あの場所まで
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#93 [ミツバ]
急いで自転車漕いで来たせいだろう、額から汗が顎へと伝わっていく。

ワイシャツの袖で拭う姿が妙に男らしく見えた。

必死に勉強しているケントに話しかけず、加奈子は一つ前の椅子に座った。

⏰:09/07/07 18:22 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#94 [ミツバ]
教室にはもうほとんどのクラスメイトがいて、皆最後の悪あがきのように机にかじりついている。

「か〜なこっ」

後ろからクラスでも仲の良い由美がぽんっと軽く肩を叩いた。

「おはよっ」
「おはよう」

低血圧は収まり、いつも通りの笑顔に戻った。

⏰:09/07/07 18:28 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#95 [ミツバ]
「ぼ〜っとしちゃってぇ何考えてたのよっ」

先程よりも強い力で由美は加奈子をバンバンと叩いた。

一瞬加奈子はケントのあの拭う姿が過ぎったが何も言わない。

変わりにじわりと熱くなった。

⏰:09/07/07 18:33 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#96 [ミツバ]
訂正

>>95

『変わりにじわりと体が熱くなった。』

見てる人いないかもですが、訂正します。

⏰:09/07/07 18:34 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#97 [ミツバ]
キーンコーンカーンコーン
昔ながらの予鈴が鳴った。

そして音と同時に担任が入ってきた。

「15分後には化学のテスト始めるからな。用意しとけよ、ってもうしてるか」

冗談混じりで言うが、生徒達には余裕がなかった。

⏰:09/07/07 18:40 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#98 [ミツバ]
ツンツン
肩を小突かれた。

振り向くとケントがノートを渡してきた。

「本当に助かったわ、そのノートから更にヤマ張ったから大丈夫。ありがとな」

ケントは笑って言った。

⏰:09/07/07 18:46 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#99 [ミツバ]
「寝てばっかいないで、ノート位取りなよね」

「はい、はい」

ケントはちゃんとわかったのか、わかってないのか曖昧に笑って答えた。

しょうがないなと思いながらもつられて笑ってしまった。

⏰:09/07/07 18:56 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#100 [ミツバ]
───────────

テストが終わった。

赤点は免れたろうが、加奈子は良い出来ではなかった。

目にクマまで作ったのに紙が配られてからイマイチ集中できなかった。

⏰:09/07/07 20:21 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#101 [ミツバ]
愛莉のあの笑みが脳裏を過ぎる。

いったい何を企んでいるのだろう。

加奈子は身震いした。

⏰:09/07/07 20:23 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#102 [ミツバ]
───────────

土日を挟んで、3日後テストが全て返却された。

国語、数学、英語、日本史、化学この大きく五科目の総合で勝負だった。

「…いくわよ」

「…いつでもどうぞ」

心臓が高鳴る。

⏰:09/07/07 20:31 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


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