えめファンタジー
のどちらで進めてほしいか、読んでくださってる方にお聞きしたいです。もし何も反応が無かった場合はAの控えめファンタジーで進めたいと思います。
期限は7月5日まで。感想板(吸血鬼死重奏の)はありませんので、アンケートにお答えいただく際は(小説が読みにくくなるかと思いますが)ここにお願いします。ご協力お願いします
:09/06/29 20:43 :F905i :hkDjBUao
#36 [乃愛]
読んでます
あたしゎ@がっつりファンタジー
がいいかもですっ
:09/06/30 18:00 :F01A :fGQ4YFkM
#37 [髑髏-ドクロ-]
@希望です(^.^)
:09/06/30 21:39 :SH705i :HUy6oMEw
#38 [我輩は匿名である]
@っ(^ω^)
:09/07/01 08:14 :W61P :M5uop5/2
#39 [渚坂]
>>36-38
ありがとうございます(^ω^)
また7月5日になって改めて御礼をしたいと思います。
とりあえず、あげ
>>35 を見ていただければ幸いです
:09/07/02 21:47 :F905i :FzYLKYTY
#40 [渚坂]
乃愛様、髑髏様、匿名様
アンケートにお答えいただきありがとうございました!ではこれから@のがっつりファンタジーで話を進めていきたいと思います
渚坂は学生(受験生)なので更新は極端に遅いですが、生ぬるい目で見守っていただけると嬉しいです(^ω^)←
では、これからも吸血鬼死重奏をよろしくお願いします
:09/07/06 13:24 :F905i :auyZoxEk
#41 [髑髏-ドクロ-]
まってます(^ω^)
:09/07/06 19:52 :SH705i :SWaoTEI2
#42 [渚坂]
>>41 髑髏様
本当にありがとうございます
読んでくださってる方からの応援の言葉が何よりの励みになります(´・ω・`)
:09/07/10 20:06 :F905i :d20qouQw
#43 [渚坂]
>>34 の続き
ここでちょっと綾辻の説明をしておこうと思う。まず最初に言っておくけど、綾辻の髪は明るいオレンジ色だ。
本人はチャームポイントだと言うけど、ぱっと見たカンジでは時代に乗り遅れたどこかの不良みたいに柄が悪い。
もちろん不良に憧れて染めたとかじゃなくて、何にも手を入れていない自前の髪なんだけど。
:09/07/10 20:07 :F905i :d20qouQw
#44 [渚坂]
「さてと、これからどうすっかなー。マジめんどくせー」
思いっきり眉をひそめて綾辻は吐き出すように愚痴をこぼした。
髪がオレンジってだけでも取っつきにくいイメージがあるってのに、加えてこいつは言葉が悪いし態度もでかい。学校でもみんな必要以上に綾辻にしゃべりかけようとしないし、近づこうともしない。
彼自身それでいいと思ってるらしく、他人との接触を避けている。
要するにA.T.フィールド全開なわけ。
:09/07/10 20:08 :F905i :d20qouQw
#45 [渚坂]
「由、これからどーするよ?逃げる?戦う?」
いつになく綾辻は真面目な顔をして私を見つめた。僅かに吹いている風にゆっくりとなびく彼の髪の毛は、一本一本が光を放っているかのように優しい色をしていた。
「……綾辻はどうしたらいいと思う?」
:09/07/10 20:09 :F905i :d20qouQw
#46 [渚坂]
「俺は由を全力で守るだけだから、お前が好きなようにすればいいよ」
そしてこんな全世界の乙女が夢見るような殺し文句をさらりと言ってのけてしまう余裕の態度が、なんというか、その、私は好きだったりする。
「由は俺を受け入れてくれた大切な友達だから、命を懸けて守ってやるよ」
そう言いながら綾辻は私の頭を壊れ物でも扱うように優しく撫でた。
友達、ですか…。まあ本人に悪気はないし、いい奴なんだけど、このたまに炸裂する天然っぷりにはため息しか出てこない。
:09/07/10 20:10 :F905i :d20qouQw
#47 [渚坂]
「とりあえず、逃げなきゃよね…。って、うわ!」
立ち上がろうとした瞬間、私の耳をとてつもない轟音が貫いた。
またあの声だ。またあの地に響くような呻き声が辺りを飲み込んだのだ。
「ねえ!どうしよう、また声が近づいてきたよ!?」
ああ、嫌だ!掌で耳を覆ってもまだ私の耳に響く呻き声。体中の細胞が危険信号を発しているのが分かる。逃げなきゃ。
……でも、どこへ?
