星とぽんず。
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#161 [七瀬]
でも、
少しでもかわいいと思ってくれればいいな。
淡い色の浴衣と、淡い願いとともに家を出た。
電車ー。早く着けー。
そんな思いを乗せた電車は長く感じた。
:09/06/20 22:02
:N703iD
:15LlxJw2
#162 [七瀬]
駅に着くと、見えてくる、ちらほらと灯る明かり。
年に一度の行事、
夏祭り。
駅前‥着いたけど、
どこかな、歩志。
慣れない浴衣と、
おぼつかない足取りで
辺りを見渡す。
「あ、浴衣発見」
:09/06/20 22:54
:N703iD
:15LlxJw2
#163 [七瀬]
声が聞こえた。
「ってか、遅い」
あの声が。
『歩志!』
振りかえると
「何分待ったと思ってんの」
声はぶっきらぼうだけど、優しい笑顔だった。
:09/06/20 22:57
:N703iD
:15LlxJw2
#164 [七瀬]
『ご‥ごめん。思ったより時間かかっちゃって』
あわてて駆け寄ると
「待ちすぎて痛いよー」
今度は、声も顔も、
ぶっきらぼうな歩志。
『ほんっとごめ‥』
次の瞬間、
あたしは静止した。
:09/06/20 23:00
:N703iD
:15LlxJw2
#165 [七瀬]
「もう来てくんないかと、思った‥」
だって、
歩志の胸の中にいたから。
「だからさっきから、ドキドキしてた。やっぱ来てくんないかなーって。
だから、心臓痛い」
ちょっと笑って、
そう言った。
:09/06/20 23:02
:N703iD
:15LlxJw2
#166 [七瀬]
バカ‥。
まるで、時間も静止しているようだった。
ただ、心臓の音だけが、
ドキドキドキドキ‥と忙しく、鳴っていた。
あたしの方が痛いよ‥。
それが、
あたしの音なのか、
歩志の音なのか。
未だに、わからない。
:09/06/20 23:05
:N703iD
:15LlxJw2
#167 [七瀬]
でも、どっちでもいいや。
年に一度の夏祭り。
中学の友だちだって
お姉ちゃんだって
林原だって
来ているかもしれない。
見られるかもしれない。
でも、
すごく居心地よくって‥。
離れたくなかった。
:09/06/20 23:07
:N703iD
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#168 [七瀬]
「ってか、誰が祭り行くなんて言った?」
しばらくして、
歩志は離れた。
‥もうちょっと
ああしてたかったかも。
相変わらずの意地悪な顔。
:09/06/20 23:10
:N703iD
:15LlxJw2
#169 [七瀬]
『‥‥‥』
抱き合っていた恥ずかしさと
歩志のことばで沈黙する。
「まあいいや。
許したげるよ、ぜんぶ」
顔を上げた。
だから、なにを?
「行こっか」
:09/06/20 23:11
:N703iD
:15LlxJw2
#170 [七瀬]
‥またやられた。
あたしは
黙って歩志についていく。
大きな手に、
手を奪われながら。
なんで、あんなに
自然に手ぇ繋げんの?
ドキドキが止まる気配も
感じずに。
:09/06/20 23:15
:N703iD
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