あの場所まで
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#90 [ミツバ]
それがせめてもの救いだった。

駅から来る人が加わり、一気に人口密度が上がった。

いつの間にか学校は目の前に見えてきた。

⏰:09/07/07 18:08 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#91 [ミツバ]
「じゃ、中間最後の二科目頑張ろうね。約束忘れるなよん」

愛莉は楽しげに、そして意味ありげな笑みをうっすら浮かべ隣の教室へと入っていった。

「うぅ、わかってるよ」

加奈子はすでに自信を無くしていた。

唸るように応え、手を振った。

⏰:09/07/07 18:12 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#92 [ミツバ]
「あ…ケント」

教室に入ってすぐ目についた。

ケントがノートに穴が開くのではないかという位凝視していた。

ネクタイを外し、ワイシャツの第二ボタンまで開けていた。

⏰:09/07/07 18:17 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#93 [ミツバ]
急いで自転車漕いで来たせいだろう、額から汗が顎へと伝わっていく。

ワイシャツの袖で拭う姿が妙に男らしく見えた。

必死に勉強しているケントに話しかけず、加奈子は一つ前の椅子に座った。

⏰:09/07/07 18:22 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#94 [ミツバ]
教室にはもうほとんどのクラスメイトがいて、皆最後の悪あがきのように机にかじりついている。

「か〜なこっ」

後ろからクラスでも仲の良い由美がぽんっと軽く肩を叩いた。

「おはよっ」
「おはよう」

低血圧は収まり、いつも通りの笑顔に戻った。

⏰:09/07/07 18:28 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#95 [ミツバ]
「ぼ〜っとしちゃってぇ何考えてたのよっ」

先程よりも強い力で由美は加奈子をバンバンと叩いた。

一瞬加奈子はケントのあの拭う姿が過ぎったが何も言わない。

変わりにじわりと熱くなった。

⏰:09/07/07 18:33 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#96 [ミツバ]
訂正

>>95

『変わりにじわりと体が熱くなった。』

見てる人いないかもですが、訂正します。

⏰:09/07/07 18:34 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#97 [ミツバ]
キーンコーンカーンコーン
昔ながらの予鈴が鳴った。

そして音と同時に担任が入ってきた。

「15分後には化学のテスト始めるからな。用意しとけよ、ってもうしてるか」

冗談混じりで言うが、生徒達には余裕がなかった。

⏰:09/07/07 18:40 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#98 [ミツバ]
ツンツン
肩を小突かれた。

振り向くとケントがノートを渡してきた。

「本当に助かったわ、そのノートから更にヤマ張ったから大丈夫。ありがとな」

ケントは笑って言った。

⏰:09/07/07 18:46 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#99 [ミツバ]
「寝てばっかいないで、ノート位取りなよね」

「はい、はい」

ケントはちゃんとわかったのか、わかってないのか曖昧に笑って答えた。

しょうがないなと思いながらもつられて笑ってしまった。

⏰:09/07/07 18:56 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


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