:09/07/11 19:03 :F905i :tSzZ2Nw.
#48 [渚坂]
そして次の瞬間、私たちが隠れている木の陰からちょうど10メールほど離れた場所の茂みが僅かに揺れた。隣にいた綾辻がゴクリとのどを鳴らし、こう呟いた。
「ったく、由がデカい声出すから、ついに『魔王様』がおいでなすったぜ」
……魔王。それはひどく恐ろしい名で、私にこれでもかっていうくらい恐怖を与える名。
:09/07/11 19:04 :F905i :tSzZ2Nw.
#49 [渚坂]
「な、んで?この前も来たばっかりじゃない!」
思わず叫んでいた。我ながら情けない声を出したと思う。
けれどすぐそこに魔王がいるのだ。
多少叫んだって居場所はもう知れているだろう。それよりも、私の体はピクリとも動くことができず、ただただ恐怖が支配していた。
:09/07/11 19:05 :F905i :tSzZ2Nw.
#50 [渚坂]
魔王が私をねらってきたのはこれが初めてじゃない。何度も全身の血液が逆流しそうなほどの体の震えを体験したし、立っていられないほどに腰を抜かしたこともある。
“何故、私はこんなにも狙われるのだろう”
こんなことを考えた日もあった。
でも、答えは驚くほど単純明快で、呆れるぐらい明確な因果関係がそこにはあった。簡単に言ってしまえば、私が人間で魔王が吸血鬼だから。
ただ、それだけ。
:09/07/18 09:22 :F905i :TzuKy0vI
#51 [渚坂]
そして吸血鬼は魔王だけではない。というか、魔王はもとは私と同じ学年の生徒なのだったりする。
もう訳が分からないっすよね……。でも大丈夫、私も未だに頭はクラッシュしてばっかりだから。
つまり、私が通う桔鳴高校は吸血鬼を集めた吸血鬼による吸血鬼の為の吸血鬼の学校なのだ。
まあ、吸血鬼っていきなり言われてもね……。はいはいそーですか、って信じれる人間がどこにいるだろうか。
いたら是非ともその思考回路を見てみたい。切実に。
:09/07/21 17:45 :F905i :lL94ZNjo
#52 [渚坂]
私がこんなに悶々と考え込んでいる間にも周りの空気は張り詰めていく一方で、隣の綾辻の眉間の皺も深くなっていく一方。
「くそっ!R.B.さえ貰ってれば何でもできるのに……」
綾辻ももう隠れる気はないらしい。証拠にさっきより声が数段大きくなっている。
:09/07/21 17:46 :F905i :lL94ZNjo
#53 [渚坂]
「え、R.B.ってみんなが毎朝飲んでる赤いタブレットよね?」
さっき立ち上がり損なった私は綾辻に手を引かれながらやっとのことで立ち上がった。私もさらさら隠れる気はない。こうなりゃヤケよ。それよりR.B.のことが気になる。
「今日の分のR.B.だ飲んでないんだよねー。そりゃ誰太も魔王様に変わっちゃうって話」
:09/07/21 17:47 :F905i :lL94ZNjo
#54 [渚坂]
そう言った綾辻は疲れきったサラリーマンのような疲労困憊した表情を作ったので、思わず「どんまいっ!」と肩を叩きたくなった。
……もちろん、この張り詰めた状況でそんなことはしなかったけど。
:09/07/21 17:47 :F905i :lL94ZNjo
#55 [渚坂]
『R.B.』それは毎朝朝礼の時に私以外の全ての生徒に配られる血のように赤い錠剤のこと。
その錠剤は彼らの中に存在する“ある欲望”を分解し、別の力へと変換させる不思議な力を持つらしい。
最近の科学はホント進んでるよね。
まあ、言わずとも彼らの中にある欲望とはただ一つ。「血を、人間の鮮血を貪りたい」というもののみ。
:09/07/21 17:48 :F905i :lL94ZNjo
#56 [渚坂]
なにせこの桔鳴高校の生徒は私以外全て吸血鬼なのだから。
