星とぽんず。
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#151 [七瀬]
『‥‥‥』
しばらく、
なにも言えなかった。
ただ捕らわれたように、
その瞳を見ていた。
「なーんてね」
歩志が、おどけたように
舌を出すまで。
:09/06/20 21:18
:N703iD
:15LlxJw2
#152 [七瀬]
「‥‥明日」
『‥え?』
「あーしーた。
午後4時30分。駅前に来て」
歩志は、
いつもの口調で言った。
「じゃあ、
ぜんぶ許したげる」
:09/06/20 21:23
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:15LlxJw2
#153 [七瀬]
許す‥‥?
「もうそろそろ行かなきゃ。じゃーねー」
歩志は、出ていった。
許す‥なにを‥‥?
部活が終わるまでの、
一時間と15分。
あたしの頭は、はてなで
いっぱいだった。
:09/06/20 21:26
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#154 [七瀬]
「ねー、お母さん。
浴衣出してくんない?」
その日の
夕方のことだった。
「浴衣?‥ああ。そういえば。今年も行くの?」
「うん、友だちと」
‥あ、まさか。
:09/06/20 21:33
:N703iD
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#155 [七瀬]
『夏祭り‥?』
まさかまさか。
「うん。駅前のー」
まさかまさかまさか!
「わかった。浴衣出しとけばいいのね」
『‥ま、待って!』
ガタンと立ち上がった。
:09/06/20 21:36
:N703iD
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#156 [七瀬]
『あ‥あたしの分も‥出しといてくれない‥かな?』
お母さんは、
目を大きくした。
「あら。去年、まりちゃんと行ったときは歩きにくいからって、着ていかなかったじゃない。どうしたの、急に。」
『‥え、あ、
‥い‥いやあ‥』
確か、そうだった。
:09/06/20 21:40
:N703iD
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#157 [七瀬]
『そうなんだけど‥』
でも‥
『たっ‥たまには、いーかなーと思って』
「‥そう。わかったわ」
ちょっと、女の子らしいとこ見てもらいたかったのかも。
:09/06/20 21:42
:N703iD
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#158 [七瀬]
あ、やば。
遅れちゃう。
でも
「ゆ〜ず〜!もうそろそろ出たほうが、いいんじゃない?4時半に待ち合わせしてるんでしょー?お友だちと」
『もうちょっと待って〜!すぐ行くから!』
鏡の前で
最終チェックする。
:09/06/20 21:52
:N703iD
:15LlxJw2
#159 [七瀬]
お母さんが出してくれた
浴衣は
おばあちゃんが去年に、あたしとお姉ちゃんに買ってくれたけど、
あたしは一回も着たことがなかった。
浴衣って、歩きにくいし。
かき氷のシロップつけて帰ったら、お母さんに100%怒られるし。
おもいっきり遊べないからって理由で、拒否してた。
:09/06/20 21:56
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#160 [七瀬]
でも、今日は‥
「ゆーーずー?まだ?」
『はぁい。今行くー』
初めて袖を通した浴衣は、柔らかくて、冷たくて。
新品独特の匂いがした。
山吹色に、うすいピンクは少しおとなっぽすぎたかも。
:09/06/20 22:00
:N703iD
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