R.B.のおかげで私は今日まで彼らの餌食にならずにすんだ、といっても過言ではない。
もちろん、横にいるこのオレンジ頭の綾辻も吸血鬼。
さらに詳しく言うならば、私を狙ってきた魔王とは、同じく同学年の“三國 誰太(ミクニ スイタ)”の中にある吸血鬼の本性の名。
:09/07/21 17:49 :F905i :lL94ZNjo
#57 [渚坂]
誰太君は体質的にR.B.の効果が薄く、これまでに幾度となく魔王へと変貌していたりする。
その度に人間の私は、命というか、血を狙われる訳でして…。
その度にこうやって綾辻は私を守ってくれてる。ほんっとうに感謝してもしきれないぐらい、私は綾辻に助けられてきた。
:09/07/21 17:50 :F905i :lL94ZNjo
#58 [渚坂]
しかし、欲望を抑えるためのR.B.の効果が切れたとき、誰もが今の誰太君のように吸血鬼へと変貌する可能性を秘めている。
もちろん、綾辻も。
でもR.B.の効果があるうちはみんな普通の人間のように生活しているし、そうそう効果が切れるなんてことはないらしい。
:09/07/21 17:51 :F905i :lL94ZNjo
#59 [渚坂]
■作者の主張■
だいぶファンタジーにしたつもりですが…、いかがでしょう!?
というか、なかなか伝わりにくい描写ばっかりしてることに気付いた今日このごろ……。矛盾があったらすいません orz
今のところ感想板は作るつもりは無いですが、もし意見や感想があるとおっしゃってくれる方がいましたら、渚坂名義で作りたいと思います(^ω^)
とりあえず、何かある方はここにお願いします!
:09/07/21 18:00 :F905i :lL94ZNjo
#60 [渚坂]
:09/07/22 17:42 :F905i :0ZrCLwFU
#61 [渚坂]
「なんでこんな高校に入っちゃったのよ……」
両手で頭を抱え込み、後悔の念でいっぱいの頭をかき乱す。
「おい、過去を悔やんだって仕方ないだろ。それよりも、この高校に入って俺に出会えた運命に感謝してろ」
……どうして、こうポジティブに考えが進むのだろうか。しかも“運命”とかこっぱずかしいことを大真面目に言うもんだから、なんだか感謝しなきゃいけないような気がしてきたじゃないか。
:09/07/23 16:54 :F905i :kNK/hMlE
#62 [渚坂]
「ほらほら、ついに魔王様のお出ましだ。俺が食い止めるから、いつでも逃げれる用意しとけ」
綾辻がそう言う同時に周りの空気が一変した。
急にざわめき始めた木々たち。頬をかすめる風さえも危なげな刃物のようにピリピリとした鋭利な感覚を肌に残す。彼らも“魔王”に脅えているのだろうか。
:09/07/23 16:55 :F905i :kNK/hMlE
#63 [渚坂]
そして、ちょうど私たちが隠れていた場所の直線上から魔王はその姿を見せた。
私の体が一瞬呼吸を止める。
振り乱された髪。ニヤリと笑う口元からこぼれる尖った八重歯。
獣のようにギラギラと光る紅い瞳。“三國 誰太”は完全に自身の原型を失い、禍々しく容姿を変えていた。
:09/07/23 16:56 :F905i :kNK/hMlE
#64 [渚坂]
そして彼の周りの空気は酷く澱んで見えた。
色に例えるなら紫と黒を混ぜ合わせたような、毒々しい空気が彼をとり巻いていた。
本当の意味で、こういうのを空気が変わると言うのかもしれない……。
:09/07/23 16:57 :F905i :kNK/hMlE
#65 [渚坂]
何度となく魔王へと変貌した誰太君を見てきたが、このざわざわするような感覚にはまだ慣れない。
「いいか、俺がアイツを止めるから。お前は逃げとけよっ!!」
言い終わると同時に、綾辻は魔王へと向かって走り出した。
「ちょっと、綾辻!」
私が彼を呼び止めようとして右手が空を掻いた時、すでに綾辻は戦闘態勢に入っていた。
:09/07/25 10:45 :F905i :igwP.4vA
#66 [渚坂]
力強く地面を蹴る彼の足は、転がるように前へ前へと速度を速める。そして風を切りながら魔王に向かって走る彼の右手が、蒼白く光りだした。
R.B.は血を吸いたいという欲望を不思議な超能力のようなもへと変換させる特性を持つ。
今綾辻の右手が光り出したのはR.B.によって変換された力が右手に集まりだしたから。
:09/07/25 10:45 :F905i :igwP.4vA
#67 [渚坂]
詳しいことはよく知らないが、力には放出できたり凝縮できたりと使い道は様々らしい。
そして、綾辻はたぶん力を溜めた右手で魔王を殴るつもりなんじゃないだろうか。あれだけ力を凝縮している拳だ。当たったら痛いどころでは済まされないだろう。
「うぉぉおおお!」
だいぶ距離を詰めた綾辻が、体重を乗せながら蒼白く光る右手を魔王に突き出した。
:09/07/25 10:46 :F905i :igwP.4vA
#68 [渚坂]
しかし魔王は自身の体をしなやかに右へずらすことで繰り出された拳をいとも簡単に回避した。
そう、当たれば効果は絶大なのだ。しかし当たらなければ、ただの右手上段突き。悪く言えばまるで綾辻の性格を表したかのような単調な攻撃。
「ちっ……!」
:09/07/25 10:47 :F905i :igwP.4vA
#69 [渚坂]
突きに体重をかけていた綾辻は突きをかわされたことで多少足元が覚束なくなっていたが、間合いを取りながら私にも聞こえるほどの反抗的な舌打ちを零した。
「今度はこちらの番だな」
魔王の低くかすれた声が辺りに響く。誰太君の声はこんなにかすれてはいない。その違和感が私の恐怖心をさらに煽る。
:09/07/25 10:48 :F905i :igwP.4vA
#70 [渚坂]
今度は魔王が地面を蹴り、一瞬にして綾辻との間合いを積めた。そして間髪入れずに魔王の右拳が綾辻の鳩尾へ。その鮮やかすぎる手捌きに、私は叫ぶのも忘れて思わず息を呑んだ。
「ゔ、がぁ――」
たった一撃で綾辻は小さい嗚咽と共に地面へと両膝から崩れ落ちてしまった。
:09/07/25 10:48 :F905i :igwP.4vA
#71 [渚坂]
「情けない。たった一撃で終わってしまうとは……」
ふぅ、とため息をついて魔王は頭を横に振る。振り乱された髪はより一層ぐちゃぐちゃにされ、前髪からのぞく瞳には明らかに落胆の色が見えた。
続いて魔王は自身のひざを曲げ、片膝を着くような形で倒れている綾辻の顔を覗き込む。
:09/08/05 18:50 :F905i :zDPjXS.w
#72 [渚坂]
「死んだか?つまらん……」
その一言に私の中で沸き上がっていたある感情が沸点へと達した。一気に体温が上昇し、頭に血が上る。目の前がチカチカして視野はみるみる狭くなっていく。
今では魔王しか目に入らない。
:09/08/05 18:51 :F905i :zDPjXS.w
#73 [渚坂]
そして気付いたときには右足が地面を蹴り上げ、体は風を一身に受けていた。
「うわぁぁぁああ!!!!」
よくも綾辻を……。綾辻を!!
もちろん人間の私が“魔王”に勝てるはずがないのは分かってる。
“ヤメナサイ”
“ニゲナサイ”
“ナニガシタイノ?”
心の隅でもう一人の私が制止をかけるのだが、それ以上に熱い感情が私を突き動かす。友達が、私の大切な人を見捨てて逃げるなんで私には出来ない。
:09/08/05 18:52 :F905i :zDPjXS.w
#74 [渚坂]
「そちらから来ていただけるなんて有り難い。遠慮なく血を啜らせていただくぞ」
両手を広げ、ニヤリと笑う口から必要以上に尖った牙をむく魔王。その表情に一瞬だけ背筋が凍る。だけど、立ち止まってなんかいられない……!!
:09/08/05 18:52 :F905i :zDPjXS.w
#75 [渚坂]
チャンスは一度。
誰太君の懐に入ったその一瞬のみ。急かされるようにせわしなく足を動かしながらポケットから護身用の小さな金色の十字架を取り出す。
これは入学した誰もに渡されるただの備品。
吸血鬼の生徒たちには十字架になれるために渡されたようだが、今の私にはどんなものより心強い武器となっていた。
:09/08/05 18:53 :F905i :zDPjXS.w
#76 [渚坂]
:09/08/05 18:54 :F905i :zDPjXS.w
#77 [渚坂]
……十字架なんて必要ないと馬鹿にした私が馬鹿でした。まさかこれがこんな風に役立つ日がくるなんて、ね。
私自身の体重を乗せて尖った部分を胸部に振り下ろせば、魔王の動きを鈍らせることぐらいできるだろう。
:09/08/16 23:58 :F905i :Lqbduplk
#78 [渚坂]
魔王との距離はあと数メートル。
じわじわと手を濡らす汗で滑り落ちそうになる十字架を強く握りなおす。
「っ……!」
そして私は勢いよく“三國 誰太”の懐に体当たりしたが、もちろん私ごときの勢いで誰太君がよろめくわけもなく、逆に顎を捕まれ腰を引き寄せられた。端から見れば、まるでキスでもされそうな構図である。
……もう、逃げられない。
でも、これでいい。
:09/08/16 23:59 :F905i :Lqbduplk
#79 [渚坂]
私は手に持っていた十字架を誰太君の体に振り下ろした。
……が、私が腕を振り下ろした瞬間、あろうことか魔王はあれだけ密接に接触していた私の体を突き飛ばしてきた。
ゆっくりと視界が反転する。
「……へっ?」
あれだけ意気込んでいたにも関わらず、気の抜けるような声を発しながら私はしりもちをついてしまった。
:09/08/17 00:00 :F905i :SlJXxl/w
#80 [渚坂]
「ははは!残念だったな。お前の考えなど手に取るように分かるぞ」
魔王の乾いた笑いが響く。
ごめん綾辻。私やっぱり何も出来なかった……。
「くっ……!!」
今はただ魔王を睨みつける。虚勢にしかすぎないのだけど、そうでもしないとこの毒々しい空気にのまれてしまいそうで……。
:09/08/17 00:01 :F905i :SlJXxl/w
#81 [渚坂]
「おお!その挑戦的な顔いいな。俺は威勢のいい女は割と好きだぞ」
「五月蝿いっ!お前は綾辻を……」
私の火照った頬を冷やすように一筋の滴が流れ落ちた。泣いてもどうしようもないことぐらい分かってるけど、一回溢れ出した涙は止め処なく私の頬を濡らす。
:09/08/17 00:01 :F905i :SlJXxl/w
#82 [渚坂]
「さて、邪魔者もいないことだ。思う存分いただくとしよう」
そして私は腕を捕まれ無理やり腰を上げた。先ほどと同じように腰に手を回され、互いの吐息が混じり合うほどに顔を近づけられた。
「や、だ…。やだぁ……!!」
必死で魔王の胸を押し返すも、残りの手で頭を押さえられ、抵抗も虚しく私はあっさりと唇を奪われた。
:09/08/17 00:03 :F905i :SlJXxl/w
#83 [渚坂]
触れ合った“誰太君”の唇は氷のように冷たく、人間味のない無機質な感触がした。
「ふっ……!ん゙ん゙ー!!」
唇を塞がれたまま魔王の腕の中で暴れ回るが、より強い力で頭を押さえつけられ、より深く唇を当てられる。
:09/08/20 18:49 :F905i :ZnOLqX92
#84 [渚坂]
今の吸血鬼は滅多なことがない限り首筋から血を吸ったりはしないと誰かが言っていた。
ということは、こうやって唇を合わせている間にも私の血はどんどん吸い取られている……のだろう。
あ、なんか眠たくなってきた……。雪山で寝てはいけないように、この状況で瞼を落としてしまったら完全に魔王の思うがままである。
しかし、容赦なく押し寄せる睡魔の波に頭が霞んでくる。ね、寝ちゃだ…め……
:09/08/20 18:50 :F905i :ZnOLqX92
#85 [渚坂]
「……由から離れろ!」
不覚にも睡魔に負けそうになっていた意識の中で大きな声が響いたかと思うと、いきなり襟を引っ張られ私は魔王から体ごと唇を剥がされた。
「ふぉ……?」
と、同時に急に引っ張られせいで覚束ない足はバランスを崩し、また情けない声を上げながら私は盛大に後ろに倒れ込んだ。……と思ったら、私は後ろから抱き抱えられるようにしっかりと受け止められていた。肩にしっかりと私を掴む温かい手の感触を感じる。
:10/01/24 11:48 :F905i :mTQM6q/E
#86 [渚坂]
「闇ノ宮、今だ!!」
頭のすぐ上から何者かの声が降り注ぐ。かと思えば、それかららは全てがドラマのように一瞬で片付いた。
私が一回瞬きをする度に草陰から私と同じ制服を着た人たちがぞろぞろと飛び出し、待ってましたと言わんばかりに魔王を取り囲んだ。
この間僅か2秒程度。
そして、輪の一歩外で腕組みをした少女が口を開いた。彼女の名前は闇ノ宮 サラ。腰まで伸びた長い髪が特徴の私の同級生で、もちろん吸血鬼である。
「目標は魔王。体は三國 誰太のだから力の加減は各自でお願いね!」
その言葉を合図に生徒たちが掌を魔王に向けた。
:10/01/24 11:49 :F905i :mTQM6q/E
#87 [渚坂]
それからのことは……、なんと言えばいいのだろうか。本当に私は私の目を疑った。この世にこんな不思議が存在したなんて……。つまり、彼らの掌からは常識じゃ考えられないような大量の高エネルギーを放ったわけで……。
「ふぇ……」
常識じゃ考えられない事態に開いた口が塞がらない。私の間抜け面の目の前で数多の光線は魔王を包みこんだ。
:10/01/24 11:50 :F905i :mTQM6q/E
#88 [渚坂]
「もう大丈夫だから」
呆気にとられていた私に、優しい声が舞い降りた。少しだけ首を後ろに回し、私を支えてくれていた人物の顔を見上げる。
「綾辻……?」
見上げたすぐそばに、彼のチャームポイントであるオレンジ色の髪が緩やかに風になびいていた。魔王にやられた時はどうしようかと思ったけど、無事でよかった。私の肩を掴む綾辻の温かい手に心の中のしこりが溶けていくような安堵を感じる。
「お前だいぶ血抜かれたみたいだな。顔が死んだ魚みたいだ……、ってそれはもともとか!あはは!」
……この口の悪さと軽快な笑い声は綾辻に間違いない。一瞬でもと安堵した私が馬鹿でした。
:10/01/24 11:51 :F905i :mTQM6q/E
#89 [渚坂]
「うっさい!で、あれなに?」
未だ光を放ち続ける生徒たちを指差す。
「ああ、あれは対魔王用の結界だってさ。R.B.で変換した力を変換力って言うんだけど、その力を応用させて超高濃度高圧縮の光を作って結界にしてるって話」
あれを作るのは俺には無理だ、と付け加えて綾辻は苦笑いした。……そうね、あんた不器用そうだし。
:10/01/24 11:52 :F905i :mTQM6q/E
#90 [渚坂]
魔王に視線を戻すと黄色い壁のようなものが彼と生徒たちを仕切っていた。綺麗なガラス細工のように、キラリと光を反射し魔王を閉じ込めている結界。
その結界を作り出した力に、やっぱり彼らは人間ではないのだ、ということをまざまざと見せつけられたような気がして私は一種の恐れを感じた。
:10/01/24 11:53 :F905i :mTQM6q/E
#91 [渚坂]
「あれもR.B.の力……」
「ああ……、詳しいことは後で説明してやっから今は俺たちに任せて寝てろ」
そう言って綾辻は私の頭をくしゃくしゃと撫でた。目の当たりにしたR.B.の力に恐怖する一方で、妙に心地よい綾辻の体温が頭から体中に染み渡り、彼の優しさが私を満たしていくような幸福な錯覚を覚えたのだった。
:10/01/24 11:54 :F905i :mTQM6q/E
#92 [渚坂]
:10/01/24 12:00 :F905i :mTQM6q/E
#93 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age
:22/10/07 15:54 :Android :GR1soPvw
#94 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)↑
:22/10/18 01:19 :Android :h3l12Mig
#95 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/18 21:48 :Android :h3l12Mig
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